27日のNYダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反発した。前日比54ドル65セント高の2万6439ドル93セントで終えた。
前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)が公表した想定利上げ回数は、2020年までは従来見通しから据え置かれたほか、21年は「0」回として15年末から続く利上げ路線の打ち止めを示唆した。これを受けて、週前半に3.10%まで上昇した米10年債利回りも低下した。長期金利の急上昇に対する警戒感が後退する中、主力のハイテク株が買われて相場上昇を主導した。ダウは一時170ドル超上昇した。
アップルは、JPモルガン証券がサービス事業の好調を見込んで「買い」で投資判断を始めたことが手掛かりとなった。アマゾンも3割近い株価上昇を見込むリポートをスタイフェル・ニコラスが出し、買い材料視された。アルファベット(グーグル)やフェイスブック、動画配信のネットフリックスなどネット関連銘柄に買いが波及した。
一方、貿易摩擦への警戒感は根強く、取引終了にかけては伸び悩んだ。中国売上比率が大きいキャタピラーのほか、ダウ・デュポンなど素材株、中国から製品を輸入するウォルマートなどは売りに押された。
トランプ米大統領が連邦最高裁判所判事に指名したブレット・カバノー氏の公聴会が27日に開かれた。内容を見極めたいとして、朝方は様子見ムードが強かった。
ナスダック総合株価指数は反発し、前日比51.602ポイント高の8041.968で終了した。ネット関連株に加え、ギリアド・サイエンシズなどバイオ製薬銘柄の上げも目立った。
セクター別では、テクノロジー・ハード・機器や公益事業が上昇する一方で素材や銀行が下落した。
個別では、携帯端末のアップル(AAPL)は、JPモルガンによる投資判断引き上げを受け上昇。ネット小売のアマゾン(AMZN)は、人気商品をそろえた実店舗「Amazon4-star」をニューヨークで開店し堅調推移した。クラウドベースの顧客管理ソフトなどのセールス・フォース(CRM)は、売上高見通しを引き上げ買われた。
一方で、家庭用品小売のベッド・バス&ビヨンド(BBBY)は、決算内容が予想を下振れ、20%超の大幅下落。ドラッグストアのライト・エイド(RAD)は、経営体制の変更を発表し売られた。
NYダウ工業株30種(ドル)
26,439.93+54.65
S&P500種
2,914.00+8.03
ナスダック
8,041.968+51.602
米10年債利回り(%)
3.0536 -0.007
米2年債利回り(%)
2.831 +0.004
NY金(ドル/トロイオンス)
1,187.40-11.70
NY原油(ドル/バレル)
72.21+0.09
円・ドル
113.40 – 113.41+0.80
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は続伸した。
12月物は前日比135円高の2万4015円で引け、中心限月物終値ベースで今年1月中旬以来、約8カ月ぶりに2万4000円台に乗せた。
同日の大取終値を185円上回った。好調な米景気指標を背景に米株が反発し、日経平均先物の買いを支えた。27日発表の8月の米耐久財受注は市場予想を上回った。
12月物高値は2万4125円、安値は2万3770円
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
24015 ( +185 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
24055 ( +225 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7545.44(+33.95)
FTSE100種総合株価指数は3日続伸した。前日26日の終値に比べ33.95ポイント高の7545.44で引けた。
外為相場のポンド安が相場を押し上げた。指数構成銘柄全体の6割強が上昇した。石油大手を除く資源株がさえない一方で、製薬や社会インフラなど幅広い業種の株価が上昇した。
個別では、原油高を追い風に石油株は終日買いが先行した。ガス供給・販売のセントリカが2.8%高と大幅に上昇した。旅行のTUIとヘルス・安全装置関連のハルマは2.5%高と上げが目立った。TUIは今夏の業績は振るわなかったものの、通期の見通しを据え置いたことが好感された。ハルマは4月からの業績が好調との発表が買い手がかりになった。朝方は売られていた銀行株は小幅ながら全銘柄が上昇して引けた。
半面、銅価格が大幅に下げ、鉱業株に売りが広がった。なかでもフレスニージョの下げが目立った。航空株は原油高で燃料費がかさむとの観測から下落した。クルーズのカーニバルは5%超安となった。9~11月期は、燃料費の増加やドル高が利益を圧迫するとの見方を示したことで売られた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12435.59(+49.70)
ドイツ株式指数(DAX)は3日続伸した。終値は前日26日と比べて49.70ポイント高の12435.59だった。
個別では、鉄鋼のティッセン・クルップが約1割高と急伸した。最高経営責任者(CEO)が増資計画はない、などと述べた。自動車のフォルクスワーゲンとダイムラーの上げも目立った。
一方で原油高による燃料費増加が懸念され航空のルフトハンザが大幅に下落した。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5540.41(+27.68)
フランスの株価指数CAC40は小幅ながら上昇に転じて引けた。
