ダウ平均の上げ幅は100ドルを超える場面があったが、次第に伸び悩み下げに転じた。ハイテク株に資金が流入した一方、ディフェンシブ株や景気敏感株の一角が売られ、指数を下押しした。超党派の議員グループが健康保険会社や薬剤給付管理会社を所有する企業に対して薬剤事業の売却を義務付ける法案の成立に向けて動いていると11日に伝わった。業界の規制強化が意識され、ユナイテッドヘルス・グループが大幅に下げ、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)も安かった。
トランプ次期米大統領による関税強化などの政策もあり、インフレ率が高止まりするとの懸念も根強い。来年の利下げペースを巡る不透明感も投資家心理の重荷となる面があった。
個別銘柄では保険や製薬に加え、マクドナルドやプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)、ベライゾン・コミュニケーションズなどが売られた。半面、エヌビディアが3%高となり、アマゾン・ドット・コムやセールスフォースといったハイテク株の上昇が目立つ。ナイキやゴールドマン・サックスも高かった。
ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発し、前日比347.652ポイント(1.76%)高の2万0034.894(速報値)で終えた。6日以来となる過去最高値を更新し、初めて2万の大台に乗せた。
テスラは6%近く上昇し、2021年11月以来となる上場来高値を更新した。アルファベットやメタプラットフォームズといった主力ハイテク株が買われた。アップルと人工知能(AI)半導体で提携していると報じられたブロードコムは大幅高となった。
S&P500 6084.19 ( +49.28 )
NASDAQ 20034.89 ( +347.65 )
米10年債利回り 4.272 ( +0.043 )
NY(WTI)原油 70.29 ( +1.70 )
NY金 2756.7 ( +38.3 )
VIX指数 13.58 ( -0.60 )
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経225先物 (円建て)
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
11日のFTSE100種総合株価指数は反発し、前日比21.26ポイント(0.25%)高の8301.62で終えた。英ロイズ・バンキング・グループをはじめ銀行株に買いが優勢だった。
11日発表された11月の米消費者物価指数(CPI)は、おおむね市場予想に沿った結果だった。米国で月内に追加利下げが決まるとの見方も、投資家心理を支えた。
ロイズ・バンキング・グループの上昇は、英国で自動車ローンの不適切販売があったとされる問題で、ローンを提供する側の上訴を最高裁が許可したと伝わったことがきっかけとなった。そのほか日用品や飲食料品・たばこ株に買いが優勢だった。半面、エネルギーや公益株の下げは、指数の上値を抑えた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
■フランス・パリ株価指数
フランスでは株価指数CAC40が反発し、前日比0.38%高で終えた。広告大手ピュブリシス・グループや航空機エンジンのサフランが上昇した。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンなど消費関連の一角が買われた。一方で石油大手トタルエナジーズが下げた。
