99円安と続落、米株安が重荷も下値は堅く

 
6日午前の日経平均株価は続落し、午前終値は前日比99円97銭(0.25%)安の3万9997円66銭だった。
 
きょう前場は主力株中心に売り優勢の地合いとなり、日経平均は下値を試す展開となった。前日の米国株市場でNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに大きく値を下げたことで、東京株式市場でも利益確定の動きを誘発する形となった。
5日のNYダウ工業株30種平均は前日比404ドル(1.03%)安の3万8585ドルで終えた。中国でのiPhoneの販売減少が伝わったアップルが下落するなど、ハイテク株を中心に売りが優勢だった。前週末に最高値を更新したナスダック総合株価指数とS&P500種株価指数も大幅安だった。
外国為替市場で円相場が円高・ドル安に振れたのも輸出関連株の一角の重荷となった。
 
ただ、下値は固く、日経平均は一時300円以上下げる場面もあったが、その後は押し目買いで下げ渋りTOPIXはプラス圏で着地した。電力株や不動産株など内需株が買われ全体相場を支える形に。半導体関連も一部の銘柄は頑強な値動きをみせるなど、押し目買い意欲が反映された。なお、値上がり銘柄数が値下がりを大幅に上回った。
 
今週は6〜7日に米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長による議会証言のほか、8日には2月の米雇用統計の発表を控える。これまで急ピッチで株価が上昇してきただけに、重要イベントを前に持ち高調整の売りを出したいとの雰囲気も強かった。
 
ただ、売り一巡後は下げ渋った。大幅安となった5日の米株式市場で半導体大手のエヌビディアは逆行高となった。東京市場にはエヌビディア関連とされる銘柄が多く、朝方は下げて始まったアドテストや東エレクなど半導体関連株が小幅に上昇に転じ、日経平均を下支えした。
 
米大統領選は5日、各州の予備選や党員集会が集中する序盤戦最大のヤマ場「スーパーチューズデー」を迎えた。事前の世論調査で圧倒的な強さを保ってきたトランプ前大統領が大票田のテキサス州での勝利を確実にしたと伝わるなど、多くの州で勝利を重ねている。ただ、市場ではトランプ氏が仮に大統領に再選した場合の影響について見方が割れ、材料として織り込む動きにはなっていないようだ。
 
為替市場では、1ドル149円90銭台と前日大引け時点との比較では60銭ほど円高ドル安にふれている。ただ、今晩、米国雇用関連の経済指標発表やパウエルFRB議長の議会証言などを控えていることから様子見ムードが強まり、一気に149円台前半を試すような展開はないと考える。後場の日経平均はバリュー株上昇を材料に切り返しを試すと想定する。

 


 
東証株価指数(TOPIX)は続伸した。前引けは3.98ポイント高の2723.91だった。JPXプライム150指数は反落し、2.60ポイント安の1197.18で前場を終えた。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆5499億円、売買高は9億675万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は487。値上がりは1116、横ばいは52だった。
 
業種別株価指数(33業種)は電気機器、精密機器、金属製品などが下落した。上昇は銀行業、不動産業、輸送用機器など。
 
 
個別では、KDDI、トヨタ、中外薬や塩野義が上昇した。住友不や三井不など不動産株の一角が買われた。三井E&Sが活況高となり、SCREENホールディングスも堅調。三菱重工業も買いが優勢。フォーカスシステムズが値上がり率トップに買われ、ツムラ、アインホールディングスはストップ高だった。
 
半面、レーザーテック、ディスコが安く、キーエンス、ファーストリテイリング、ソフトバンクグループ(SBG)、TDKなど値がさ株が安い。安川電や日立、スズキが下落した。川崎汽船も売りに押された。さくらインターネットが利益確定売りに押された。

 

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