985円高と大幅反発、半導体関連や自動車に買い

 
12日午前の日経平均株価は大幅に反発し、午前終値は前日比985円85銭(2.77%)高の3万6605円62銭だった。上げ幅は一時1200円を超えた。
 
きょう前場は主力株を中心にリスクオフの巻き戻しが入り日経平均株価は急反発、一時1200円を超える上昇をみせる場面があった。前日の米国株市場では半導体関連などハイテク株中心に買いが集まり、東京株式市場でもこの流れに追随する格好となっている。
米半導体大手エヌビディアの最高経営責任者(CEO)が11日に次世代の人工知能(AI)半導体「ブラックウェル」の需要について強気な見通しを示すなか、12日の東京市場で東エレクやアドテストなどの半導体関連が軒並み買われた。
外国為替市場での円高進行に歯止めがかかり、トヨタやホンダなどの自動車株にも資金が向かった。
日経平均は前日まで7日続落でこの間に3000円以上も水準を切り下げたことで、目先リバウンド狙いの買いを誘導した。あすのメジャーSQ算出を前に先物主導でショートカバーが入ったほか、値ごろ感からの押し目買いが全体相場を押し上げた。個別株も値上がり銘柄数がほぼ9割を占めるなど、物色意欲の強さを物語っている。
 
午前中、田村直樹日銀審議委員は、岡山県で開催されて金融経済懇談会にて、経済・物価に対して中立的な名目金利の水準(中立金利)について「最低でも1%程度だろう」と説明。日銀が経済・物価情勢の展望(展望リポート)で示した見通し期間の後半には「少なくとも1%程度まで短期金利を引き上げておくことが、物価上振れリスクを抑え、物価安定の目標を持続的・安定的に達成する上で必要だ」と語った。政策委員のなかでは金融政策の正常化に最も前向きで「タカ派」と位置付けられている田村審議委員が、より踏み込んだ話をしたように思えたが、為替市場では目立った動きは観測されなかった。
 
市場では「田村委員はかねてから『タカ派』とみなされていたため発言に驚きはなかったが、一部の海外投資家などから金融引き締めに前向きだと受け止められた可能性がある」との指摘があった。
 
後場の東京株式市場は昨日同様、為替市場を睨んだ展開となりそうだが、明日のメジャーSQを前に先物市場のポジション調整も一段落した可能性はあることから、36500円水準での横ばい推移となろう。
 
 



東証株価指数(TOPIX)は大幅に反発した。前引けは48.32ポイント(1.91%)高の2578.99だった。JPXプライム150指数も大幅反発し、24.92ポイント(2.20%)高の1155.81で前場を終えた。前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆9841億円、売買高は9億2446万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1472。値下がりは145、横ばいは25だった。
 
全業種が上昇するなか、電気機器、非鉄金属、海運業、機械、精密機器の上げが目立った。
 
個別では、国内証券会社のポジティブなレポートが材料視されてIHI、UBEが買われたほか、売買代金で断トツのレーザーテックをはじめ売買代金上位を占めたディスコ、東京エレクトロン、アドバンテスト、ソシオネクストといった半導体製造装置関連が軒並み値を飛ばした。また、ソフトバンクグループが活況高となったほか、三井住友フィナンシャルグループなどメガバンクも高い。さくらインターネットが大商いで急騰をみせ、消費関連ではファーストリテイリング、メルカリなども上昇した。ネットプロテクションズホールディングスが値上がり率トップとなった。このほか、荏原製作所、トクヤマ、NEC、フジクラ、川崎重などが買われた。
 
一方、第一三共、アサヒグループHD、日清粉G、東京建物、大林組、NTTが売られた。日経平均採用以外では、足元強い動きをみせていた神戸物産は、決算内容が嫌気されて売り優勢となった。住友林業も冴えない。また、関電工が大きく値を下げている。

 

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