77円高と続伸、原油安や円安が支え

15日午前の日経平均株価は続伸し、前引けは前日比77円26銭高の2万5385円11銭だった。
朝方に日経平均が安く始まったものの、その後は押し目買いが優勢となりプラス圏に切り返す展開となった。
原油先物相場の下落や円安進行が支えとなった。上げ幅は一時100円を超えたが、指数寄与度の大きい銘柄の一角に売りが出て日経平均は下げる場面も目立った。
 
米国株市場ではナスダック総合株価指数の下げが目立っている。前日はNYダウがわずかにプラス圏で引けたが、ナスダック指数は2%超の下げとなり、東京株式市場でも主力ハイテク株に逆風が意識された。しかし、外国為替市場で急速に円安が進んでおり、これが自動車株やハイテク株にプラスに作用した。ウクライナ情勢の不透明感が強まるなか上値も重く、日経平均は2万5000円台前半で売り買いを交錯させている。
 
日本時間15日午前の米市場で原油先物相場が下落して再び1バレル100ドルを割り込んだ。原油高を背景に最近強まっていた企業収益や家計の圧迫懸念が後退して、投資家心理を強気に傾けた。
 
外国為替市場で円相場が約5年ぶりに1ドル=118円台で推移しているのも支援材料となった。輸出採算の改善につながるとみて自動車株をはじめとした輸出関連株に買いが入った。
 
一方、15~16日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて米連邦準備理事会(FRB)の利上げペースに注目が集まる中、積極的に上値を追う雰囲気は乏しかった。市場では中国で新型コロナウイルスの感染が急拡大していることが関連銘柄の重荷になっているとの見方もあった。ファストリとソフトバンクグループはそれぞれ大幅安となり、2銘柄で日経平均を120円超押し下げた。
 
市場からは「米株先物は上値が重く、香港ハンセン指数が続落するなどアジア株が安いなか、しぶとい動きをみせている。一部ファンドなど中・長期資金が入っているのではないか」との声が聞かれた。
 
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)は続伸した。
 
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆4534億円、売買高は6億92万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1655と、全体の7割超を占めた。値下がりは443銘柄、変わらずは79銘柄だった。
 


業種別株価指数(33業種)は保険業、輸送用機器、食料品などが上昇。下落は鉱業、非鉄金属、石油・石炭製品など。
 
個別では、レーザーテックが買われたほか、東京エレクトロンもしっかり。信越化学工業、デンソー、ミネベア、東京海上、SOMPOが高く、ソニーグループも買いが優勢だった。日産自、SUBARU、リクルートホールディングスも上昇した。ダイヤモンドエレクトリックホールディングスが値を飛ばし、マネジメントソリューションズも大幅高に買われた。
 
半面、日本郵船、商船三井などが軟調で、ソフトバンクグループも下値模索が続いている。ファーストリテイリングが大幅安、任天堂も売りに押された。原油安を受けてINPEXや出光興産が下落。住友金属鉱山が安く、大平洋金属は値下がり率トップに売り込まれた。大阪チタニウムテクノロジーズ、東邦チタニウムなどの下げも目立った。
 
 
東証2部株価指数は前日比7.08ポイント高の7009.99ポイントと5日続伸した。
出来高は4875万株。値上がり銘柄数は207、値下がり銘柄数は148となった。
 
個別では、川崎近海汽船、ベリテが昨年来高値を更新。アップルインターナショナル、カーチスホールディングス、フュートレック、セキド、Abalanceが買われた。
 
 一方、STIフードホールディングス、マルヨシセンターが昨年来安値を更新。ストリーム、千代田化工建設、ソケッツ、SDSホールディングス、内海造船が売られた。
 

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