株価は需給で決まる。
売りと買いが共存している以上これは間違ってはいない。
しかし100%ではない。
株価は業績で決まる。
将来の増配や株価上昇を期待している以上、これは間違っていない。
しかし100%ではない。
株価は罫線で決まる。
株価は過去の延長線上にある異常、これも間違っていない。
しかし絶対に100%ではない。
つまり絶対的な株価決定要素というのはない。
常にその時々のファッションに彩られているに過ぎないとも言えよう。
「買う人が多いから高い。売る人が多いから安い」。
原理原則はココに尽きるのだか、その理由付けと解釈が千差万別だからややこしい。
フィネグルの法則は「うまく行かなくなりうるものは何でも、うまく行かなくなる-しかも最悪のタイミングで」
そして「どういう結果が予想されても、誰かが必ず結果を曲解しようとする」。
システムの世界の法則は意外と株式市場でも通用する。
「売る人が多いから安い。買う人が多いから高い」。
この原理原則を放れてアレコレ論じる空虚さはそろそろ理解されてもいいだろう。
「安く買いたい人は株価が下がって欲しい」。
「高く売りたい人は株価が上がって欲しい」。
つまり売り方にとって株価上昇が歓迎で買い方にとっては株価下落が歓迎。
この大きな流れの中のパラドックスが現実なのに、逆の解釈をするから儲からないのかも知れない。
「昨日予測したことが、今日起こらなかった事を明日になって気づく人」にならなうように注意したいもの。
一つのターニングポイントかなと思わせられたのは木曜日経朝刊の「ネット証券次の柱探る」。
楽天証券はIPOの引受を10年ぶりに再開する。
「投資家向け広報の支援部門と組むなどして企業との距離を近くしたい」。
かつては、企業の資金運用を主眼として行われてたのがIR活動。
そのための支援作業が大手証券中心に行われた。
今は「個人マネーの流入が活発だから」というのが理由。
隔世の感があるし立ち位置は180度異なる。
この分野で先行してきたのはSBI。
前年度の引受は75件。
もともとがベンチャーファンドの出自だからこの動きは当然の行き着くところだったのだろう。
興味深いのは独立系のIFA経由の資金が預かり資産の1割を超えたこと。
楽天証券も前期の預かり資産の伸び率でIFA経由が33%に達したという。
預かり資産の金額でなく伸び率だから大げさに騒ぐいこともない。
しかしIFAという人間経由がネット経由を凌駕してきたというのは紛れもない事実だ。
莫大な資金を投入した設備や装置ではなく、人間機能が重要視されてきたということ。
20年前に思考した「未来の証券会社」の理想図に近づいてきたようだ。
手数料の安さは求める。
しかし付加価値としての有用か無用かはともかくとしてアドバイスは欲しい。
これは今のニーズだろう。
「お話しましょう」と営業されれば遠ざかる。
「お話できません」と蹴飛ばされれば欲しくなる。
移り気な投資家の多様なニーズは進化してきたようだ。
いよいよ講釈師が機械と瞬間芸を競う時代になってきたのかも知れない。
スケジュールを見てみると・・・
1日(金):法人企業統計、米雇用統計、ISM製造業景況指数、アジア安全保障会議(シンガポール)
4日(月):マネタリーベース、米製造業受注、アップル世界開発者会議
5日(火):家計調査、米ISM非製造業景況指数
6日(水):毎月勤労統計、米貿易収支、韓国休場
7日(木):景気動向指数、都心オフィス空室率、米消費者信用残高
8日(金):GDP改定値、国際収支、景気ウォッチャー調査、メジャーSQ、G7首脳会議(カナダ)、中国貿易収支
【6月】
1日(金)アジア安全保障会議(シンガポール)
5日(火)台北国際電脳展、変化日
8日(金)メジャーSQ、G7首脳会議(カナダ・シャルボア~9日)
11日(月)欧州最大のIT見本市「CeBIT」(独ハノーバー~15日)
12日(火)FOMC(~13日)、世界最大のゲーム見本市「E3」(ロス~14日)
13日(水)韓国統一地方選
14日(木)日銀金融政策決定会合(~15日)、ECB理事会、ラマダン終了、変化日、サッカーワールドカップ開幕(ロシア)、ゴルフ全米オープン
15日(金)民泊法施行
19日(火)海王星逆行開始
20日(水)変化日、FTSE定期見直しのりバランス実施
21日(木)上げの特異日
22日(金)OPEC定時総会(ウィーン)
24日(日)ユネスコ世界遺産委員会
26日(火)世界原子力展示会(パリ~28日)、変化日
27日(水)ECB理事会
28日(木)ECB理事会、火星逆行開始
29日(金)上げの特異日
探査機「はやぶさ」が小惑星「リュウオウ」に到着
次期エネルギー基本計画を閣議決定
(兜町カタリスト櫻井)
