ダウ小反落し13ドル安、利益確定売り。ナスダック総合の高値更新

 
5日のNYダウ工業株30種平均は小幅に下げたが、ハイテク株の比率の高いナスダック総合株価指数は連日で最高値を更新した。ナスダックは31.40ポイント高の7637.86で取引を終了した。
 
昨日の株価上昇を受けて利益確定の動きが広がる一方で、最高値を更新したソフトウェアのマイクロソフト(MSFT)や携帯端末のアップル(AAPL)を中心にハイテク株への買いが続き、小幅な値動きに終始する展開となった。
中国政府が、米政府が関税方針を撤回する見返りに700億ドル相当の米農産物・エネルギー購入を提案するなど、貿易摩擦問題を巡る米中間の緊張緩和が好感された。
 
時価総額の上位銘柄のアップルやアマゾン・ドット・コム、マイクロソフトが連日で上場来高値を更新し、フェイスブックも最高値に迫ってきた。ナスダック銘柄で時価総額が9位の画像用半導体(GPU)のエヌビディアと、10位の動画配信のネットフリックスもそろって高値を更新した。
 
政情不安が続いていたイタリアでは、コンテ新首相が所信表明で減税や社会福祉の拡充など反緊縮財政の推進を約束したことから、イタリア国債売りが加速。
投資家の「質への逃避」から米国債には買いが入り、10年債利回りが低下した。これを受け、米株式市場では融資業務などの利ざや縮小への懸念からJPモルガン・チェースなど金融大手株が軒並み安となって相場の重しとなった。
 
この日は7日からS&P500種株価指数に採用されることが決まった短文投稿サイトのツイッターが約2年ぶりの高値を付け、投資家の熱い視線を集めた。S&P500に加われば、指数連動型の投信などを含めた運用を刺激するとして買いが膨らんだ。
 
昨年末から5日までのツイッター株の上昇率は66%。依然として新規株式公開(IPO)後の高値を4割あまり下回っているが、トランプ大統領も頻繁に利用するなどプラットフォーマーとしての存在感は極めて大きい。最終損益が2017年10~12月期に初めて黒字化したこともあり、株価の一段高観測が広がっていた。
 
セクター別では、小売やテクノロジー・ハード・機器が上昇する一方で消費者・サービスや公益事業が下落した。
 
個別では、製薬のマイラン(MYL)は、同社が開発した癌治療薬のバイオ後続品(バイオシミラー)について、米食品医薬品局(FDA)から承認を受け上昇。メディアのディスカバリー・コミュニケーションズ(DISCA)は、一部アナリストによる投資判断引き上げを受け買われた。
 
一方で、コーヒーチェーンのスターバックス(SBUX)は、シュルツ会長の退任が発表され下落した
 
 
VIX指数は12.48と低下(前営業日12.74)。米5月ISM非製造業景況指数が予想を上回る58.6だったことで、ナスダック総合指数は連日で過去最高値を更新し、S&P500も続伸した。VIX指数は一時12.30まで低下した。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
24,799.98-13.71
S&P500種
2,748.80+1.93
ナスダック
7,637.863+31.403
 
米10年債利回り(%)
2.9296 -0.007
米2年債利回り(%)
2.4958 -0.012
 
NY金(ドル/トロイオンス)
1,302.20+4.90
NY原油(ドル/バレル)
65.53+0.78
円・ドル
109.83 – 109.84   +0.01

 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は小幅反落した。6月物は前日比40円安の2万2515円で引け、同日の大取終値を5円下回った。
イタリアの財政悪化への懸念や、米国の貿易摩擦への警戒感が相場を下押した。材料に乏しく、全般的に動意薄の展開だった。この日の6月物安値は2万2445円、高値は2万2600円。
 
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
22515 ( -5 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
22515 ( -5 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7686.80(-54.49)
FTSE100種総合株価指数は3日ぶりに反落した。前日4日の終値に比べ54.49ポイント安の7686.80で引けた。外為市場でポンド高が進み、株価の上値を抑えたほか、政府が保有するロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)株式の一部放出が嫌気され、相場を押し下げた。構成銘柄の約7割が下落した。
 
個別銘柄では、英政府が株式の一部放出を発表した英金融大手ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドが5.3%安と急落した。クルーズのカーニバルが大幅下落し、6%超安で引けた。下落率は一時7%を上回る場面があった。原油高による燃料費の高騰などを背景にアナリストが1株利益見通しを引き下げたことを嫌気した。
 
半面、銅価格の上昇を背景に鉱業株が買われた。アントファガスタと資源商社のグレンコアが高く引けた。
ファッションのバーバリー・グループや衣料小売りのネクストの上げも目立った。前日大幅下落した梱包材メーカーのスマーフィット・カッパ・グループは値ごろ感から買い戻され、上昇した。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12787.13(+16.38)
ドイツ株式指数(DAX)は3日続伸した。終値は前日4日と比べて16.38ポイント(0.13%)高の12787.13だった。
 
子悦では、半導体のインフィニオンテクノロジーズと透析器大手のフレゼニウス・メディカル・ケアが高く引けた。工業用ガスのリンデや消費財のヘンケルも上昇した。
 
一方、ドイツの長期金利の低下を背景に銀行株が売られた。航空のルフトハンザは利益確定の売りで下げた。電力株も売りが先行した。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5460.95(-11.96)

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