「遠慮」

 
週末のNY株式は反発。
S&P500は終値ベースの過去最高値を更新した。
1月26日に終値ベースでの最高値を付けた後2月前半にかけて10%超下落。
半年かけた最高値更新は「強気相場がなお続いている」との解釈につながる。
NASDAQも過去高値水準。
NYダウはあと30ドルほどだ。
週間ベースではNYダウが0.47%、S&P500が0.87%、NASDAQは1.66%上昇。
小型株で構成するラッセル2000指数も0.5%上昇し終値ベースで高値を更新した。
夏休み終了のレイバ─デーまであと1週間。
耐久財受注統計はコア資本財の受注が前月比1.4%増で着地。
市場予想の0.4%増を上回った。
ワイオミング州ジャクソンホールでの経済シンポジウムは通過。
パウエルFRB議長は講演で「利上げを現状のペースで進める方針」を表明。
トランプ大統領の「利上げは気に入らない」へのコメントはなかった。
所詮避暑地でのバカンスなのだから材料視するには無理のあるイベントだ。
10年国債利回りは2.81%台。
ドル円は111円台前半での推移。
 
 
ドル円の111円台を背景に週末の日経平均は22500円を超えて22600円台。
4日続伸となった。
日足では200日線と25日線を上に抜けた。
週足では26週線にサポートされた格好で13週線を上に抜けている。
下値模索が続いていたマザーズ指数も切り返し。
週間では約331円の上昇。
週足は2週連続陽線。
23000円台へ4度目の挑戦への素地は固まったということころだ。
TOPIXは1709ポイントで節目の1710ポイント目前。
東証1部の売買代金は6日連続の2兆円割れ。
値上がり銘柄数は1497。値下がり銘柄数は51.5。
新高値36銘柄(前日21)、新安値35銘柄(前日39)。
騰落レシオは92.34。
8月第3週の個人投資家の買い越し2253億円。
現物1650億円。信用603億円と現物買いが目立った。
「個人の現物の買い越しらしい買い越しは7月第1週以来。
あの時も7月5日のザラバ安値21462円を底に約2週間かけて23000円挑戦だった」という見方もあ
 
る。
NTレシオは13.22倍と上昇。
25日線(22443円)からは0.7%、200日線(22405円)からは0.9%のプラスかい離。
松井証券信用評価損益率速報で売り方▲10.710%。買い方▲10.951%。
マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方▲5.56%。買い方▲19.1%。
空売り比率は41.4%と20日連続の40%超。
日経VIは14.55と低下。
日経平均採用銘柄のPERは13.08倍。
EPSは1727.96円と前日の1723円を上回り過去最高を更新。
シカゴ225先物終値は大証日中比20円高の22610円。
ボリンジャーのプラス1σが22647円。
プラス2σは22850円。
月足陽線基準22746円を捉えてこようか。
今週は29日(水)が株高の特異日だ。
 
株で儲ける秘訣は「実務に精通すること」だろうか。
数字やチャートは見ることが多い。
しかし、その企業の実務は意外と見られない。
何をして、どこへ向かっているのか。
「何がコア事業で、社会が必要とし、未来展望が明確で、強い技術・営業力・経営者がいるかどうか」。
ココがポイントだ。
世界が変わってきたのは企業がけん引してきたから。
そして企業の変化は生活も変化・進化させる。
だから実務に精通することが必要なのだと考える。
もっとも実務に精通するためには企業の努力も必要だ。
かつての名門企業も今ではアルファベットの企業名となってしまっていることは多い。
週末のセミナーの出席者約300人に聞いてみた。
「●●●(アルファベット3文字の社名)を知っている人?」。
挙手はわずか5名。
「○○○○○〇(旧社名)を知っている人?」。
挙手は約40名。
考えてみれば石川島だっていつの間にかIHI。
だんだん企業が遠くなる気がする。
 
その週末のセミナーでの投資家さんとの会話。
最初の質問は「値上がりランキング上位に載る銘柄を事前にわかる方法はありませんか」?。
意味がわからなかった。
荒唐無稽すぎてこちらがビックリした。
夢と現実は実社会も現実も違うことがわからないのかも知れない。
あるいは「値上がりベストテン銘柄が事前にわかる」なんて投資顧問会社の謳い文句でもあったのかも知れな
 
い。
暑さのせいで白昼夢を見たような思いだった。
「売ったり買ったりしていたら1000万円くらい損してしまいました。
やっぱり売ったり買ったりでなくジックリ持つべきですか?」。
「あなたには無理でしょう」と言ったら「そうなんです」。
ほぼ株病の領域の感。
「せいぜい5銘柄くらいを縦に追うのがいいと思いますが、これも無理でしょう」。
「その通りです。やはり株価が安くなった買うべきなんですね」。
「そんなことできますか?」
「いえ、無理だと思います」。
この投資家さんは何を求めて質問されてきたのか全くわからなかった。
「株は売ったり買ったりして、日々の主役を追えばいいんですよ」。
そんな答えが欲しかったのだろうか。
最後に「名刺を頂戴」。
さすがにご遠慮させていただいた。
加えれば・・・。
こういう投資家さんの出現はある意味危険な兆候でもある。
 
相場は局面によって風景も思考も変わるもの。
25日線や200日線を下回っている時は限界値を踏まえながら反発のタイミングを伺うもの。
しかしこれら移動平均線を上回ったら今後は心理とシナリオは一転。
限界値を踏まえながら反落のタイミングを伺うことになる。
下落した途中に買いのタイミングを図り、上昇に転じたら売りのタイミングを図る。
べクトルと逆の動きをしなければならないのは結構難しい。
しかしこの心理は後になってから「やはり」となるケースが多いからややこしい。
 
NYダウは133ドル高の25790ドルと反発。
史上最高値まであと20ドルと迫った。
NASDAQは67ポイント高の7945ポイントと反発。
S&P500は17ポイント高の2874ポイント。
終値ベースの過去最高値を更新した。
ダウ輸送株指数は24ポイント高の11284ポイント。
3市場の売買高は54.3億株と低調。
CME円建ては大証比20円高の22610円。
ドル建ては大証比25ポイント高の22615ポイント。
225先物大証夜間取引は日中比10円高の22600円。
ドル円は111.23円。
10年国債利回りは2.813%。
 
 
◇━━━ カタリスト━━━◇
 
アイリッジ(3917) ・・・動兆。
 
アイリッジに注目する。
同社は集客、販促でネット・実店舗連携の「OtoO」支援が中核。
電子地域通貨の案件増加。
デジタルガレージとの協業加速。
音声AI向けのスキル開発に期待感。
スマートフォン向けO2Oのユーザー数が7月末時点で8700万ユーザーを突破。
ブックオフの公式アプリに導入。
金融機関への導入も地方銀行から信用金庫に拡大。
 

(兜町カタリスト櫻井)

 

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