６日のNYダウ工業株30種平均は大幅に反発し、前日比346ドル41セント高の２万5146ドル39セントと３月12日以来の高値で終えた。
ムニューシン財務長官が、トランプ大統領にカナダに対する鉄鋼及びアルミニウムの輸入関税の適用免除を進言していることが報じられたほか、昨日の中国政府による700億ドル相当の米農産物・エネルギー購入の提案など貿易摩擦を巡る先行き不安が後退し買いが先行。対中輸出の多いボーイングやキャタピラーなどの銘柄に買いが入った。
また、米商務省が朝方発表した4月の貿易赤字が2カ月連続のマイナスとなったことも、貿易摩擦への懸念緩和につながった。
さらに、欧州中央銀行（ECB）が金融政策を正常化するとの観測などを受け、米長期金利の指標である10年物の米国債利回りが上昇した。利ざやが改善するとの期待でＪＰモルガン・チェースやゴールドマン・サックスなどの金融株に買いが優勢になった。
ナスダック総合株価指数は４日続伸し、前日比51.380ポイント高の7689.243と連日で過去最高値を更新した。半導体やバイオ関連株などに買いが優勢だった。
セクター別では、メディアや銀行が上昇する一方で公益事業や食品・生活必需品小売が下落した。
個別では、電気自動車（EV）のテスラ(TSLA)が高い。前日に最高経営責任者（CEO）が量産車「モデル３」の生産台数が月内にも目標とする週5000台に届くとの見通しを示した。
エネルギー会社のデボン・エナジー(DVN)は、パイプライン・処理事業の持ち分売却と30億ドル相当の自社株買い計画を発表し堅調推移。
宝飾品販売のシグネット・ジュエラーズは６日朝発表の四半期決算が市場予想を上回り急伸した。
一方、口コミサイトのイェルプ(YELP)は、一部アナリストによる投資判断引き下げを受け、下落した。中国企業による個人情報へのアクセスを許してきたことを認めたフェイスブックも売られた。業績見通しを引き下げたデルタ航空も下げた
VIX指数は11.64と低下（前営業日12.40）。
好調な米国の景況感、南欧の政治リスクや米朝首脳会談に向けた朝鮮半島の地政学リスクの後退などを背景に、ナスダック総合指数は連日で過去最高値を更新し、S&P500も続伸、ダウ平均は高値引けとなった。VIX指数は一時11.62まで低下した。
NYダウ工業株30種（ドル）
25,146.39＋346.41
S&P500種
2,772.35＋23.55
ナスダック
7,689.243＋51.380
NY金（ドル/トロイオンス）1,301.40－0.80
NY原油（ドル/バレル）
65.01－0.51
円・ドル
110.14 – 110.15 ＋0.08
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は反発した。６月物は前日比235円高の２万2750円で終えた。大阪取引所の終値を110円上回った。米株式相場がIT関連銘柄を中心に大幅に上昇し、買い安心感が広がった。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
22750 ( +110 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
22750 ( +110 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7712.37（+25.57）
FTSE100種総合株価指数は反発した。前日５日の終値に比べ25.57ポイント高の7712.37で引けた。構成銘柄の約６割が上昇した。
南欧の政治情勢などが材料視され、株価は一時マイナス圏に沈んだものの、切り返した。
個別銘柄では、銅価格の上昇を追い風に鉱業株が上昇した。アントファガスタやリオ・ティントの上げが目立った。銀行株も買われた。ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド（RBS）は反発して引けた。バラット・ディベロップメンツを筆頭に住宅建設株が高かった。
半面、米石油在庫統計（週間）で原油在庫量が増加し、原油相場が下落したことを受けた。時価総額の大きいたばこ株と食品・日用品・食品大手のユニリーバが下げ幅を広げたほか、酒類のディアジオや医薬品株にも売りが広がった。飲料のコカ・コーラ・ヘレニック・ボトリングも下げた。
保険株は軟調だった。米ネット通販のアマゾン・ドット・コムが保険業の参入を検討しているようだと通信社が伝えた。競争激化を嫌気した売りが出たという。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12830.07（+42.94）
ドイツ株式指数（DAX）は４日続伸した。終値は前日５日と比べて42.94ポイント高の12830.07だった。
個別では、欧州の長期金利の上昇を背景にコメルツ銀行が大幅上昇した。ドイツ銀行も上げた。アディダスも高くなった。一方、電力のＲＷＥとエーオンが下落した。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5457.56（-3.39）
フランスの株価指数CAC40の終値は小幅安で引けた。
