NYダウ545ドル高、中間選挙「予想通り」で安心感

7日のNYダウ工業株30種平均は大幅に3日続伸した。
前日比545ドル29セント高の2万6180ドル30セントと、10月9日以来ほぼ1カ月ぶりに節目の2万6000ドルを回復した。
注目の米中間選挙は大方の予想通り、共和党が上院の過半数議席を維持する一方で、民主党が下院を支配する結果となった。先行き不透明感が払拭されたほか、米中貿易摩擦を巡る協議進展への期待からハイテク株を中心に終日大幅上昇となった。
 
中間選挙では与党共和党が上院の過半を維持した一方、民主党が下院で過半を奪回した。議会上下院で多数派が異なる「ねじれ議会」となる。
一般的には政策協議が進みにくくなるとされるが、インフラ投資など一部政策では両党が折り合えるとの期待は強い。共和党が上院で過半を維持したことで、企業寄りの政策が続くとの思惑も株式の買い安心感を誘った。
 
インフラ投資への期待から建機のキャタピラーや建機・産業機器レンタルのユナイテッド・レンタルズなどインフラ関連株が買われた。
 
また、医療保険のユナイテッドヘルス・グループや製薬のファイザーなどヘルスケア関連株の上げも目立った。ねじれ議会で現行の米医療制度がおおむね維持されるとの思惑から買いが入った。アイダホなど複数の州で実施された投票の結果、低所得者向けの公的医療保険「メディケイド」の適用範囲拡大が決まった。保険の加入者数の拡大や保険適用で高額医薬品の販売が増え、収益を押し上げるとの見方も買いを誘った。
 
一方、10月の株価急落を招いたリスク要因のうち、激化する米中貿易戦争は解決の道筋は見えないままとなっている。中間選挙という大きなイベントを通過したことで、投資家の視線は11月末からの20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせて予定される米中首脳会談の行方に向かっている。
 
セクター別では家庭用品・パーソナル用品を除いて全面高となり、特に小売やソフトウェア・サービスの上昇が目立った。
 
ナスダック総合株価指数は大幅に続伸し、同194.790ポイント高の7570.754と10月17日以来の高値で終えた。ネットフリックスやアップルなど主力株が軒並み上昇した。
 
個別銘柄では、トランプ大統領から独占禁止法違反と批判を受けていたアマゾン(AMZN)は、中間選挙結果により批判が和らぐとの見方から上昇した。米中貿易摩擦の解決期待も強まり、携帯端末のアップル(AAPL)や、半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイシズ(AMD)が堅調推移した。事務用品小売のオフィスデポ(ODP)は、決算内容が好感されたほか、通期見通しを引き上げ急騰。コロラド州の住民投票で石油・ガス採掘の規制案が拒否され、ノーブル・エナジー(NBL)やパイオニア・ナチュラルリソーシズ(PXD)など石油・ガス生産会社が上昇した。
 
一方で、化粧品メーカーのコティ(COTY)はサプライチェーンの混乱による業績懸念により急落。アパレルのマイケル・コース(KORS)は、売上高が予想を下振れ、大幅下落となった。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
26,180.30+545.29
S&P500種
2,813.89+58.44
ナスダック
7,570.754+194.790
 
米10年債利回り(%)
3.2373 +0.023
米2年債利回り(%)
2.9649 +0.033
 
NY金(ドル/トロイオンス)
1,226.30              -6.00
NY原油(ドル/バレル)
61.59-0.62
円・ドル
113.57 – 113.58+0.51
 
 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は続伸した。
12月物は前日比315円高の2万2560円と、大阪取引所の終値を440円上回って終えた。6日投開票の米中間選挙で、市場の予想通り民主党が下院の過半数を奪還し、目先の不透明要因が払拭されたとの安心感から買いが入った。共和党が上院の過半数を維持したため、ビジネス寄りの政策が大きくは変わらないとの見方につながり、買いが優勢になった。
12月物高値は2万2565円、安値は2万1990円だった。
 
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
22560 ( +440 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
22585 ( +465 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7117.28(+76.60)
FTSE100種総合株価指数は米中間選挙を無事通過して反発した。前日6日の終値に比べ76.60ポイント高の7117.28で引けた。構成銘柄の約8割が上昇した。
この日のFT指数は高寄り後、午前中に7136.75まで上昇。高値圏で横ばい推移したが、引けにかけてやや上げ幅を縮小した。
米中間選挙が市場の想定内の結果だったことを受けて、前日下落した銘柄を中心に買い戻され、株価を押し上げた。加えてポンド高・ドル安も為替変動の影響を受けやすい多国籍企業銘柄の買いを誘った。
 
個別銘柄では、ポンド高による収益の押し上げ効果を見込み、たばこ株や医薬品株、酒類のディアジオなどが上昇した。前日はポンド安を背景にこれらの銘柄は下落していた。アラブ首長国連邦(UAE)拠点の総合ヘルスケアのNMCヘルスの4.3%高と上げが大幅高で引けた。銀行株と保険株も上げた。衣料部門の好業績を手がかりに衣料小売りと食品事業のアソシエーテッド・ブリティッシュ・フーズも4.3%高と上げが目立った。
 
半面、メディアのITVが終日安かった。景気の先行き不透明感から広告収入が鈍化するとの見方を示し、株価の先安観が意識された。
ダイレクトライン・インシュアランス・グループは午後に値下げ幅を拡大した。複数のアナリストが目標株価を引き下げたことが売り材料視された。
英民放大手ITVは2.8%安、英郵便会社ロイヤル・メールは1.4%安とふるわなかった。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 11579.10(+94.76)
ドイツ株式指数(DAX)は3日ぶりに反発した。終値は前日6日と比べて94.76ポイント高の11579.10だった。
 
個別銘柄では、透析器大手のフレゼニウス・メディカル・ケアが急上昇し、9%以上、上げた。米中間選挙の結果は透析医療費などのヘルスケアに影響を及ぼさないとの見方が買い安心感につながった。
一方でアディダスが安かった。北米とアジアの売上高は増加したものの欧州の売上高は減少し、売られた。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5137.94(+62.75)
 
 

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