26日のNYダウ工業株30種平均は3日続落し、前日比106ドル93セント安の2万6385ドル28セントで終えた。
この日のNYダウは、小幅高で開始した。米連邦公開市場委員会(FOMC)後の声明発表とパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の会見を午後に控えて様子見姿勢が強まり、中盤にかけては小動きで推移した。
米連邦準備理事会(FRB)は26日まで開いたFOMCで今年3回目の利上げを決めた。FOMC後の声明では政策姿勢を「緩和的」とする文言を削除し、利上げ局面が終盤に差し掛かりつつあるとの観測を誘った。
米長期金利が短期金利以上に低下し、長短期金利の利回り差が縮小した。利ざやが減るとの懸念からゴールドマン・サックスなど金融株を中心に売りが優勢になった。
ダウ平均は上昇する場面があった。アナリストが投資判断を「買い」に引き上げたIBMが上昇した。米メディアの21世紀フォックスが保有する英有料放送局のスカイ株を売却した。フォックスのコンテンツ事業を買収するウォルト・ディズニーは引き継ぐ負債が大幅に減ったと発表し、株価が上昇。IBMとともにダウ平均を押し上げた。
FOMCの結果発表の直後には米金利低下が好感され、株買いが勢いを増した。ダウ平均は一時113ドルまで上げ幅を広げた。
市場関係者からは、「今後、FRB高官の発言が出てくるはずなので、金融政策の道筋に関する市場の見方も徐々に固まっていくだろう」との声も聞かれた。
ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反落し、同17.105ポイント安の7990.366で終えた。フェイスブックなど主力株の一角は上げたが、アップルなどが売られ指数を押し下げた。
セクター別では、運輸や小売が上昇する一方で銀行や不動産が下落した。
FOMC後の長期金利低下を受けて、シティ・グループ(C)、ゴールドマン・サックス(GS)、モルガン・スタンレー(MS)などの金融関連株が軒並み下落した。スポーツ用品のナイキ(NKE)は、決算内容が嫌気され軟調推移した。
一方で、ピザチェーンのパパ・ジョンズ・インターナショナル(PZZA)は、創業者のジョン・シュナッター氏がプライベート・エクイティ(PE)を通じた同社の買収を計画していることが報じられ上昇。ITサービスのIBM(IBM)や、アクションカメラのゴープロ(GPRO)は、一部アナリストによる投資判断引き上げを受け、堅調推移となった。
NYダウ工業株30種(ドル)
26,385.28-106.93
S&P500種
2,905.97-9.59
ナスダック
7,990.366-17.105
米10年債利回り(%)
3.048 -0.054
米2年債利回り(%)
2.8188 -0.024
NY金(ドル/トロイオンス)
1,199.10-6.00
NY原油(ドル/バレル)
72.04+0.47
円・ドル
112.67 – 112.68 -0.18
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は小幅に上げた。
12月物は前日比70円高の2万3880円で終え、大阪取引所の終値を120円下回った。米株式相場上昇した局面で買われた。
26日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)後の声明を手がかりに円高や米株安が進んだのを受け伸び悩んだ。
12月物の高値は2万4025円、安値は2万3825円だった。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
23880 ( -120 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
23915 ( -85 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7511.49(+3.93)
FTSE100種総合株価指数は小幅続伸した。前日25日の終値に比べ3.93ポイント高の7511.49で引けた。
米連邦公開市場委員会(FOMC)などを控えて方向感に乏しかった。指数構成銘柄全体の約7割が上昇した。
医薬品株と銀行株の値上がりが株価指数を押し上げる一方で、資源株の下げが上値を抑えた。
個別銘柄では、旅行代理店大手トゥイが3.3%の大幅高。英格安航空大手イージージェットも2.1%高、英ホテル大手インターコンチネンタルホテルズグループも1.5%高としっかり。医薬品のシャイアーと銀行のHSBCホールディングスの値上がりが目立った。たばこ株も買われた。総合ヘルスケアのNMCヘルスと旅行のTUIはともに3%超上昇した。
半面、原油価格が前日に3年10カ月ぶりの高値をつけたことで大幅に上昇した石油株に、この日は利益確定の売りが広がった。金と銅の相場安を背景に、フレスニージョは3.6%安など鉱業関連株も売られた。ランドゴールド・リソーシズは、カナダの同業と合併することで合意して過去2日間は大幅に上昇していたが、この日は反動で売られた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12385.89(+11.23)
ドイツ株式指数(DAX)は続伸した。終値は前日25日と比べて11.23ポイント高の12385.89だった。構成銘柄の約6割が上昇した。
個別では、電力のRWEとエーオン、医療機器のフレゼニウスは上昇した。
一方、鉄鋼のティッセン・クルップの値下がりが大きくなった。ドイツ銀行も売られた。同行はこの日、スイスのUBSとの提携やコメルツ銀行との合併の可能性に触れた一部報道を否定した。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5512.73(+33.63)
