「手間」

「増資で売り」というのも通説。
1株あたり利益が希薄化するというのがその根拠だ。
しかしバブル期までは「ファイナンス銘柄」といって持て囃されたもの。
将来に対する成長計画に則って資金需要があるのだから本来は悪くない。
「円高株安、増資株安」という発想が薄れてくれば東京市場もさらに元気になれるような気がする。
 
相場で勝ち抜いていく秘訣というのはあるようでないかも知れない。
でも少しでも負けない努力というのは求められる。
仕事で言えば「メールが来たら、とりあえず返事を返す。
「メールは必ず自分が送信をして終わりにする」というのが「ひと手間」。
ひと手間かけるということは面倒くさいことを、面倒くさがらずにやること。
「すぐに礼状を書く」とか「返事に気の効いたコメントを付け加える」もそうだろう。
同じ納期に同じものを納品するならたとえ半日でも早く納品するのが「ひと手間かける」ということ。
ホウレンソウだって出汁を効かせて鰹節をかける、刺し身のワサビはスリおろし、冷奴には生姜を添えるみたいなものだ。
株式市場では数多くの事象が目の前を通り過ぎている。
そしてそれはイベントであろうと経済指標であろうと、あるいはテクニカルや需給の数字であろうと誰もが平等に接することができるもの。
これら目の前を通過している事柄に異変や違いを感じることができれば良い。
あれ、25日線から5%もプラスかい離だ、空売り比率は40%を割った、裁定買い残が3兆円に乗せた。
取り組み倍率が6倍になったなどなどいろいろなことをチェックすることで相場の反転を予測することができるようになってこよう。
そのために必要なのは「お目覚めチェック」と言ってきた。
朝起きたら寄り付き前にいろいろは数字をチェックして動きを頭の中に入れようということ。
でもこれはって「夕暮れチェック」でも構わないだろう。
欧米株式の動向とかシカゴ225先物の終値などは朝にならなければできない。
でも移動平均からのかい離や信用評価損率、PERやPBRなどは黄昏時からチェック可能だ。
しかも朝と違って時間の余裕があるから過去との比較も十分に可能になる。
晩餐の前に夕暮れチェック。
夜遅くのNY株式の動向を眺めるよりは有効的かも知れない。
 
「ラッセル2000が7月末以来、2カ月ぶりの安値圏にあることが天井打ちのシグナル。
そんな重箱の隅を突くような弱気指標探しが始まっているようである」とストボの岩本さん。
「小型株指数のラッセル2000は上げても下げても坑道のカナリヤのようにみられる。
チャートを見る限り、決定的に崩れているようには思えない。
そもそも小型株だけで全体を読むのも無理があろう。
やはりFANGはどうかの方が重要ではないか」と。
電子端末でも同様だ。
「S&P500が9月に0.4%上昇したのにS&P小型株600指数は3.3%下落。
値動きの開きは約4年ぶりの大きさ。
相場全体が最高値を更新するなかで小型株指数は下げるという珍しい現象だ。
過去7回起きたうちの2回(00年~02年と07年~09年)はその後に株価が急落した」。
売り手も材料探しに躍起なようだ。
日経平均の史上最高値は38915円(89年12月)。
その後の安値は7054円(09年10月)。
下落幅の半値戻しは22985円。
半値戻しは全値戻しという格言を思い出してみたいところだ。
 
一方で「リパトリ」(資金の米国本国還流)という言葉も再登場してきた。
背景は法人減税だ。
直接投資に関わる配当等の受取額は1~3月期の2949億ドル。
4~6月期に1965億ドル。
合計で4644億ドルとなった。昨今はこの時期は700億ドル程度だったから増加。
4000億ドルほど多かったという計算だ。
「向こう半年リパトリはドル高材料」という声も聞こえる。

(櫻井)
 

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