9日 米国▪︎欧州株式概況

〔米株式〕ダウ、イラン情勢巡り乱高下=一時900ドル安迫る

9日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反発し、終値は前週末比239ドル25セント高の4万7740ドル80セントだった。

トランプ米大統領が米国とイスラエルによるイランへの攻撃が早期に終結する可能性に言及し、主力株を買い直す動きが広がった。上げ幅は300ドル超となる場面があった。

米国とイスラエルによるイラン攻撃が長期化するとの見方から、原油先物相場の国際指標である米国産標準油種WTIは8日の時間外取引で1バレル=119ドルを突破し、3年9カ月ぶりの高値を付けた。9日の株式市場ではインフレ再燃や業績悪化への懸念が台頭し、金融など幅広い銘柄の売りが膨らんだ。
ところがトランプ氏が同日、米CBSテレビのインタビューで、「戦争はほぼ終わったと思う」と宣言。同氏の発言をきっかけに、原油相場は時間外取引で一時81台まで急落、1日の変動幅は38ドルを超えた。

前週末発表の2月の米雇用統計が労働市場の減速感を示したことと併せ、市場では景気の停滞と物価高が併存するスタグフレーションへの懸念が広がっていた。

「恐怖指数」とも呼ばれる米株の変動性指数(VIX)は一時前週末比19%高の35台まで上げたあと、25台で推移している。市場では、「投資家はリスクへの懸念に注目するよりも、押し目買いを狙っているうえ、相場上昇に乗り遅れないようにしている」との声が聞かれた。朝方の主力株への売りが一巡すると、ダウ平均は次第に下げ幅を縮めていた。

個別銘柄では、キャタピラーやエヌビディア、アムジェンが高かった。アメリカン・エキスプレスやシャーウィン・ウィリアムズも買われた。半面、シスコシステムズやボーイング、セールスフォースやホーム・デポが売られた。

ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発した。終値は前週末比308.267ポイント(1.37%)高の2万2695.946(速報値)だった。アルファベットやマイクロン・テクノロジーの上げが目立った。

〔ロンドン株9日 続落〕

9日の英FTSE100種総合株価指数は3日続落した。終値は前週末比35.23ポイント(0.34%)安の1万0249.52と、1月下旬以来の安値となった。
原油価格の高騰を背景にインフレ懸念が強まる中、投資家のリスク回避姿勢から株式市場は低調だった。

英国時間9日未明にかけて原油先物が上昇の勢いを一段と強めた。エネルギー価格の上昇で、英景気の減速にもかかわらず物価は下がりにくい状況に陥るとの懸念が強く、投資家心理の重荷となった。原油先物相場の上昇に一服感が出ると、FTSE100種指数も徐々に下げ幅を縮小した。

2月末にかけてFTSE100種指数が最高値圏で推移していたため、利益確定の売りも活発だった。鉱業株や消費、不動産関連の銘柄に売りが優勢だった。他方、英シェルなど石油株、防衛大手の英BAEシステムズが上げた。

〔ドイツ株9日 続落〕

9日のドイツ株価指数(DAX)は3日続落した。前週末比181.66ポイント(0.77%)安の2万3409.37と2025年11月下旬以来、およそ3カ月半ぶりの安値で終えた。

欧州は液化天然ガス(LNG)と石油の輸入に大きく依存しており、供給ショックの影響を受けやすく、経済成長へのリスクとなっている。一方、イランで新たに最高指導者としてモジダバ・ハメネイ師が選出されたことで、紛争長期化への懸念が広がったことも、下押し圧力となった。

中東情勢の悪化を背景とした原油や天然ガスの価格上昇への警戒感が強い。エネルギー高をきっかけに物価上昇の圧力が強まれば、欧州景気の回復を妨げるとの見方が投資家心理を冷やした。ドイツ長期金利が上昇(債券価格は下落)する場面があったのも、株価の重荷となった。

自動車・自動車部品や、スポーツ用品大手アディダスなど消費関連に売りが出た。不動産大手ボノビアのほか、化学大手BASFなど素材関連、金融株が下げた。一方で防衛大手の独ラインメタル、医薬・農薬大手の独バイエルなどヘルスケア関連の一角が上昇した。

欧州株式市場でフランスの株価指数CAC40は3日続落した。前週末比0.97%安の7915.36と、25年9月末以来、約5カ月ぶりの安値で終えた。

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