957円高と急反発、米ハイテク株高

 
7日午前の日経平均株価は急反発し、午前終値は前日比957円45銭高の4万0264円50銭だった。
 
きょう前場は、前日とは打って変わり主力株を中心にリスクを取る動きが一気に強まった。日経平均株価は朝方高く始まった後、ほぼ一本調子に水準を切り上げ4万円大台を回復、その後も次第高で前引けはほぼ高値圏で着地した。
 
前日の米国株市場で半導体関連株が買われたことを受け、東京株式市場でも売買代金上位の半導体主力株に買いが集まり全体を押し上げた。東エレクやアドテストなど半導体に入った。東エレクの上昇率は一時11%を超えた。
225先物主導のインデックス買いによる影響も大きく、日経平均の上昇率はTOPIXとかなり開きがある。
三菱UFJなど3メガバンクの上昇も目立ったほか、外国為替市場での円安進行でトヨタなども買われた。
 
6日の米株式市場ではエヌビディアなど半導体関連の上昇が目立ち、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が大きく上昇した。日本時間7日にはエヌビディアのジェンスン・ファン最高経営責任者(CEO)が米ラスベガスで一般公開されている世界最大のテクノロジー見本市「CES」で基調講演に臨む。エヌビディアの次世代人工知能(AI)半導体「ブラックウェル」に関する前向きな発言があるとの期待感から、東京市場でも関連株に位置付けられる銘柄への買いが目立った。
 
市場関係者の間では、米ハイテク株をめぐりバリュエーション(投資尺度)が高止まりしていることから、半導体をめぐる過度に楽観的な姿勢を警戒する声もある。半面、国内の半導体関連銘柄は「米中対立などの悪材料が織り込まれ、米ハイテク株高が続いていた年末でもしばらく調整局面が続いていた。業績見通しも悪くなく、足元は割安な水準で買いやすい」との声があった。
 
メガバンクの上昇も目立った。三菱UFJの上昇率は一時、4%を超え、株式分割考慮ベースで2006年4月以来18年9カ月ぶりの高値を更新した。米連邦準備制度理事会(FRB)のマイケル・バー副議長(金融監督担当)は6日、2月28日付で辞任する意向を表明した。金融規制の強化に前向きだったバー副議長の辞任で、規制緩和への思惑が高まり6日の米株式市場で銀行株が上昇した。国内の銀行株にも買いが波及し、みずほFGと三井住友FGは昨年来高値を更新した。
 
円安・ドル高の進行も相場の支えとなった。7日午前の外国為替市場では円相場が一時1ドル=158円18銭近辺と2024年7月中旬以来の安値を付けた。朝方は軟調に推移していたホンダなど自動車関連の一角も上昇に転じた。
 
先物市場で買戻しが入っているとの声も聞かれ、日経平均は4万0000円台を回復したが、全業種が上昇するような強い地合いではない。昨年12月戻り高値4万0398円23銭を上回ると後場一段高の可能性はあるが、半導体株頼みの地合いのため勢いは弱いか。後場の日経平均は、4万円台で大引けを迎えられるかに注目したい。

 


 
東証株価指数(TOPIX)も反発した。前引けは36.11ポイント(1.31%)高の2792.49だった。JPXプライム150指数も反発し、18.67ポイント(1.53%)高の1238.25で前場を終えた。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆5150億円、売買高は9億9596万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は884。値下がりは701、横ばいは59だった。
 
業種別では、サービス、電気機器、銀行、証券・商品先物、精密機器などが上昇した一方、海運、鉱業、鉄鋼、電気・ガス、石油・石炭などが下落した。
 
個別では、米ハイテク株高を受けて、売買代金トップとなった東京エレクトロンが大幅高に買われたほか、売買代金2位のディスコも急伸、同3位のアドバンテスト、ほかルネサスエレクトロニクス、レーザーテック、ソシオネクストも値を飛ばすなど半導体製造装置関連への投資資金の流入が際立っている。
このほか、三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクが高く、ソフトバンクグループも物色人気。京セラ、リクルートHD、荏原製作所などが上昇。日本マイクロニクスも株価を急上昇させている。富士通ゼネラルは一時ストップ高に買われた。
 
半面、IHIが安く、前日買われた川崎汽船、日本郵船、商船三井など海運株が弱かったほか、INPEX、出光興産、ENEOSホールディングなど資源関連株も下落。このほか、花王、日本製鉄、大林組、豊田通商などがさえない。6日に米鉄鋼大手USスチール買収を巡る不当介入があったとしてバイデン米大統領らの提訴を発表した日本製鉄も安かった。

 

株ちゃんofficial xはこちら!
目次