24日午前の日経平均株価は反発し、午前終値は前週末比92円75銭(0.24%)高の3万8689円22銭だった。
朝方は売り優勢で日経平均は安く始まったが、下値は固くその後は押し目買いが優勢となった。ただ、方向感の見えにくい展開で、先物主導で不安定な値動きが続き、前日終値を挟んでプラス圏とマイナス圏を行き来する展開に。個別株は米半導体株安の影響を受け半導体製造装置関連株の上値が重いものの、外国為替市場で円安が進んでいることが追い風となっている。手掛かり材料難のなか下値では押し目買いが入る一方、上値を積極的に買い進む動きもみられない。
外国為替市場で円安・ドル高が進行したのを支えに自動車など輸出関連株に買いが優勢だった。前週末の米株式市場でハイテク株が下落したのは半導体関連の一角にとって重荷となり、日経平均は朝方を中心に下げる場面も目立った。
トヨタを筆頭に輸出関連株が買われた。米財務省は20日公表した半期ごとの外国為替政策報告書で、為替操作をしていないか注視する「監視リスト」に日本を加えた。神田真人財務官は24日朝、日本の為替政策に対する影響について「断言できるが全くない」と強調した。
株価指数先物主導で日経平均は180円近く上昇する場面もあった。ただ、円安のほかに日本株を買う材料には乏しいなかで、一方的に上値を追う展開にはならなかった。半導体関連では前引け時点でアドテストやレーザーテクが上昇した一方で、東エレクやディスコは下落した。
ただ、市場では「政府・日銀は為替介入に踏み切りにくくなっている」との見方も多い。円相場は1ドル=159円90銭台と約2カ月ぶりの安値を付け、輸出関連株の買いを誘った。ホンダやマツダ、SUBARUも上昇した。
為替は1ドル159円60銭台と円安ドル高は一服しているが、4月29日以来の160円台が間近に迫っている。米財務省による為替操作国の監視リスト入りしたことで、政府・日本銀行による円買い介入が実施しにくくなったとの声はある。朝方、神田財務官は「必要があればいつでも介入する準備はできている」と口先介入を実施。いったん円安ドル高は小休止といったところだが、午後、海外投資家による円売りが再度強まる可能性はあろう。前場時点では、輸出関連銘柄の追い風とはなっているが、ドルが160円台に到達した際、介入による為替及び株の乱高下を嫌気した売りが入る可能性はある。後場の東京株式市場は静かな推移を想定するが、為替動向には注視したい。
東証株価指数(TOPIX)は反発した。前引けは7.00ポイント(0.26%)高の2731.69だった。JPXプライム150指数は続伸で前場を終えた。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆5834億円、売買高は6億2321万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は885、値下がりは688、横ばいは72だった。
業種別株価指数(33業種)は輸送用機器、医薬品、精密機器、陸運業などが上昇した。下落はゴム製品、非鉄金属など。
個別では、売買代金トップのレーザーテックが高く、アドバンテストも買い優勢。ソフトバンクグループ(SBG)、キッコマン、オリンパス、中外薬、NTTデータが上昇し、トヨタ自動車も堅調。三菱UFJフィナンシャル・グループがしっかり、川崎重工業も値を上げた。ビジョンが値を飛ばし、トリケミカル研究所も買われた。
半面、ディスコが軟調、ルネサスエレクトロニクスも安い。メルカリが売られ、リクルートホールディングスも利食い優勢、ダイキン、日東電工、富士フイルムが下落した。U-NEXT HOLDINGSが大幅安、KADOKAWA、エンビプロ・ホールディングスも大きく水準を切り下げている。
