NYダウ続伸、192ドル高 NAFTA合意を好感

 
 1日のNYダウ工業株30種平均は3日続伸し、前週末比192ドル90セント高の2万6651ドル21セントで終えた。
 
トランプ米政権は9月30日、NAFTA再交渉でカナダと合意したと発表。カナダは乳製品市場の一部開放や自動車の対米輸出に事実上の制限を設けることを受け入れた。先に妥結したメキシコを含む3カ国協定の枠組みが維持されたことを受けて貿易摩擦激化への懸念が和らぎ、自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)や航空機大手ボーイングなど輸出関連株への買いが膨らんだ。
ダウ平均は航空機のボーイング1銘柄で70ドルあまり指数を押し上げた。ダウ平均は一時279ドルに上げ幅を広げた。
 
また、原油先物相場が大幅に上昇し、約3年10カ月ぶりの高値を付けた。業績に追い風になるとの見方から、シェブロンやエクソンモービルといった石油株が買われたのもダウ平均を支えた。米長期金利が高止まりし、利ざや改善が見込めるJPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスといった銀行株も高い。
 
ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに小幅に反落し、前週末比9.051ポイント安の8037.302で終えた。フェイスブックや半導体のインテルの下げが目立った。アップルやマイクロソフト、アマゾン・ドット・コムといった他の主力株は上昇し、下値は限られた。
 
 
セクター別では、エネルギーや資本財が上昇する一方で消費者サービスや不動産が下落した。
 
個別では、電気自動車のテスラ(TSLA)は、イーロン・マスクCEOが米証券取引委員会(SEC)と和解したことが報じられ大幅上昇。複合企業のゼネラル・エレクトリック(GE)は、CEOの交代を発表し上昇。NAFTA再交渉の妥結で、自動車大手のゼネラル・モーターズ(GM)やフォード(F)が買い戻された。
 
一方で、ファストフードのチポトレ・メキシカン・グリル(CMG)は、一部アナリストによる投資判断引き下げを受け下落。SNSのフェイスブック(FB)は、約5000万のアカウント情報漏洩を受けて、欧州連合(EU)が約16.3億ドルの罰金を科すことが報じられ、軟調推移となった。
 
NYダウ工業株30種(ドル)
26,651.21+192.90
S&P500種
2,924.59+10.61
ナスダック
8,037.302-9.051
 
米10年債利回り(%)
3.0836 +0.028
米2年債利回り(%)
2.8229 +0.004
 
NY金(ドル/トロイオンス)
1,191.70-4.50
NY原油(ドル/バレル)
75.43+0.13
円・ドル1
13.98 – 113.99-0.05

 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は5営業日続伸した。
12月物は前週末比270円高の2万4420円で引け、大阪取引所の終値を110円上回った。米株高が好感され日経平均先物にも買いが広がった。
9月30日に米国とカナダ、メキシコが北米自由貿易協定(NAFTA)に替わる新たな貿易枠組みで合意し、米国の投資家心理が改善した。
 
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
24420 ( +110 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
24455 ( +145 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7495.67(-14.53)
FTSE100種総合株価指数は続落した。前週末の9月28日の終値に比べ14.53ポイント安の7495.67で引けた。構成銘柄の半数以上は下落した。
住宅株の下げが目立ったが、値下がり銘柄は約半数にとどまった。
 
個別銘柄では、朝方から買われていた郵便大手のロイヤル・メールは、午後に通期の営業利益が減るとの見通しを示したことをきっかけに売られ、28日の終値に比べて約18%下がった。スタンダードチャータード銀行は3.3%安など銀行株と、プルーデンシャルなど保険株の下げも目立った。バークリー・グループなど住宅建設株も安くなった。メイ英首相が9月30日に、外国人が英国内の住宅を購入する際には特別料金を課す可能性に言及したことが響いた。
 
格安航空会社(LCC)のイージージェットは7%下がった。同業のライアンエアーが原油高などを理由に通期の業績予想を引き下げたことが響いた。複数のアナリストが投資評価を引き下げたことも売り材料となった。午前に買われた鉱業関連株は午後にまちまちとなった。
 
半面、原油高を背景に石油株は上がった。害虫駆除のレントキル・イニシャルは3%超上昇した。英アウトソーシングのミティエから害虫駆除部門を取得した。ヘルス・安全装置関連のハルマは4.1%高と値上がりも目立った。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12339.03(+92.30)
ドイツ株式指数(DAX)は反発した。終値は前週末の9月28日と比べて92.30ポイント高の12339.03だった。
米政権が北米自由貿易協定(NAFTA)の見直し交渉でカナダと合意し、世界貿易をめぐる先行き不透明感が払拭され、安心感から買われた。米国の株高が進むのにともない、上げ幅は広がった。
 
個別では、医療機器のフレゼニウスは8%超上昇した。同社が米後発薬大手のエイコーンの買収撤回に向け、裁判所の判決を勝ち取ったと伝わり、買いが広がった。工業用ガスのリンデも6%超上がった。同社と米プラクスエアの合併について、中国規制当局が承認したことが好感された。
一方で、鉄鋼のティッセン・クルップは大幅安。航空のルフトハンザの値下がりも目立った。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5506.82(+13.33)

 

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