10月31日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前日比241ドル12セント高の2万5115ドル76セントで終えた。
複数の主要企業決算が好感され、買いが先行。10月ADP雇用統計が予想を上振れ、米経済の堅調さが示されたほか、米連邦準備制度理事会(FRB)がメガバンクを除く金融機関の資本要件緩和を検討していることも好感され、終日堅調となった。
30日夕の決算発表を手掛かりにフェイスブックが大幅に上昇。主力ハイテク株に買いが波及し、アマゾン・ドット・コムやネットフリックス、アルファベット(グーグル)が上昇した。主力株の上昇が投資家心理の改善につながった。
好決算を発表した自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)も急伸。1株当たり利益と売上高がともに市場予想を上回ったほか、通年の業績予想についても当初目標の上限に達するとの見通しを示したことが好感された。
米長期金利が上昇し、利ざや改善期待からゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースといった銀行株の買いを誘った。「米連邦準備理事会(FRB)が大手銀行を除く金融機関の規制緩和を提案したのも銀行株の上昇につながった」との指摘があった。
ただ、ダウは終盤にかけて220ドル余り上げ幅を縮小。市場関係者は「ボラティリティー(変動率)はまだ高い。不安定な取引はしばらく続くのではないか」と話した。
セクター別では、自動車・自動車部品やソフトウェア・サービスが上昇する一方で不動産や公益事業が下落した。
ナスダック総合株価指数も続伸し、前日比144.249ポイント高の7305.899で終えた。エヌビディアやマイクロン・テクノロジーなどの半導体株の上昇が目立った。
最後の2日間に戻したとはいえ、10月の米国株は低迷した。S&P500種株価指数は10月に6.9%下落した。月間の下落率としては2011年9月(7.2%下落)以来、7年ぶりの大きさだった。
個別では、通信大手のTモバイル(TMUS)は、加入者純増数が予想を上回ったほか、同業スプリント(S)との合併承認に楽観的な見方を示し上昇した。オークションサイトのイーベイ(EBAY)やファストフードのヤム・ブランズ(YUM)も決算内容が好感された。
一方で、食品メーカーのケロッグ(K)は、売上高が予想を下振れ大幅下落となった。
NYダウ工業株30種(ドル)
25,115.76+241.12
S&P500種2,711.74+29.11
ナスダック
7,305.899+144.249
米10年債利回り(%)
3.1473 +0.038
米2年債利回り(%)
2.8709 +0.028
NY金(ドル/トロイオンス)
1,215.00-10.30
NY原油(ドル/バレル)
65.04-0.27
円・ドル
112.95 – 112.96-0.24
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は続伸した。
12月物は前日比145円高の2万1770円で引け、31日の大取終値を110円下回った。
好調な米雇用指標に加え、30日発表になったフェイスブックの決算を手がかりにハイテク株主導で米株が続伸し、日経平均先物も買われた。円安も支援材料になった。
12月物は一時大取の日中高値を上回る2万1940円まで上げたが、その後は伸び悩んだ。この日の12月物安値は2万1560円。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
21770 ( -110 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
21795 ( -85 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7128.10(+92.25)
FTSE100種総合株価指数は3日続伸した。前日30日の終値に比べ92.25ポイント高の7128.10で引けた。この日のFT指数は高寄り後、7100台で横ばい推移。終盤には7161.54と、約3週間ぶり高値を付けた。
アジア株高が波及し、欧州株は軒並み大幅に上昇した。月末で持ち高調整を目的にした買いが入ったとの指摘もあった。指数採用銘柄の約8割が値上がりした。
朝方からエネルギー株に買いが集まり、株価の上げを主導した。
個別銘柄では、BPをはじめ石油株が高くなった。エネルギー関連サービスのウッド・グループも上げた。主力の鉱業株も軒並み上昇した。個別銘柄では総合ヘルスケアのNMCヘルスが5.2%高と大幅高となったほか、好決算を発表したスタンダードチャータード銀行と梱包材メーカーのスマーフィット・カッパ・グループも上げた。
半面、電力・ガス供給ナショナル・グリッドは2.4%安など公益事業株が売られた。衣料小売りのネクストは四半期決算が振るわず、アナリストが投資判断を引き下げたため下落した。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 11447.51(+160.12)
ドイツ株式指数(DAX)は大幅に反発した。終値は前日30日と比べて160.12ポイント高の11447.51だった。
世界の主要株式相場が上昇し、投資家のリスク選好意欲が高まった。構成銘柄の約9割が上昇した。
個別では、オンライン決済サービスのワイヤーカードが大幅に上昇した。一方でドイツポストが安かった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5093.44(+114.91)
フランスの株価指数CAC40も2%超高と、大幅に上昇した。四半期決算を好感してロレアルが急上昇し、株価をけん引した。
