NYダウ小幅続落7ドル安、対中制裁強化を懸念

2日のNYダウ工業株30種平均は小幅ながら続落した。前日比7ドル66セント安の2万5326ドル16セントで終えた。
 
朝方は米中貿易摩擦への警戒感から幅広い銘柄が売られ、大幅安となる場面があった。ただ、アップル株の上昇が続き、投資家心理が改善。ハイテク株を中心に買いが優勢になり、取引終了にかけて下げ渋った。
 
トランプ政権は1日、中国からの輸入品2000億ドル相当を対象とした制裁関税を当初案の10%から25%への引き上げを検討すると発表。発動は9月以降の見通しで、中国側は「必ず反撃する」と警告。「貿易戦争」激化の懸念から2日も中国市場への依存度の高いキャタピラーやボーイング、スリーエムなどに売りが出て、ダウの下げ幅は寄り付き直後に210ドルを超えた。
 
化学のダウ・デュポンが大幅に下落し、素材銘柄に売りが波及した。1日発表の2018年4~6月期決算は、農業事業の改善を背景に市場予想を上回る増収増益となったが、利益見通しが慎重だと受け止められた。貿易摩擦が激化すれば国際商品相場や為替相場の変動性が高まり、収益を押し下げると警戒された面もあった。
 
一方、ダウ平均は小幅高に転じる場面があった。4~6月期の好調な業績と市場予想を上回る7~9月期の売上高見通しを示したアップルの上昇が続き、時価総額が米上場企業として史上初の1兆ドルに達した。マイクロソフトや半導体のインテル、IT機器のシスコシステムズなどハイテク株がつれ高した。
 
ナスダック総合株価指数は3日続伸し、前日比95.399ポイント高の7802.685で終えた。アップルの上昇を受け、アマゾン・ドット・コムやフェイスブック、動画配信のネットフリックスなど主力ネット銘柄が買われ指数を押し上げた。半導体関連銘柄にも買いが波及した
 
セクター別では、テクノロジー・ハード・機器や家庭・パーソナル用品が上昇する一方でメディアや素材が下落した。
 
個別では、電気自動車のテスラ(TSLA)は、決算で今四半期以降の黒字転換に自信を示し、資金枯渇への懸念が後退し急騰。アップルは、決算を受けた買いが継続し、米企業で初めて時価総額1兆ドルを突破した。ネットワーク機器メーカーのシスコシステムズ(CSCO)はセキュリティ関連スタートアップ企業を23.5億ドルで買収合意し買われた。
 
一方で、食材宅配サービスのブルーエプロン(APRN)は、大幅減収が嫌気され急落。旅行口コミサイトのトリップアドバイザー(TRIP)やイスラエルの製薬テバ・ファーマスーティカル・インダストリーズ(TEVA)も、決算内容が嫌気され大幅下落となった。
 
NYダウ工業株30種(ドル)
25,326.16-7.66 
S&P500種
2,827.22+13.86
ナスダック
7,802.685+95.399
 
米10年債利回り(%)
2.9878 -0.015
米2年債利回り(%)
2.6654 -0.017
 
NY金(ドル/トロイオンス)
1,220.10-7.50
NY原油(ドル/バレル)
69.00+0.04
円・ドル
111.62 – 111.63+0.02

 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は下げた。
9月物は前日比50円安の2万2575円で引け、大阪取引所の終値を65円上回った。米中貿易摩擦への懸念から米株式相場とともに売りが先行した。
トランプ米大統領の対中関税引き上げ検討指示を受け、米中通商交渉の先行きに悲観的な見方が強まった。その後はアップルなどハイテク株の上昇を手がかりに、下げ幅を縮めた。市場は3日発表の7月の米雇用統計に注目している。
9月物の安値は2万2370円、高値は2万2735円。
 
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
22575 ( +65 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
22585 ( +75 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7575.93(-76.98)
FTSE100種総合株価指数は、米中貿易摩擦の懸念再燃から、中国経済の影響を受けやすい資源株が下げを主導し大幅に続落した。前日1日の終値に比べ76.98ポイント安の7575.93で引けた。構成銘柄の約8割が下落した。
 
主な個別銘柄では、銅価格の下落を背景に、鉱業株が軒並み大幅安となった。英・豪系資源大手リオ・ティントは、3.6%安、アナリストによる株価目標の引き下げが響いた。
英鉱業大手アングロ・アメリカン3.1%安、メキシコ産金大手フレスニーヨ3.1%安、チリ産銅大手アントファガスタ3.0%安、BPなど石油株も下がった。
 
銀行株も下落し、なかでもバークレイズは2.7%安と下げが目立った。第2四半期の税引き前利益が大幅に増加したものの、今後の投資銀行部門の業績に対する懸念から売りが広がった。
グラクソ・スミスクラインなど医薬品株も下がった。航空のイージージェットは日中を通して徐々に下げ幅が拡大し、3%超の下落となった。
 
半面、航空機エンジンのロールス・ロイスは午後に上げ幅を広げ、7%上昇した。上期の売上高が市場予想を上回ったほか、通期の業績見通しを引き上げたことが好感された。上期決算で増益を発表したロンドン証券取引所(LSE)グループも3.2%高と上がった。ソフトウエア開発のセージ・グループの上げも目立った。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12546.33(-190.72)
ドイツ株式指数(DAX)は続落した。終値は前日1日と比べて190.72ポイント安の12546.33だった。米中の貿易摩擦が激化するとの懸念から、欧州各国の株式相場が下落した。
 
個別銘柄では、重電のシーメンスは4%超下落した。第3四半期の売上高が減少したほか、市場予想を下回ったことが嫌気された。コ
メルツ銀行とドイツ銀行の値下がりも大きくなった。
一方で、医療機器のフレゼニウスと半導体のインフィニオンテクノロジーズは買われた。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5460.98(-37.39)
フランスの株価指数CAC40の終値が前日に比べて0.68%下落した。
 

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