16日のNYダウ工業株30種平均は大幅に反発した。
終値は前日比396ドル32セント高の2万5558ドル73セントだった。上げ幅は4月10日以来およそ4カ月ぶりの大きさだった。
この日のダウは大幅高で始まった。中国商務省が同日、8月下旬に米中貿易協議を再開させると発表したことを受け、世界1、2位の経済大国である米中が「貿易戦争」の終結に向けて歩み寄るのではないかとの観測が浮上。
トランプ米政権は9月以降、2000億ドル規模の中国産品に追加の制裁関税を課す方針だが、回避される可能性が意識され、中国での事業展開に積極的なボーイングやキャタピラーをはじめ幅広い銘柄に買いが入った。2銘柄でダウ平均を126ドル押し上げた。
また、構成銘柄であるウォルマートの急騰もダウを押し上げた。同社が朝方発表した5~7月期決算は、調整後の1株当たり利益が市場予想を上回ったほか、米国の既存店売上高が10年超ぶりの伸びを記録。通期の業績見通しも上方修正された。
上げ幅は444ドルに達する場面があった。好決算を発表した小売りのウォルマートやIT機器のシスコシステムズが急伸し、ダウ平均の上昇に寄与した。
運用リスク回避の姿勢が後退して安全資産とされる米国債は売られ、米長期金利が上昇した。このためJPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスなど金融株も買われた。
ナスダック総合株価指数は反発した。前日比32.406ポイント高の7806.524で終えた。フェイスブックやアルファベット(グーグル)、ネットフリックスなど主力株の一角は売られ、指数の上値は重かった。
セクター別では、食品・生活必需品小売や電気通信サービスが上昇する一方で半導体・半導体製造装置やソフトウェア・サービスが下落した。
個別では、小売最大手のウォルマート(WMT)は、売上高が過去10年余りで最大の伸びを記録する好決算を発表し大幅上昇。イスラエルの製薬テバ・ファーマスーティカル・インダストリーズ(TEVA)は、急性アレルギー反応の補助治療薬「エピペン」のジェネリック薬が米食品医薬品局(FDA)の承認を受け堅調推移。ネットワーク機器メーカーのシスコ・システムズ(CSCO)は、8-10月期の業績見通しが好感され買われた。
一方で、百貨店のJCペニー(JCP)は、予想外の通期赤字見通しを示して大幅下落となった。
NYダウ工業株30種(ドル)
25,558.73+396.32
S&P500種
2,840.69+22.32
ナスダック
7,806.524+32.406
米10年債利回り(%)
2.8678 +0.017
米2年債利回り(%)
2.6205 +0.016
NY金(ドル/トロイオンス)
1,184.00-1.00
NY原油(ドル/バレル)
65.40-0.06
円・ドル
110.91 – 110.92 +0.14
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は反発した。
9月物は前日比285円高の2万2285円で引け、同日の大取終値を125円上回った。
中国の商務次官が貿易協議のため8月下旬に訪米すると伝わり、米中貿易摩擦が和らぐとの期待から買われた。この日の9月物高値は2万2340円、安値は2万1865円。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
22285 ( +125 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
22290 ( +130 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7556.38(+58.51)
FTSE100種総合株価指数は米中貿易協議の進展への期待から6営業日ぶりに反発した。
前日15日の終値に比べ58.51ポイント高の7556.38で引けた。
構成銘柄の約8割が上昇した。朝方に一段高となった後は高値圏で小動きだったが、午後に米国株が上昇すると上げ幅はさらに拡大した。
中国の商務次官が貿易交渉のため8月下旬に訪米すると伝わったことで、米中貿易摩擦への警戒感が和らいだ。これを受けて欧州株の多くが買われ、英国も連れ高となった。前日に大きく売り込まれた資源株を中心に買い戻され、株価指数を押し上げた。
個別銘柄では、英オンライン食品販売オカド・グループが3.9%高で上昇率トップ。
総合ヘルスケアのNMCヘルスは3.0%高と上昇した。
前日に8%近く下げたメキシコ産金大手フレスニーヨが2.5%高となったのを筆頭に、資源株も総じて値を上げた。英・オランダ系石油大手ロイヤル・ダッチ・シェル、英同BPもそれぞれ1.0%高、0.7%高と買われた。
半面、ロシアの鉄鋼大手エブラズは5.6%安と振るわず、保険のリーガル・アンド・ゼネラル(L&G)、同業のアヴィヴァはそれぞれ配当権利落ちで売られた。小売りのキングフィッシャーは5%近く下落した。第2四半期のグループ全体の売上高は増えたが、フランスの一部部門が低調だったことが嫌気された。情報・出版のインフォーマは、アナリストによる投資判断の引き下げが響いて下がった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12237.17(+74.16)
ドイツ株式指数(DAX)は反発した。終値は前日15日と比べて74.16ポイント高の12237.17だった。米中貿易摩擦への警戒感が和らぎ、買いが広がった。
ITのSAPと航空のルフトハンザ、不動産のボノビアの上げが目立った。
下落したのは3銘柄だけだった。子会社の米モンサントが販売する除草剤の発がん性をめぐる米裁判所の判決が響いて、今週大幅な下落が続く医薬・農薬大手のバイエルはこの日も4%超下がった。化学のBASFとドイツ取引所も売られた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5349.02(+43.80)
フランスの株価指数CAC40は上昇した。
