22日のNYダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに反落し、前日比88ドル69セント安の2万5733ドル60セントで終えた。
ダウは小動きで始まった後、徐々に軟化。前週の米中通商協議の再開発表を受け、貿易摩擦の解消期待を背景に幅広い銘柄が買われてきたが、この日は材料出尽くし感からいったん利益を確定する動きが優勢となった。
米連邦地裁が21日、2016年の米大統領選でトランプ氏の選挙対策本部長だったマナフォート被告に有罪評決を出した。トランプ氏の元個人弁護士コーエン氏も同日に選挙資金法違反などを認めて司法取引に応じた。一連の案件が米政権運営に及ぼす影響が警戒され、買い見送りムードが強まった。
22日午後に米連邦準備理事会(FRB)が7月31日~8月1日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨を公表した。市場ではFRBは9月に追加利上げを決めるとの見方を強めた。一方で委員らが貿易摩擦や住宅市場の弱含みへの懸念を示していたこともわかった。ダウ平均は議事要旨の公表後に下げ幅を広げた。
もっとも、小高くなる場面もあった。原油先物相場の上昇を受け、エクソンモービルやシェブロンといった石油株が買われた。小売り大手の好決算が投資家心理を支えた面もあった。ディスカウントストアのターゲットやホームセンターのロウズなどが決算を手掛かりに上昇し、相場を下支えした。
ナスダック総合株価指数は5日続伸し、前日比29.924ポイント高の7889.097で終えた。画像処理半導体のエヌビディアや動画配信のネットフリックス、マイクロソフト、アマゾン・ドット・コムなどが上昇した。
セクター別では、エネルギーや小売が上昇する一方で自動車・自動車部品や電気通信サービスが下落した。
個別では、原油相場の上昇で、エネルギー会社のチェサピーク・エナジー(CHK)や深海油田開発のトランスオーシャン(RIG)などエネルギー銘柄が堅調推移。ディスカウントストアのターゲット(TGT)やホームセンターのロウズ(LOW)は、決算内容が好感され上昇した。
一方で、光通信機器メーカーのフィニサー(FNSR)は、一部アナリストによる投資判断引き下げを受け下落。スポーツ用品のナイキ(NKE)は、従業員の夫による人種差別的な動画投稿の影響で、南アフリカの複数店舗を一時閉鎖し売られた。
NYダウ工業株30種(ドル)
25,733.60-88.69
S&P500種
2,861.82-1.14
ナスダック
7,889.097+29.924
米10年債利回り(%)
2.8207 -0.023
米2年債利回り(%)
2.5954 -0.013
NY金(ドル/トロイオンス)
1,203.30+3.30
NY原油(ドル/バレル)
68.07+0.21
円・ドル
110.52 – 110.53+0.11
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は小幅続伸した。
9月物は前日比55円高の2万2365円で引け、同日の大取終値を45円上回った。円安進行を好感した。ナスダック総合株価指数が5日続伸したことも相場を支えた。
この日の9月物高値は2万2445円、安値は2万2140円。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
22365 ( +45 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
22370 ( +50 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7574.24(+8.54)
FTSE100種総合株価指数は、安寄り後に資源株の主導で切り返し、小反発した。
前日21日の終値に比べ8.54ポイント高の7574.24で引けた。
FT指数は序盤で一時7540台を割り込んだが、ジリ高に転じて切り返し、正午前に7600台を付けた。その後は勢いが続かず、午後は上げ幅を削る展開となった。
構成銘柄の半数以上は上昇した。
個別銘柄では、英オンライン食品販売オカド・グループが1.9%高。産金大手フレスニーヨは1.8%高、英・豪系資源大手BHPビリトンは1.6%高。英包装資材DSスミスと英自動車保険大手アドミラル・グループは共に1.5%高。
アナリストが英国の製紙・包装部門に対し良好な先行き見通しを示したことから、製紙のモンディと包装のDSスミスは1.4%高と買われた。メディアのITVの1.3%高と値上がりも目立った。
半面、総合ヘルスケアのNMCヘルスは3.7%安と航空のイージージェットは3.6%安と下げは大きくなった。衣料小売りと食品事業のアソシエーテッド・ブリティッシュ・フーズは、アナリストによる株価目標引き下げが響いて売られた。
ドイツ・フランクフルト株価指数
■DAX 12385.70(+1.21)
ドイツ株式指数(DAX)は3日続伸した。終値は前日21日と比べて1.21ポイント高の12385.70だった。午後には伸び悩んだ。
個別では、ドイツ取引所と不動産のボノビアが上昇した。
一方で、タイヤのコンチネンタルは、売り上げの低迷とコスト増を理由に2018年の売上高と利益率の見通しを引き下げたことが嫌気され、13%下がった。半導体のインフィニオンテクノロジーズも売られた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5420.61(+12.01)
