「撫でる」

「撫でる」
 
NY株式市場で主要3指数は1%強の上昇で反発。
また「安値拾い」という声が聞こえる。
下落し全体の足を引っ張っていた半導体セクターが反発。
SOX指数は4.2%高で3月以来の大幅な上昇率となった。
インテルは5.2%高。
投資判断の引き上げを手掛かりにエヌビディアが9.4%急伸。
原油価格の下落を背景にダウ輸送株指数も2.8%高と約1年ぶりの大幅な上昇率。
1万ポイント台に復活した。
「中国への追加関税」の問題はどこへ行ったのかと不思議な展開だ。
トランプ大統領の「中国と貿易に関して素晴らしい取引ができる」のコメントが奏功したとの解釈。
債券市場は薄商いで動意薄。
31日発表の米ADP雇用レポート、11月1日のマークイット製造業購買PMI、ISM製造業指数、2日の雇用統計を控えて動きにくい状況だ。
CB消費者信頼感指数は137.9と市場予想の136.0を上回り2000年9月以来の高水準。
「短期的に力強い経済成長が続く」という見方だ。
対ドルでユーロは軟調継続。
ポンドは下落。
日銀金融政策決定会合中のドル円は113円台前半。
 
 
100円安で寄り付いて418円高まであっての307円高。
日経平均は今月最大の上昇幅となった。
値上がり1840銘柄、値下がり239銘柄。
新高値6銘柄、新安値549銘柄。
騰落レシオは72.52と前日の71.36とほぼ変わらず。
日足は6日ぶりの陽線となった。
5日線(21430円)も上回っての動き。
東証1部売買代金は4兆406億円は5月31日(4兆4300億円)以来の大商い。
もっとも背景はTOPIXの浮動株比率の見直しによる入れ替えがあったので微妙なところ。
「GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が動き出したらしい」という声も聞こえる。
売買代金が前日比2.7倍に膨らんだトヨタ。
「5月31日以来の大商い。
6月の日経平均23000円挑戦場面のスタートが5月31日だったことを考えると、なかなか意味深長」という見方もある。
25日線(22926円)からは6.4%のマイナスかい離。
200日線(22442円)からは4.4%のマイナスかい離。
松井証券信用評価損益率速報で売り方▲6.584%(前日▲4.816%)。
買い方▲16.705%(前日▲18.565%)。
マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方△5.16%(前日△10.13%)。
買い方▲27.69%(前日▲30.29%)。
買い方がやや改善した。
空売り比率は49.9%。
規制なし銘柄比率は4.8%。
10月26日時点の信用買い残は240億円減の3兆1460億円。
信用売残は326億円減の7203億円。
日経平均HVは25.3、日経VIは26.65と低下。
日経平均採用銘柄のPERは12.48倍でEPSは1719円と伸びない。
株式益回りは7.26%に低下した。
シカゴ225先物終値は大証日中比145円高の21625円。
高値は21640円。
ボリンジャのマイナス2σが20904円、マイナス1σが21915円。
24か月移動平均21046円は死守。
気学では「下落含みの日。戻り売り方針」と物騒だ。
まだ病み上がり。
月足は5ヶ月ぶりの陰線だ。
下落幅10傑を逃れるには最低129円高の21586円が必要な月末。
 
月足陽線基準24245円など夢の世界。
10月SQ値22313円はその後1週間は5勝1敗で「幻」でなかったが今は「幻」。
年足陽線基準23506円も怪しくなってきた。
昨年末終値22764円も下回っての推移。
5日線の次に届きそうなのは12ヶ月線(22506円)。
それでもまだ1000円ある。
日足5陰連のあとの連続陽線がささやかな希望。
 
29日時点のGPIFの国内株式比率は23.9%。
6月末時点は25.5%だった。
25%に戻すには「1兆8300億円の日本株買い需要」という声もある。
「前場に買うクジラ、後場に買う日銀」という棲み分けも興味深い。
ちなみに今月の日銀は既に12回8436億円のETFを買った。
3月が11回8081億円だったから過去最高。
年初からの累計は4兆9446億円。
年6兆円ペースからは2490億円ほど買い過ぎのペースだ。
 
