74円高、米ハイテク株高好感

 
14日午前の日経平均株価は続伸し、前日比74円49銭(0.23%)高の3万2493円82銭で前場を終えた。
米6月卸売物価指数(PPI)の上昇率が予想を下回り、米金融引き締めの長期化懸念が後退したことが好感され前日のNYダウは上昇した。ナスダック総合株価指数は4日続伸し、2022年4月以来の高値を付けた。
これを受け、東京株式市場も買い先行となり、日経平均株価は朝方に一時300円超の上昇となった。ただ、その後は利益確定売りで値を下げ、マイナス圏に転落する場面があった。日銀の政策修正観測を背景に外国為替市場で円高・ドル安が進み、海外短期筋から株価指数先物に断続的な売りが出た。
 
しかし、前場の引けにかけ再び買い意欲が強まりプラス圏に値を戻した。
今後本格化する主要企業の決算発表を控え、「企業の業績拡大期待が強まっている」との見方があり、株買いを促すとして意識されている面もある。
 
本日は7月限オプション取引の特別清算指数(SQ)算出日であり、前日からの値幅を伴った急激な変動はSQに絡んだ売買が影響していた可能性が高い。実際、前日は日経平均の上昇幅に比して、東証プライム市場の売買代金は3兆2829億円と5月以降の動向と比べると低水準にとどまった。オプションなどデリバティブ取引が主体の上げ相場だったと推察される。本日の高寄り後の失速ぶりも同様の背景と思われる。
 
ドル円は75日移動平均線が位置する138円をあっさりと割り込んできた。これにより、今月27-28日に開催される日銀金融政策決定会合で政策の現状維持が確認されるまでは、ドル安・円高のトレンドがじわじわと続く可能性が高まってきた。
 
7月下旬からは4-6月期決算の発表が始まる。多くの輸出企業が想定為替レートとして1ドル=125-135円を設定しているなか、現状の水準であればまだ為替の恩恵は期待できるが、円安による業績上振れ期待はドル円が145円まで上昇した6月下旬ころからは後退せざるを得ない。引き続き、米金利の上昇一服がプラス効果として働き、かつ景気・為替との連動性の低い内需系グロース(成長)セクターへの投資が魅力的と考える。
 

 

 


東証株価指数(TOPIX)は2.13ポイント安の2240.86で午前の取引を終えた。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆1779億円、売買高は7億3328万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は523と、全体の約3割にとどまった。値下がりは1229銘柄、変わらずは82銘柄だった。JPXプライム150指数は続伸し、前引け時点で0.38ポイント(0.04%)高の1025.28だった。
 
業種別株価指数(33業種)は海運業、その他金融業、金属製品などが上昇。下落は電気・ガス業、小売業、保険業など。
 
個別銘柄では、日経平均への寄与度が高い東エレク、レーザーテック、アドバンテストが上昇した。ソシオネクスト、ディスコといった半導体関連株が高く、日本郵船や川崎汽船といった大手海運株もしっかり。リクルートホールディングスやエーザイ、オリエンタルランドが値を上げた。
 
半面、ソフトバンクグループが安く、ファーストリテイリングやセブン&アイ・ホールディングスなど小売り株の一角が下げた。ソニーグループも値を下げた。
決算が嫌気されたフィルカンパニー、ラクトジャパン、不二越が大幅安となり、松屋は好決算ながらも出尽くし感から大きく売られた。ほか、為替の円高を背景に日産自、マツダ、スズキなど自動車が軟調だった。

 

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