97円安と続落 米ハイテク株売り

 
28日午前の日経平均株価は続落し、前引けは前日比97円04銭(0.35%)安の2万7248円20銭だった。
 
前日の米国市場でハイテク株が下落したことなどが警戒された。ただ、2万7000円ラインを割り込んだ水準では値頃感からの買いが流入した。好業績銘柄などが買われた一方、ハイテク株や海運株などは軟調な値動きとなった。
 
寄り付きは前日比200円を超す下落でスタートし、その後、一時下げ幅は300円を超えた。下げ幅は一時360円を超えたが、200日移動平均(2万7197円、27日時点)を下回る水準では押し目買いや買い戻しが入った。
アドテストや信越化など、決算を手がかりにした主力株の一角への買いは相場の支えになった。外国為替市場での円安・ドル高を受けて自動車株をはじめ輸出関連株の一角も買われ「日銀の金融政策決定会合の結果公表や黒田東彦総裁の会見を控え、一段の円安進行を見込んだ思惑的な買いが入ったのでは」との声も聞かれた。
 
前日の米株式市場では、2022年7~9月期決算への失望などからナスダック総合株価指数が大幅に下落した。27日夕に決算発表したアマゾン・ドット・コムの業績見通しに警戒感が広がったのも、東京株式市場で投資家心理の重荷になった。
 
市場からは「下がったら買いが入り、需給は良い。来週はFOMC(米連邦公開市場委員会)を控えるが、とりあえずノーサプライズで反乱はない。始まった国内企業決算は悪くも良くもないが、日本株が割安水準であることは確かだ」との声が聞かれた。
注目は黒田総裁の会見であり、足元の国内の物価動向やイールドカーブ・コントロールなどの現状の政策枠組みについて、どのような見解を示すかで為替が乱高下しそうだ。日経平均は為替要因で攪乱されやすく注意したい。
 
東証株価指数(TOPIX)は小幅に反発した。午前終値は前日比2.60ポイント(0.14%)高の1908.16だった。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆5994億円、売買高は5億8779万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は781と、全体の4割を占めた。値上がりは960銘柄、変わらずは93銘柄だった。

 


 
業種別株価指数(33業種)は海運業、精密機器などが下落。陸運業、保険業、輸送用機器、空運業などは上昇した。
 
個別銘柄では、レーザーテックや東京エレクトロンなど半導体関連株が軟調で、ファーストリテイリングや日本郵船が値を下げた。今期業績予想を下方修正したファナックが売られた。業績予想を上方修正した信越化も上昇率は限定的ながらも買い優勢となっている。東証プライム市場の値上がり率トップは決算が好感されたシンプレクスHDとなった。
ZHDやエムスリー、SMCが安い。川崎汽や商船三井の海運株が下落した。
 
半面、ソフトバンクグループやトヨタ自動車やスズキ、コマツ、日立建機が堅調。今期業績の大幅増益予想が好感されたオリエンタルランドが買われ、同じく決算が好感された信越化学工業やイビデンが値を上げた。HOYAは前日の後場の取引時間中に発表した決算が引き続き売り材料視されている。NRIは市場予想を下回る決算で大きく下落。鉱区延長に関してネガティブなニュースが伝わっている三井松島HDは急落となっている。

 

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