東京株式(前引け)=
10日午前の日経平均株価は小幅ながら反発した。午前終値は前週末比7円30銭高の2万2314円36銭だった。
きょう前場の東京株式市場は寄り付き安く始まったものの下値は堅く、その後は前週末終値近辺でもみ合う展開となり、前引けは小幅ながら高く引けた。
トランプ米大統領が7日、通商問題を巡って中国からの輸入品に対する「第3弾」の追加関税に続き、新たな制裁措置を課す可能性を指摘したほか、日本に対しても改めて強硬な姿勢を示した。市場では「貿易摩擦問題の先行き不透明感がくすぶるなか、日本株には持ち高調整目的の売りも出やすかった」との声が聞かれた。
8月の米雇用統計が米利上げを後押しするとの観測から円安・ドル高が進み、自動車など輸出関連株の一部に買いが集まった。だが、トランプ米政権の保護主義的な通商政策への警戒が高まるなかで買い控えムードが強く、上値も限られた。
4~6月の国内実質GDP(国内総生産)改定値は、設備投資が伸びた影響で年率換算で3.0%増となった。速報値(年率1.9%増)から上方修正されたことで「市場のムードを良くした」(同)。ただ、市場関係者の間では「下期は保護貿易によるインパクトが警戒される」と受け止める声もあり、株価を下支えする効果は限定的だった。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)は上昇した。
前引けの東証1部の売買代金は概算で8440億円にとどまった。売買高は5億3650万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1205、値下がりは760、変わらずは141だった。
業種別株価指数(33業種)は、保険業、鉱業、銀行業の上昇が目立った。下落は食料品、繊維製品、サービス業など。
個別では、ソニーが堅調、武田薬品工業も買いが優勢。ファナック、キーエンス、テルモ、ダイキン、京セラなども高い。第三者委員会が不適切融資に関する調査報告書を公表したスルガ銀行は朝方売り買い交錯でもみ合っていたが、前引けにかけて水準を切り上げた。ポールトゥウィン・ピットクルーホールディングスが大幅高、IBJも物色人気。米長期金利の上昇を受け、第一生命HDやT&Dなど保険株の上げも目立つ。
半面、ファーストリテイリングやスクリンが売られ、東海カーボンも安い。TDKも値を下げた。エイチーム、gumiが急落、サッポロHDやキリンHD、アドテストの下げも目立った。市光工業、伊藤ハム米久ホールディングスなども大きく下げた。
東証2部指数は前週末比9.51ポイント高の7080.04ポイントと6日ぶり反発。
出来高5716万株。値上がり銘柄数は213、値下がり銘柄数は183となった。
個別では、土屋ホールディングス、アウンコンサルティング、ICDAホールディングス、チャーム・ケア・コーポレーションが年初来高値を更新。エリアクエスト、ASTI、ウインテスト、大盛工業、スマートバリューが買われた。
一方、フルスピード、アスモ、魚喜、セイヒョー、デュアルタップなど22銘柄が年初来安値を更新。カンロ、日本モーゲージサービス、プレミアムウォーターホールディングス、イトーヨーギョー、大興電子通信が売られた。
