15日のNYダウ工業株30種平均は続落し、前日比764ドル13セント(2.2%)安の3万3202ドル22セントで終えた。下げ幅は9月中旬以来3カ月ぶりの大きさ。
米連邦準備制度理事会(FRB)は14日、2023年末の政策金利見通しを9月時点の予想から引き上げたほか、パウエルFRB議長も利上げを継続する姿勢を強調。市場では、予想よりも長期間の利上げで景気後退につながるとの懸念が広がった。
また、朝方発表された11月の小売売上高は前月比0.6%減少と、市場予想を下回ったほか、11月の鉱工業生産は市場予想に反して前月比0.2%低下。米フィラデルフィア連銀製造業景況指数は前月から上昇したものの、市場予想を下回った。
FRBのタカ派姿勢に加え、足元の経済指標悪化が嫌気される中、ダウは朝方から急落し、終日軟調な展開が続いた。景気敏感株やハイテク株など幅広い銘柄に売りが強まった。ダウ平均の下げ幅は一時900ドルを超えた。
米機関投資家が運用の参考指標にするS&P500種株価指数が目先の下値支持線とされてきた3900を下回り、投資家心理を冷やしたとの見方もあった。
景気悪化で個人消費の冷え込みが懸念され、映画・娯楽のウォルト・ディズニーが4%下げた。化学のダウや工業製品・事務用品のスリーエム(3M)など景気敏感株が総じて売られた。スマートフォンのアップルが4%強下落するなど、主力ハイテク株の下げも目立った。
ナスダック総合株価指数も続落し、前日比360.360ポイント(3.2%)安の1万0810.526で終えた。交流サイトのメタプラットフォームズやネット検索のアルファベット、半導体のエヌビディアなど主力銘柄が大幅安となった。
【シカゴ日本株先物概況】
15日のシカゴ日経平均先物は続落した。2023年3月物は前日比285円安の2万7605円で引けた。
米利上げの長期化が懸念される中、低調な経済指標が圧迫要因となり、大幅続落した。景気懸念を背景に、同日の米株式相場が大幅に下落し、日経平均先物にも売りが広がった。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
27605 ( -355 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
27630 ( -330 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7426.17(-69.76)
15日のFTSE100種総合株価指数は続落した。前日に比べ69.76ポイント(0.93%)安の7426.17で引けた。英イングランド銀行(中央銀行)や欧州中央銀行(ECB)が同日、0.5%の利上げを発表した。金融引き締めが世界的な景気不安を高めるなか、幅広い銘柄に売りが出た。指数構成銘柄の8割強が下落。
個別では、オンライン食品販売オカド・グループが4.2%安と下落率が最も大きく、医療機器大手スミス・アンド・ネフューが3.8%安、不動産大手セグロと食品・衣類販売大手アソシエイテッド・ブリティッシュ・フーズが3.5%安、金融大手バークレイズが3.2%安で続いた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13986.23(-473.97)
15日のドイツ株価指数(DAX)は大幅に続落し、前日に比べ473.97ポイント(3.28%)安の1万3986.23で終えた。欧州中央銀行(ECB)が積極的な金融引き締めを続けるタカ派的な方針を示したのを嫌気した売りが広がった。指数の構成銘柄すべてが下落した。
DAXは全面安の展開となり、通販大手ザランドは7.7%安、郵便・物流大手ドイツポストは7.3%安、医療機器のシーメンス・ヘルシニアーズは5.6%安で取引を終えた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6522.77(-208.02)
フランスCAC40種指数は3.09%安だった。景気悪化懸念を背景に、株式などリスク資産を売る動きが広がった。
