25日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前日比172ドル16セント高の2万5414ドル10セントと2月下旬以来の高値で終えた。
一部の主要企業決算が嫌気されてダウが下落するなど、寄付き後から揉み合う展開となった。米・EU首脳会談の結果を見極めたいとの思惑が広がるも、主要決算発表への期待から小幅上昇。トランプ大統領とEU首脳の通商協議が妥結したことが報じられると、引けにかけて上げ幅を拡大した。
欧州連合(EU)のユンケル欧州委員長とトランプ米大統領が25日にホワイトハウスで会談した。会談ではEUが米国大豆の購入増や一部業種の関税引き下げに同意したと午後に伝わった。貿易摩擦を巡る対立が和らぐとの期待が広がった。
25日夕発表のフェイスブック決算への期待感から、ハイテク株に買いが入り相場を下支えした。23日発表の米グーグルの持ち株会社アルファベットの決算は、欧州連合(EU)欧州委員会が命じた制裁金の影響で減益決算だったが、広告収入など本業は好調だったため「ハイテク企業全般に対する好業績期待が高まっている」という。
ダウ平均は売りが先行し、午前中には128ドル安まで下げる場面もあった。
一方、25日朝発表のゼネラル・モーターズ(GM)とボーイングの決算はさえない結果となり、両社株は売られた。GMは鉄鋼・アルミニウム輸入制限の発動に伴う原材料コスト増を見込み、通期利益見通しを下方修正。ボーイングは空中給油機の開発コストの増加で、通期利益見通しが市場予想を下回ったことが嫌気された。
セクター別では、商業・専門サービスや運輸が上昇する一方で電気通信サービスや自動車・自動車部品が下落した。
ナスダック総合株価指数は反発し、前日比91.471ポイント高の7932.239と過去最高値を更新した。フェイスブックが上場来高値を更新、マイクロソフトやアマゾン、アルファベット(グーグル)といった主力株が買われて指数を押し上げた。
個別では、病院運営のHCAヘルスケア(HCA)は、決算内容が予想を上振れたほか、通期見通しを引き上げ、大幅上昇。運輸・宅配のユナイテッド・パーセル・サービス(UPS))は、決算内容が好感され堅調推移した。
一方で、自動車大手のフィアット・クライスラー(FCAU)は、決算で通期見通しを引き下げたほか、21日にCEOを退任したセルジオ・マルキオンネ氏が急逝したことで大幅下落となった。通信大手のAT&T(T)は、売上高が前年同期比から減少し売られた。
NYダウ工業株30種(ドル)
25,414.10+172.16
S&P500種
2,846.07+25.67
ナスダック
7,932.239+91.471
米10年債利回り(%)
2.9727 +0.023
米2年債利回り(%)
2.6734 +0.036
NY金(ドル/トロイオンス)
1,231.80+6.30
NY原油(ドル/バレル)
69.45+0.15
円・ドル
110.95 – 110.96-0.30
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は続伸した。
9月物は前日比60円高の2万2610円で引け、同日の大取終値を10円上回った。引けにかけて、米欧貿易戦争の回避報道を手がかりに米株とともに買われた。
市場は25日のトランプ米大統領と欧州連合(EU)のユンケル欧州委員長との会談の行方に注目していた。
この日の9月物高値は2万2650円、安値は2万2490円。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
22610 ( +10 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
22625 ( +25 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7658.26(-50.79)
FTSE100種総合株価指数は米国発の貿易摩擦をめぐる懸念を背景に反落し、前日24日の終値に比べ50.79ポイント安の7658.26で引けた。構成銘柄の約6割が下落した。
この日のFT指数は序盤で7700台を割り込むと、昼頃に7640近辺まで売られ、その後は狭いレンジで方向感なく取引された。
25日のトランプ米大統領と欧州連合(EU)のユンケル欧州委員長との首脳会談での通商協議の行方を見極めたいとの見方から、投資家の買い手控えの姿勢が強まり、終日売りが優勢だった。前日上昇した主力の資源株と金融株が売られ、下げを主導した。時価総額の大きい銘柄が軟調だったことも下げを後押しした。一方で好決算銘柄に買いが入った。
個別銘柄では、産金大手フレスニーヨが7.3%安と、大幅下落した。日中に一時9%近く値下げする場面があった。英ホテル大手インターコンチネンタルホテルズグループは4.8%安、英ビジネス情報会社インフォーマは4.0%安と下げが目立った。競合他社の買収コストが上期の営業利益を圧迫したことが売り材料視された。
半面、ベンチャー・キャピタルの3iグループとITVが高くなった。ともに好決算内容を手がかりに買われた。テイラー・ウィンピーは1.8%高など住宅建設株が上昇した。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12579.33(-110.06)
ドイツ株式指数(DAX)は大幅反落。終値は前日24日と比べて110.06ポイント安の12579.33だった。
米欧の首脳会談での通商協議を巡る先行き不透明感が強まり、午後に売りが広がった。構成銘柄の約8割が下落した。通商問題の影響を受けやすい自動車が軒並み下落した。
個別銘柄では、半導体のインフィニオンテクノロジーズも大幅安で引けた。
一方で上期の増収増益を発表した工業用ガスのリンデが高くなった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5426.41(-7.78)
