30日前引けの日経平均株価は続落、前週末比98円70銭安の2万1780円20銭で取引を終えた。
トランプ米政権が米国から中国への証券投資の制限を検討していると伝わり、27日のNYダウが下落、東京株式市場でも対中投資制限に対する警戒から投資家心理が悪化し、景気敏感株を中心に利益確定を目的とした売りが先行した。
米国株式市場で資金流出への思惑からアリババ集団の米預託証券(ADR)が大きく下落、同社株の投資利益が減るとの思惑からソフトバンクグループが3%近く下落し、日経平均を約27円押し下げた。
週末には香港で再び大規模なデモが発生したことも投資家心理を冷やし、買い手控えムードにつながっている。
ただ、売り一巡後は下値を探る動きは限られた。
前週末に伝わった一部報道によると、米財務省は中国企業の上場廃止について「現時点で計画はない」と否定していたほか、中国国家統計局と中国物流購入連合会が30日発表した9月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は前月から上昇して市場予想を上回っており、財新の9月の中国製造業PMIも前月から改善したことが投資家心理の支えとなった。
市場からは「米の対中投資制限報道で調整色が出始めているが、思ったほど下げてはいない。後場は、日銀のETF買いが入り、戻りが期待される。押し目買い意欲は根強く、基本的に強いとみている」との声が聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)は12.79ポイント安の1591.46だった。JPX日経インデックス400も続落した。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で8706億円、売買高は5億195万株だった。値下がり銘柄数は1614と、全体の7割強を占めた。値上がりは465、変わらず70だった。
業種別株価指数(全33業種)は情報・通信業、その他製品、輸送用機器、銀行業が下落し、非鉄金属と海運業は上昇した。
個別では、新薬の治験に失敗した大塚HDが急落した。東エレクや信越化といった半導体関連が下落したほか、トヨタ自動車、SUBARU、武田薬品工業が安い。
半面、ソニー、ファーストリテイリング、テルモ、アステラスが高い。コロプラはストップ高となった。バンナムHDやコナミHD、スクウェア・エニックス・ホールディングス、オルトプラス、日本エンタープライズも買われた。
東証2部株価指数は4日続落した。前週末比20.80ポイント安の6449.89ポイントだった。
出来高1787万株。値上がり銘柄数は170、値下がり銘柄数は205となった。
個別では、天昇電気工業がストップ安となった。テクノ菱和、マーチャント・バンカーズ、アートスパークホールディングス、リテールパートナーズ、テクノアソシエなど6銘柄は年初来安値を更新した。アイスタディ、ミダック、YE DIGITAL、東亜石油、ギグワークスが売られた。
一方、明豊ファシリティワークス、金下建設、アールエイジ、瀧上工業、ミロクなど6銘柄が年初来高値を更新した。サイオス、セキド、ニチリン、森尾電機、ヤマダコーポレーションが買われた。
