「曖昧模糊では待ってくれない」

「曖昧模糊では待ってくれない」
 
NY株式市場は反発。
フランス・ドイツの株価は7日ぶりに反発。
好決算のマイクロソフトが買われ、ハイテクセクターの上昇に貢献。
NASDAQは3月以来の大幅高となった。
売上高と利益が市場予想を上回ったマイクロソフトは5.8%高。
前日に年初来マイナスとなったNYダウとS&P500は年初来プラスに転じた。
ただ前日の下落幅を取り戻すまでには至らず。
「市場が上昇した日の出来高が下落した日の出来高を下回っており最近の下落局面が終わっていない可能性もある。
3市場の合算出来高は約92億株。
急落した前日は約96億株。
10月11日の急落時は114.4億株だった」という難癖も聞こえる。
耐久財受注は前月比プラス0.8%(市場予想はマイナス1.0%)で着地。
週間新規失業保険申請件数(季節調整済み)は前週比5000件増の21.5万件だった。
市場予想は21.4万件。
失業保険受給者総数は1973年8月以来、約45年ぶりの低水準に改善した。
債券市場は小動き。
26日発表予定の第3四半期の国内総生産(GDP)速報値待ちという格好。
ドラギECB総裁は先行きの「多大な不透明感」に言及。
景気の下支えを目的とした量的緩和を予定通り年内に終了する方針を確認。
来年の夏場以降の利上げにも含みを残したがユーロは下落。
ドル円は112円台前半での推移。
引け後に増収増益の決算を発表したアマゾンは市場予想を下回ったことから時間外取引で9%程度の下落。
アルファベットは利益が市場予想を上回って着地したが時間外取引で下落。
インテルの決算は市場予想を上回って着地した。
VIX(恐怖)指数は24.22%に低下。
SKEW指数は128.91。
 
NYダウが2.4%下げたのに対して日経平均は3.7%の急落。
マドを空けて始まり、寄りは414円安でほぼ高値、大引けが822円安でほぼ安値。
弱々しい展開が終日続いた。
値上がり34銘柄、値下がり2072銘柄。
18日、23日と1日置きの値下がり2000銘柄超。
圧倒的な売り優勢だった。
225採用銘柄のうちパナソニック、東ガスを除く223銘柄が下落した。
新高値3銘柄、新安値802銘柄。
新安値が1000を越えれば反発というアノマリーもあるが中途半端だった。
日経平均の25日移動平均線とのかい離率はマイナス8.42%。
2月13日の8.51%までは届かなかった。
ただTOPIXの25日線かい離率は2月の7.67%を上回る8.37%。
第2次限界水準ではある。
かろうじて1600ポイントを維持したのが救いだった。
騰落レシオは81.37。
6月安値時の75.13より上の水準で「下げ足りない」という声まで聞こえた。
相場の下落もそろそろ末期的という感じだ。
NT倍率は13.37倍。200日線からは5.4%のマイナスかい離。
松井証券信用評価損益率速報で売り方▲5.210%(前日▲8.506%)。
買い方▲16.649%(前日▲13.396%)。
マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方5.07%。
(過去最大。8月17日がプラス2.16%。前日▲0.6%)。
買い方▲25.58%(過去最低。7月5日が▲25.53%)。
買い方土砂降り、売り方晴天の数字だが売り方のプラス5%は限界だ。
日経VIは29.17%まで上昇。
日経平均のPERは12.37倍でEPSは1719円。
株式益回りは7.32%に上昇。
日経平均採用銘柄の配当利回りは2.11%まで上昇。
東証1部でも1.89%だ。
海外投資家は2週連続で現物先物合わせ1兆円の売り越し。
裁定買い残1.3兆円のところに今週の下落でもう悪さも出来ない水準だ。
シカゴ225先物終値は大証日中比295円高の21565円。
安値は21195円。高値は21785円。
大証夜間取引終値は日中比300円高の21570円。
前日空けたマド(21911円→21703円)を埋めるほどではない。
ボリンジャーのマイナス2σが21574円。マイナス3σが20749円。
反発は反発だが物足りないという週末になろうか。
アマゾンの決算発表後の急落。
そしての通常取引では3~7%上昇していたFANG銘柄銘柄の時間外の下落。
これを最初に受け止める東京市場という試練もある。
少し長い目で見れば東証時価総額の700兆円という絶対限界水準を今回も敗れなかったということ。
GDPの1.5倍以上には買えなかったということ。
ここは課題だ。
 
