「記録は遡って調べると途絶えるもの」

 
独立記念日明けのNY株式市場で主要指数は反発。
独立記念日後の株高アノマリーになった。
背景はEUが自動車関税案の取り下げで米国と合意する可能性が報じられたこと。
貿易摩擦を巡る懸念が後退した。
ただ340億ドル相当の中国製品に対する米国の追加関税は日本時間6日午後1時1分に発動予定。
発動回避に向けた動きは見られないが「すでに織り込み済み」との解釈だ。
休み前に弱かったハイテクセクターのリバウンドが上昇を主導した格好。
SOX指数(フィラデルフィア半導体株指数)は3%近く上昇した。
ただ3市場の売買高は57億株と20日平均の70億株を下回り薄商いだった。
FOMC議事要旨では「通商政策を巡る先行き不透明感とリスクが高まっている。
こうした不透明感とリスクがいずれかマイナスの影響を及ぼすことを懸念」で通過。
もっとも米経済の底堅さを背景に利上げは続ける方向だ。
週間新規失業保険申請件数は前週比3000件増の23万1000件。
市場予想は22万5000件の減少だった。
ISM非製造業総合指数は59.1と前月から0.5ポイント上昇。
市場予想の58.3を上回った。
ADP全米雇用レポートで民間部門雇用者数は17万7000人増加。
市場予想の19万人には届かなかった。
今夜発表予定の雇用統計で非農業部門の就業者数は19万5000人増加という予想だ。
10年債利回りは2.83%台で小動き。
ドイツの鉱工業受注指数が堅調だったことからドルは対ユーロで一時3週間ぶり安値。
ドル円は110円台半ばでの推移。
「独立記念日明けにS&P500が上昇すると年末の株価が上がってる確率が78%。
下がっていると年末下がる確率が53%だそうです」と市場関係者。
 
 
木曜の日経平均は後場に値を崩して170円安と4日続落。
前場と後場で景色が変わりあっさり7月3日の安値21574円を割った。
4月以来の4日続落。
月初の4日続落は2016年4月以来だ。
7月の下落率は約3%となった。
TOPIXは3月23日の安値(1664.944)にあと11ポイントという水準。
東証1部の新安値銘柄数は552。
東証1部上場銘柄の26%だから4分の1が新安値となった。
「1000を超えてくるとブレグジットや東日本大震災時のように決定的底打ち感」というのが経験則だ。
騰落レシオは78.46%と再度70%台まで低下。
NT倍率は12.85倍。
25日線(22427円)からはマイナス4.0%かい離で第一次限界水準に達した。
200日線(22138円)からは2.7%のマイナスかい離だ。
松井証券信用評価損益率速報で売り方▲8.552%。買い方▲15.865%。
マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方▲14.30%。
買い方▲25.53%。
買い方はほぼ限界水準に達した。
空売り比率は46.9%で13日連続の40%超。
日経平均採用銘柄のPERは12.91倍(EPSが1669円)に低下。
PBRも1.18倍だ。
予想株式益回りは6.90%。
0.03%の10年国債と比べればどちらが有利かは一目瞭然だろう。
シカゴ225先物終値は大証日中比190円高の21680円とプラスでの戻り。
7月6日株安の特異日アノマリーを消しに来た格好。
「月初からの4日続落は2016年4月以来のこと。
その先は2016年1月の6日続落からだから約2年半ぶりの経験となる。
意外と記録チックだ」なんて記録を遡り始めるとその記録はポジネガともに途絶えるものだ。
9日株高の特異日のアノマリーの先取りだろうか。
気学では「突っ込み買いの日。悪目あれば買い方針よし」。
月曜は「変化注意日。後場の足取りに注意せよ」だ。
後場の失速は避けたい週末。
一目均衡の雲の下限(21698円)とボリンジャーのマイナス2σ(21669円)は取り戻したい日。
 
 
PBR1倍割れの銘柄が841社。
東証1部の40%にあたる銘柄が1倍割れ。
1年1ヶ月ぶりの多さとなったとの活字。
この間の日経平均は1割近く上昇。
「一部の銘柄が大きく上げる中で買いの対象とならない銘柄が増加」との解釈だ。
一方でPBRが2倍以上の銘柄も3割近くある。
買い物は「安心感のある一部の銘柄に集中」しているということだ。
2015年にも中国人民元の切り下げでPBR1倍割れは4割を超えた。
2016年2月には6割へと増加した。
「本来PBRが1倍を割り込むと割安感から買いが入りやすくなる。
現在の市場環境では下値で入る買いは限定的だ」という指摘。
考えておきたいのはPBR1倍割れ銘柄のリバウンドと1倍以上の銘柄の上昇加速のスピード感。
本来はリバウンドに期待なのだろうが経験則では加速に軍配があがる。
「いいものはいい。駄目なものはだめ」なのだ。
「安物買いの銭失い」という格言はこういう場面で該当するような気がする。
因みに、リーマンショックや東日本大震災の頃のPBRは0.8倍だった記憶がある。
PERは無限大だった。
「偉大な栄光とは失敗しないことではない。
失敗するたびに立ち上がることにある」。
「一粒の木の実はいくつもの森を生む」。
「敷かれた道を進むより道なきところに自ら道を築いて進め」。
「雑草とは何か?
その美点がまだ発見されていない植物である」。
「自分に自信を失うと世界中が自分に敵対する」(エマーソン)。
 
日経朝刊1面の「集めた投資資金流用」の記事。
証券取引等監視委員会の勧告を受けたのは「manemoマーケット」。
グリーンインフラレンディングからの資金募集以来を受けていたという。
このグリーンインフラレンディング。
先日朝日新聞が報じたある議員の5000万円の借り入れ関連と思われる。
文部省局長の医大合格収賄事件といい、この問題といいワールドカップの後にはゾロゾロと。
それこそ「何だかなあ」だ。
 
NYダウは181ドル高の24356ドルと反発。
NASDAQは83ポイント高の7586ポイント。
S&P500は23ポイント高の2736ポイント。
ダウ輸送株指数は59ポイント高の10426ポイント。
3市場の売買高は57.6億株と薄商い。
CME円建ては大証比190円高の21680円。
ドル建ては大証比230ポイント高の21720ポイント。
225先物大証夜間取引は日中比200円高の21690円。
ドル円は110.66円。
10年国債利回りは2.840%。
 
 
◇━━━ カタリスト━━━◇
 
エスプール(2471)・・・動兆。
 
エスプールに注目する。
同社は物流等のアウトソーシングとコールセンター等への人材派遣が中核。
コールセンター顧客の需要拡大、障害者雇用率引き上げで農園販売拡大。
ネット通販の拡大は追い風。
品川新センターは最先端の自動認識技術導入。
業績は好調で7月2日に上方修正。
人材派遣サービス(人材ソリューション事業)及び障がい者雇用支援サービス(ビジネスソリューション事業)が好調。
同社の使命は「アウトソーシングの力で企業変革を支援し、社会の課題を解決したい」。
環境保護・高齢化社会への対応・障がい者福祉や子育て支援の充実・地方創生・貧困問題解決などターゲットは広い。

(兜町カタリスト櫻井)

 

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