5日午前の日経平均株価は反発し、前日比87円26銭(0.34%)高の2万5804円12銭で終えた。
きょう前場は主力ハイテク株をはじめ広範囲に買い戻される展開となり、日経平均はリバウンドに転じた。今年に入って欧州株が総じて上昇基調を強めているほか、前日の米国株市場も景気敏感株などが堅調でNYダウを押し上げており、これを受けて東京株式市場でもリスクを取る動きが強まった。ただ、日経平均2万6000円近辺は戻り売り圧力も意識され、一時200円以上の上昇をみせたものの前場取引後半は漸次伸び悩む展開を強いられた。
4日に発表されたフランスの2022年12月の消費者物価指数(CPI)は市場予想を下回る伸びとなった。3日発表のドイツのCPIも伸びが鈍化しており、当局の金融引き締めスタンスが軟化するとの期待が高まった。欧米市場では金利が低下し、株価が上昇。日本株はこの流れを引き継ぎ、半導体関連株などのグロース(成長)株が大きく上げた。
市場では「日経平均で2万6000円割れの水準は割安感がある。円相場が1ドル=132円台まで円安・ドル高になったことも株価を下支えした」との声が聞かれた。
一方で、前日に上げていた銀行株や保険株が下げるなどバリュー(割安)株は軟調なものが目立った。東証株価指数(TOPIX)は小幅に下落した。
日経平均は反発しているものの、下向きの5日移動平均線すらも回復できておらず、25日線からの下方乖離率は5.5%と依然として大幅な水準だ。自律反発の域を出ておらず、心理的な節目の2万6000円も回復できていない現状では、騰勢の弱さは否めない。また、為替の円高進行が一服し、前日の東京時間と比べて1円程度、円安に傾いている支援要因があった上でのこの上昇幅であることを踏まえると、軟弱さが鮮明だろう。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆3839億円、売買高は5億8827万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は602。値下がりは1143銘柄、変わらずは93銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)はガラス・土石製品、電気機器などが上昇した。下落は保険業、陸運業、空運業、建設業など。
個別では、断トツの売買代金をこなしたレーザーテックが高く、東京エレクトロンが3.8%高と大きく買われるなど半導体製造装置関連が物色人気。リクルート、日電産、村田製も買われた。ソフトバンクグループ、ファーストリテイリングが上昇し、メルカリも値を上げた。テスホールディングス、マルマエが値を飛ばした。低位株ではJPホールディングスの上げが目立つ。
半面、三井住友フィナンシャルグループ、T&D、りそなHDが冴えず、エーザイも売られた。三菱重工業も売りに押された。円谷フィールズホールディングス、東光高岳が大幅安、ジェイテックコーポレーションも利食われた。
