NYダウ14ドル高、NAFTA再交渉への期待de半年ぶり高値

 28日の米株式相場は3日続伸した。
NYダウ工業株30種平均は前日比14ドル38セント高の2万6064ドル02セントと2月初め以来ほぼ半年ぶりの高値で終えた。
 
米国とメキシコは前日、NAFTA再交渉をめぐる2国間協議で大筋合意に達したと発表。この日はカナダを加えた3カ国での協議がワシントンで行われた。協議の進展で通商摩擦が解消されることへの期待が広がり、ダウは朝方に72ドル高まで上昇した。
 
8月の消費者信頼感指数が2000年10月以来の高水準となり、市場予想を上回った。宝飾品のティファニーや靴小売りチェーンのDSWが市場予想を上回る四半期決算を発表した。米個人消費の堅調さが米経済を押し上げるとの期待が強まったことも相場を支えた。
 
ただ、ダウは前日に約7カ月ぶりに2万6000ドル台を回復したことへの達成感から、いったん利益を確定する動きも目立った。ダウは終盤にかけて上げ幅を削り、一時は小幅ながらマイナス圏に沈む場面もあった。
 
米国とカナダの交渉の行方を見極めたいというムードが次第に広がった。航空機のボーイングのほか、前日に上昇した自動車のゼネラル・モーターズ(GM)や金融のJPモルガン・チェースなどに利益確定目的の売りが出た。
 
ナスダック総合株価指数は同12.143ポイント高の8030.038と3日連続で過去最高値を更新した。目先の利益を確定する目的の売りに押される場面があったが、アップルやアマゾン・ドット・コムなど主力株の一角への買いが続き指数を押し上げた。
 
S&P500種株価指数も3日連続で過去最高値を更新した。
 
セクター別では、不動産やテクノロジー・ハード・機器が上昇する一方で食品・飲料・タバコや電気通信サービスが下落した。
 
個別では、靴小売のDSW(DSW)は、決算内容が好感され、20%を超す大幅上昇した。保険会社のアスペン・インシュアランス(AHL)は、投資会社のアポロ・グローバル・マネジメントへの26億ドルでの売却に合意し堅調推移。宝飾品のティファニー(TIF)は、決算内容が予想を上振れ買われた。
一方で、家電量販店のベストバイ(BBY)は、8-10月期の業績見通しを引き下げ、下落した。食料品のキャンベルスープ(CPB)は、身売り検討計画の否定が報じられ、軟調推移となった。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
26,064.02+14.38             
S&P500種
2,897.52+0.78
ナスダック
8,030.038+12.143
 
米10年債利回り(%)
2.884 +0.034
米2年債利回り(%)
2.6694 +0.024
 
NY金(ドル/トロイオンス)
1,214.40-1.60   
NY原油(ドル/バレル)
68.55+0.02
円・ドル
111.17 – 111.18    +0.03

 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は6営業日ぶりに反落した。
9月物は前日比80円安の2万2805円で終え、大阪取引所の終値を5円上回った。目先の利益を確定する目的の売りが出たが、貿易摩擦の先行き懸念が薄れたのが支えになった。米国とメキシコは27日、北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉で大筋合意に達した。
NYダウ工業株30種平均が約半年ぶりの高値をつけ、ナスダック総合株価指数などは過去最高値を更新した。
9月物の高値は2万2985円、安値は2万2765円だった。
 
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
22805 ( +5 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
22810 ( +10 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7617.22(+39.73)
FTSE100種総合株価指数は続伸した。連休前の前営業日24日の終値に比べ39.73ポイント高の7617.22で引けた。
米国とメキシコの貿易協議の合意を受けて、リスク選好気分が金融市場全体に広がる中、株高が進んだ。資源株などが上げを主導した。
構成銘柄の8割近くが上昇した。朝高で始まった後に伸び悩む場面もあったが、終日高値圏で推移した。
 
 
個別銘柄では、ロシア鉄鋼大手エブラズが5.4%高で上昇率トップ。英鉱業大手アングロ・アメリカンは3.3%高、英・豪系資源大手BHPビリトンは2.8%高など他の資源株も総じて堅調だった
総合ヘルスケアのNMCヘルスは3.6%高、インドの資産買収に関わる報道内容を否定するとともに、現在の事業に注力する意向をあらためて示したことが好感され上昇した。
投資会社のメルローズ・インダストリーズは、米子会社1社の売却計画を棚上げしたと伝わり買われた。郵便大手のロイヤル・メールの値上がりも目立った。
英高級衣料バーバリーが2.6%高、英衣類小売ネクストも1.3%高とファッション関連株も強含んだ。
 
半面、たばこ株は売られた。ブリティッシュ・アメリカン・タバコ、インペリアル・ブランズがそれぞれ0.4%安と軟調。アナリストが株価目標を引き下げた建設資材のCRHも下落した。衣料小売りと食品事業のアソシエーテッド・ブリティッシュ・フーズは3.1%の大幅安だった。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12527.42(-10.89)
ドイツ株式指数(DAX)は3営業日ぶりに小反落した。終値は前日27日と比べて10.89ポイント安の12527.42だった。
米国とメキシコが北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉で大筋合意したことから、日中を通して自動車株を中心に買いが広がったが、引け間際に下げに転じた。
 
個別では、素材メーカーのコベストロは、アナリストが株価目標を引き下げたことなどが響いて売られた。電力のエーオンも下落した。
一方で、フォルクスワーゲンやBMWなど自動車株は前日に続いて買われた。ドイツの自動車メーカーはメキシコで製造し米国で売却するため、両国の良好な貿易関係に大きく依存する。アナリストが投資評価を引き上げた透析器大手のフレゼニウス・メディカル・ケアも上がった。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5484.99(+5.89)

 

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