24日のNYダウ工業株30種平均は反落した。前日比75ドル05セント安の2万4811ドル76セントで終えた。
トランプ大統領が米朝会談の中止を表明し、地政学リスクへの警戒感から売りが先行した。またトランプ政権が自動車・自動車部品に最大25%の関税導入を検討していることが報じられ、貿易戦争への懸念が強まった。午前11時ごろ、ダウ平均の下げ幅は280ドル強に達した。
また、原油相場の下落を受け、エクソンモービルやシェブロンなどのエネルギー株に売りが膨らみ、ダウの重しとなった。
売り一巡後は下げ幅を縮めた。昨日のFOMC議事録を受けた長期金利の下落により、引けにかけて下げ幅を縮小した。
地政学的リスクの高まりを背景に軍事関連株に買いが入ったほか、外国車の輸入制限で恩恵を受けるとの思惑からゼネラル・モーターズ(GM)やフォード・モーター(F)などの米自動車株も買われた。
ナスダック総合株価指数は反落し、前日比1.526ポイント安の7424.429で終了した。
セクター別では、運輸や自動車・自動車部品が上昇する一方でエネルギーや銀行が下落
個別では、家電量販店のベストバイ(BBY)は、通期見通しを据え置いたことで失望売りを招き下落した。食品のホーメルフーズ(HRL)は、決算内容が嫌気され軟調推移。原油相場の下落でチェサピーク・エナジー(CHK)や石油のマラソン・オイル(MRO)などエネルギー銘柄が売られた。
金利低下で利ざやが縮小するとの思惑から、JPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスなど金融株も売られた。
一方、医療機器のメドトロニック(MDT)は、決算内容が予想を上振れ上昇。自動車大手のゼネラル・モーターズ(GM)とフォード(F)は、自動車輸入に対する関税賦課による好影響を見込んだ買いが広がった。
前日に大きく下げたゼネラル・エレクトリック(GE)は反発した。
VIX指数は12.53と前日から低下した(前営業日12.58)。トランプ米大統領が安全保障を理由に自動車や自動車部品に追加関税を課す輸入制限の検討を発表したことを受けて貿易摩擦への懸念が高まり、米株は売りが先行。
また、米朝首脳会談の中止を受けてダウ平均は一時250ドル超安まで下げ幅を拡大した。米株の下落を受けて、VIX指数は一時14.24まで上昇した。
ただ、米株が引けにかけて下げ幅を大きく縮小し、VIX指数も前日終値付近まで持ち直した。
NYダウ工業株30種(ドル)
24,811.76-75.05
S&P500種
2,727.76-5.53
ナスダック
7,424.429-1.526
米10年債利回り(%)
2.977 -0.026
米2年債利回り(%)
2.5121 -0.016
NY金(ドル/トロイオンス)
1,304.40+14.80
NY原油(ドル/バレル)
70.70-0.01
円・ドル
109.17 – 109.18 -0.44
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は3日続落した。6月物は前日比305円安の2万2315円で引け、同日の大取終値を95円下回った。
トランプ米大統領が米朝首脳会談の中止を表明、米株安や円高が進み、日本株も売られた。北朝鮮の核問題を巡る地政学リスクや、米国の保護貿易主義への警戒感が強い。
この日の6月物安値は2万2075円、高値は2万2635円。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
22315 ( -95 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
22320 ( -90 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7716.74(-71.70)
FTSE100種総合株価指数は続落した。前日23日の終値に比べ71.70ポイント安の7716.74で引けた。構成銘柄の約7割が下落した。
小動きで推移した後、米朝首脳会談の中止を受けて米国株が下がったことから、売り圧力が強まった。商品株と金融株の下げが株価指数を押し下げた。
原油相場の下落を背景に、石油のロイヤル・ダッチ・シェルとBPが売られた。
医療のメディクリニック・インターナショナルは9%安。スイス部門の評価損が響いて通期決算で営業損失となったことが嫌気された。
水道のセバーン・トレントとガス供給・販売のセントリカ、通期決算を発表した総合公益会社のユナイテッド・ユーティリティーズ・グループの下げが目立った。
半面、品質試験サービスのインターテック・グループは、2018年の業績が目標を達成しそうだとの見通しを示し、3%超上昇した。
ブックメーカーのパディパワー・ベットフェアも買われた。今後期待される米国のスポーツ賭博市場に力を注ぐため、同社の米国部門と米ファンタジースポーツ関連会社を統合することで合意し、好感された。
医療機器のスミス・アンド・ネフューと酒類のディアジオの上げも目立った。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12855.09(-121.75)
ドイツ株式指数(DAX)は続落した。終値は前日23日と比べて121.75ポイント安の12855.09だった。午後に下げに転じた。
個別銘柄では、経費削減のため7000人以上の人員削減を発表したドイツ銀行が4%超下落した。アナリストが投資判断を引き下げたコメルツ銀行も大幅安となった。トランプ米政権が自動車関税の引き上げを検討していることが明らかになり、ダイムラーとBMW、フォルクスワーゲンが下がった。
一方、工業用ガスのリンデと医薬・化学大手の独メルクは上昇した。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5548.45(-17.40)
