25日のNYダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反発した。前日比401ドル13セント高の2万4984ドル55セントで終えた。
NYダウは前日、米企業業績の先行き不安を背景に600ドル超の大幅安となったが、この日は序盤から買いが先行した。前日の引け以降、構成銘柄のマイクロソフトやビザがともに大幅に上昇し、ダウ平均を押し上げた。注目を集めていたテスラやツイッターなど主要企業から相次ぎ良好な決算が発表されたため、業績見通しに対する過度の警戒感が和らいだ。
電気自動車のテスラは24日夕に発表した決算で、8四半期ぶりに最終黒字に転じた。25日には短文投稿サイトのツイッターや通信・メディアのコムキャストなど、主要企業の市場予想を上回る決算発表が相次いだ。投資家心理が上向き、ダウ平均の上げ幅は一時500ドルを超えた。
中国の上海総合指数が小幅に上げた。欧州の主要株価指数が上昇したこともあり、世界的な景気減速への過度な警戒感が和らいだことも相場を支えた。投資家心理を映す米株の変動性指数(VIX)は前日比で低下した。ただ、不安心理が高まった状態とされる20は上回り、投資家のリスク回避姿勢は続いている。
業績見通しに慎重な見方を示す企業が増えるなか、2桁増が続いてきた企業収益がピークに近づいているとの懸念はくすぶる。米中貿易摩擦の悪影響も引き続き意識されており、相場の上値は重い。
市場関係者からは「前日の売られ過ぎの水準からは買い戻されたが、高値を更新するほどの投資マインドの改善にはなっていない」との声が聞かれた。
セクター別では、自動車・自動車部品やソフトウェア・サービスが上昇する一方で公益事業や電気通信サービスが下落した。
ナスダック総合株価指数は3日ぶりに反発し、前日比209.935ポイント高の7318.336で終了した。アルファベット(グーグル)やアマゾン・ドット・コムが大きく上昇した。前日に大幅に下げた半導体株にも買いが入り、指数を押し上げた。
個別では、短文投稿サイトのツイッター(TWTR)は、決算内容が予想を上振れ急騰。電気自動車のテスラ(TSLA)は、予想大きく上回る黒字決算を発表し大幅上昇。自動車大手のフォード(F)やソフトウェアのマイクロソフト(MSFT)も、決算内容が好感され上昇した。ケーブルテレビのコムキャスト(CMCSA)は、インターネット契約者数が前年同期比で大幅増となり堅調推移。
一方で、半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイシズ(AMD)は、弱気な売上高見通しが嫌気され大幅下落となった。
NYダウ工業株30種(ドル)
24,984.55+401.13
S&P500種
2,705.57+49.47
ナスダック
7,318.336+209.935
米10年債利回り(%)
3.1224 -0.002
米2年債利回り(%)
2.8507 -0.004
NY金(ドル/トロイオンス)
1,232.40+1.30
NY原油(ドル/バレル
66.99-0.34
円・ドル
112.35 – 112.36+0.05
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物(円建て)は反発した。
12月物は前日比160円高の2万1565円で取引を終え、大阪取引所の終値を295円上回った。前日に急落した米株式相場がこの日は急反発し、投資家のリスク選好が回復して日経平均先物も買われた
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
21565 ( +295 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
21590 ( +320 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7004.10(+41.12)
FTSE100種総合株価指数は続伸。前日24日の終値に比べ41.12ポイント高の7004.10で引けた。
外為相場のポンド安が追い風となったほか、米株高も市場心理を好転させた。
指数構成銘柄全体の7割以上が上昇した。幅広い業種が買われた一方、業績不振の広告大手WPPの暴落が目立った。
個別銘柄では、ポンド安の恩恵を受けやすい航空機エンジン製造大手ロールス・ロイスが4.4%高としっかり。航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループが3.8%高、格安航空大手イージージェットも2.5%高と航空株が買われた。自動車・航空部品のスミス・グループの上げも目立った。
また、終日、金融株に買いが先行した。通貨安の恩恵を受けやすい銘柄とされるたばこ株や食品・日用品のユニリーバなどが上昇した。
半面、通信関連株が下落した。WPPグループの売りが波及した。WPPは約14%安で引けた。一時は20%あまり下落する局面があった。金価格の下げを背景に関連のランドゴールド・リソーシズとフレスニージョが安くなった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 11307.12(+115.49)
ドイツ株式指数(DAX)は7営業日ぶりに大幅反発した。終値は前日24日と比べて115.49ポイント高の11307.12だった。
米株高が波及した。構成銘柄の約8割が上昇した。タイヤのコンチネンタルが大幅上昇した。
一方で医薬・農薬大手のバイエルが安かった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5032.30(+79.21)
