ダウ続落144ドル安 ハイテク株に売り、ナスダック3週ぶり安値

 
30日のNYダウ工業株30種平均は続落し、前週末比144ドル23セント安の2万5306ドル83セントで終えた。
 
先週の4~6月期決算の発表を受けて将来の成長性に懐疑的な見方が広がったフェイスブックやツイッターなどがこの日も売られた。決算が好調だったグーグルの持ち株会社アルファベットやアマゾン・ドット・コムにも売りが波及し、ハイテク株が相場全体を押し下げた。
 
米ウォール・ストリート・ジャーナル紙が中小企業などの海外決済の為替レートを顧客に無断で変更していたと報じたのを受けアメックス株が下落。同業のビザも連れ安し、2銘柄でダウ平均を49ドル超押し下げた。
 
一方、米長期金利の指標である10年物国債利回りが上昇し、利ざや悪化への懸念が後退した銀行株は買われた。JPモルガン・チェースとゴールドマン・サックスが買われダウ平均を下支えした。原油先物相場の上昇を受け、石油のシェブロンが上げたのも支えになった。
 
朝方発表の6月の仮契約住宅販売指数は前月比0.9%上昇した。上昇は3カ月ぶりで横ばいを見込んでいた市場予想を上回った。KBホームやDRホートンなど住宅関連株に買いが先行したが、相場全体の下落を受けて安く終えた。
 
ナスダック総合株価指数は3日続落し、107.414ポイント安の7630.005と5日以来ほぼ3週間半ぶりの安値で終えた。FANGの下落を受け主力IT株全般に売りが広がったうえ、アメックス株の下落を受け決済サービスのスクエアやペイパル・ホールディングスにも売りが波及した。
 
セクター別では、電気通信サービスやエネルギーが上昇する一方でソフトウェア・サービスや小売が下落した。
 
個別では、食肉メーカーのタイソンフーズ(TSN)は、通期の利益見通しを下方修正し下落。フェイスブックは、プライバシー問題の業績への影響は軽微との見方を示していたにも関わらず、今回の決算で株価急落を招いたことから、一部株主からザッカーバーグCEOの会長職交代を求める声が強まっており軟調推移した。動画ストリーミングのネットフリックス(NFLX)やSNSのツイッター(TWTR)など、成長期待の高いハイテク銘柄を中心に売られた。クレジットカードのアメリカンエキスプレス(AXP)は、一部ビジネス顧客向けの為替レートを無断で引き上げていた問題で、外部機関の調査を受ける計画を発表し下落した。
 
一方で、アクセサリーのフォッシル(FOSL)は、BMWと時計及びスマートウォッチに関するライセンス契約を締結し上昇した。
 
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
25,306.83-144.23
S&P500種
2,802.60-16.22
ナスダック
7,630.005-107.414
 
米10年債利回り(%)
2.9747 +0.013
米2年債利回り(%)
2.6654 -0.012
 
NY金(ドル/トロイオンス)
1,231.50-1.20
NY原油(ドル/バレル)
70.06-0.07
円・ドル
111.03 – 111.04+0.01

 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は下げた。
9月物は前日比150円安の2万2465円で引け、同日の大取終値を55円下回った。ハイテク株主導で米株が続落し、相場を下押した。
31日まで開く日銀の金融政策決定会合の結果を見極めたい向きが多い。市場関係者は会合後に予定する日銀の黒田東彦総裁の記者会見に注目している。
この日の9月物安値は2万2450円、高値は2万2620円。
 
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
22465 ( -55 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
22490 ( -30 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7700.85(-0.46)
FTSE100種総合株価指数は小幅ながら3営業日ぶりに反落した。前週末27日の終値に比べ0.46ポイント安の7700.85で引けた。他の欧州株の下落などを眺め、上値が重かった。
指数構成銘柄全体の5割強が下落した。株価は朝安後切り返し、午後はもみ合い。終値はほぼ横ばいの水準だった。
 
個別では、ソフトウエア開発のセージ・グループが大幅に下落した。会計ソフト大手セージ・グループの下落率は5%を超えた。米国株式市場でのIT(情報技術)株の売りが波及した。ソフトウエア開発のマイクロフォーカスも安かった。
 
一方、英賭け屋大手GVCホールディングスが5.4%高で上昇率トップ。米カジノ運営大手MGMリゾーツ・インターナショナルとの提携発表が好感された。
英通信大手ボーダフォンも3.6%高と堅調。アナリストが目標株価を引き上げたセントジェームズ・プレイスは2.4%高。RSAインシュアランス・グループ1.5%高、スタンダード・ライフ・アバディーンは1.1%高などの保険株の一角も締まった。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12798.20(-62.20)
ドイツ株式指数(DAX)は3営業日ぶりに反落した。終値は前週末27日と比べて62.20ポイント安の12798.20だった。
米国市場でのIT(情報技術)株価の下落が波及し、同業のSAPが安くなり、指数の下げを主導した。
個別では、銅価格の下落を受けて鉄鋼のティッセン・クルップも下げた。
一方、銀行株が高くなった。ドイツの長期金利の上昇を背景に利ざやの拡大を見込んだ買いが入った。ミュンヘン再保険も上げた。航空のルフトハンザは続伸した。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5491.22(-20.54)

 

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