ユーロ圏のGDPは年率換算0.6%成長に減速。
メルケル政権の行方は不透明。
ブレグジッドもどうなるか。
欧州に霧はかかり始めた。
とはいえ、一番の霧はトランプ氏の行方。
来週の中間選挙を通過することがまず必要なのだろう。
米中貿易摩擦は技術摩擦。
背景の「中国製造2015」は無理筋ながら中国が突き進んでいるのが強硬トランプの背景だ。
イギリスのデジタル課税も影を落とす。
闇を探れば限りない。
しかし、経済産業省や財務相が目論んでいる「中小企業の設備投資促進の税優遇延長」。
消費増税の見返りとしては悪くはない。
そして輝きそうなのはCCCとSBIのポイント活用投資の方向。
Tポイントという疑似マネーを利用した投信・株式の少額投資。
少しは業界も知恵を絞ってきた印象だ。
「徹底的に若者を取り込む」という方向は利益は薄いだろうが悪くはない。
でも財布に溢れんばかりのポイントカードを持っている主婦層を取り込むのだとしたら結構な影響は出てこよう。
とにかく形式上は元手のないマネーで投資ができるのだから、これは乗ってくる向きは多いハズ。
このあたりの知恵の差が仮想通貨に向かった証券会社との差別化につながるのだろう。
現場を乖離した経営では証券会社も遊離する。
すばらしいエントランスだ。
 
奇異感があるのは「弁当が痛手に」という歌舞伎座常務の決算コメント。
このところの節約志向で歌舞伎座に弁当持参の顧客が増えているという。
本当に節約志向なのかどうかは不明だが食堂の利用が少ないという。
歌舞伎なんて富裕層がいくものという志向からすると弁当って何?という印象。
食堂のせいなのかどうかの精査は欲しいところだ。
 
 
NYダウは431ドル高の24874ドルと3日ぶりの反発。
NASDAQは111ポイント高の7161ポイント。
S&P500は41ポイント高の2682ポイント。
ダウ輸送株指数は279ポイント高の10175ポイント。
SOX指数は4.16%の上昇。
3市場の売買高は96億株。
CME円建ては大証比145円高の21625円。
ドル建ては大証比175ポイント高の21655ポイント。
225先物大証夜間取引は日中比160円高の21640円。
ドル円は113.08円。
10年国債利回りは3.118%。
 
 
昨日の朝。
実況にスタジオに行く前に日証館1階の渋沢栄一翁の赤石を相方と撫でた。
ご利益としてのマイナス展開からのプラ転換。
考えてみると、このおまじないをスタートしたのは17日。
それ以降日経平均は4勝6敗だが、4勝のうち3回は赤石を撫でた日。
撫でた日は全勝だ。
タイミングもあるのだろうが・・・。
恐るべし赤石。
 
 
◇━━━ カタリスト━━━◇
 
エスクローAJ(6093)・・・動兆
 
エスクローAJ(6093)に注目する。
同社は金融機関からのBPO(業務受託)と不動産関連業務のエスクロー(第三者寄託)が中核。
不動産取引の安全を保証する日本版エスクローを業態として確立することを目指している。
米国のエスクロー制度を参考にした日本における不動産取引決済までのワンストップサービスは今後必要不可欠な存在だ。
業績は堅調。
今2月期売上高は前期比26.3%増の37.33億円。
営業利益は同14.2%増の8.28億円の見通し。
大手銀行の非対面ローンサポートの本格稼働、相続手続きサービス「ZOOK」は日本郵便などとのトライアル開始。
建設業者向けワンパッケージサービスや「不動産取引スマート化キャンペーン(仮称)」などに期待感大。
AI活用で将来需給を予想するという構想もある。
 
 
(兜町カタリスト櫻井)

 

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