昨日引け後の市場関係者のコメント。
「基本的に調整局面は半年以上、長ければ来年後半あたりまで続く。
1月高値から3月までの下落幅が3500円。
新高値を付けた後の最初の下落幅は通常前回の下落幅の中に納まるので20760円は強いサポート。
しかし短期リバウンドの可能性もあり7月安値(21546円)を下回らなければ年内23000円もある」。
結論はどっち?というのが正直な感想。
「Aかも知れないしBかも知れない」なんて曖昧模糊では市場は待ってくれない。
「Aかも知れないしBかも知れない。Cという可能性もある。
警戒しましょう、注意しましょう」よりはマシではあるが・・・。
下落では「やっぱり」、上昇では「申し上げた通り」。
こんなコメントが横行しているようでは市場感覚は30年前と変わらない旧態依然。
 
NYダウは401ドル高の24984ドルと4日ぶりの反発。
NASDAQは209ポイント高の7318ポイントと3日ぶりの反発。
S&P500は49ポイント高の2705ポイントと7日ぶりの反発。
ダウ輸送株指数は186ポイント高の10091ポイント。
SOX指数は2.34%の反発。
3市場の売買高は92億株。
CME円建ては大証比295円高の21565円。
ドル建ては大証比320ポイント高の21590ポイント。
225先物大証夜間取引は日中比300円高の21700円。
ドル円は112.40円。
10年国債利回りは3.126%。
 
 
スケジュールを見てみると・・・
 
26日(金):日中首脳会談、米7~9月期GDP
週末:インドのモディ首相来日、欧州冬時間入り
29日(月):日印首脳会談、米個人所得、変化日
30日(火):日銀金融政策決定会合(~31日)、失業率、米CB消費者信頼感、株高の日
31日(水):日銀展望レポート、黒田日銀総裁会見、鉱工業生産、消費動向調査、米ADP雇用レポート、シカゴ購買部協会景気指数、中国PMI
1日(木):新車販売、米ISM製造業景況感、英金融政策発表、株安の日
2日(金):マネタリーベース、GPIFの7~9月運用報告、米貿易収支、雇用統計製造業受注
 
11月4日上げの特異日は土曜、12月1日上げの特異日は土曜、
12月22日上げの特異日は土曜。
となると上げの特異日は12月26日までない。
「株高の日」は11月30日(水)、11月14日(水)、21日(水)、22日(木)、28日(水)。
11月は「株は高いぞ水曜日」という並びだ。
11月26日(火)は「11月3連休明けは株高」の日だが・・・。
因みに・・・。
11月7日(水)は下げの特異日。
株安の日は8日(木)、13日(火)。
 
 
◇━━━ カタリスト━━━◇
 
日医工(4541)・・・動兆
 
日医工に注目する。
同社グループは後発医薬品大手。
2019年3月までの第7次中期経営計画「Obelisk」の3つの戦略。
地域包括ケアシステムにも対応した「シェアUP力」、
世界市場への供給も見据えた210億錠供給体制の確立を目指す「供給能力」、
バイオシミラー(先行バイオ医薬品と同等・同質の品質、安全性、有効性をもつ医薬品)
そして米国市場への参入を見据えた「開拓力」。
「ジェネリックメーカー世界TOP10」が目標だ。
今年3月にエーザイと戦略提携契約を締結。
「付加価値型ジェネリック医薬品」でのシナジー最大化が目的だ。
売上高国内最大規模の地位を確固たるものにする戦略の一つだ。
今年8月に発行した新株予約権の当初行使価格は1875円。
事業規模拡大のためには自己資本の充実が必要だし強固な財務体質が当然求められよう。
9月中間期の営業利益は25億円→30億円に上方修正。
継続的コスト削減策による原価低減効果が当初予想を上回ったのが背景だ。
2年前に3000円台だった株価は直近1500円水準で底練り2年。

(兜町カタリスト櫻井)

 

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