70円安と続落、円高進行で朝安後は下げ渋る

 
24日午前の日経平均株価は続落し、前引けは前日比70円89銭(0.26%)安の2万7348円72銭だった。
 
日経平均株価は軟調。上値では利益確定売りが出ているほか、外国為替市場では円相場が1ドル=130円台と円高・ドル安傾向が続いており警戒された。下げ幅は一時160円を超えたが、値がさハイテク株の一角が堅調に推移したことから下値を探る動きは続かず、朝安後は次第に下げ渋った。
週末ということもあり積極的な売買は手控えられているが、下値は底堅く売り一巡後は下げ幅は縮小した。銀行や不動産、非鉄株などが安い一方、期末の配当取りで海運が高い。
 
日経平均が200日移動平均(2万7363円、23日時点)を下回る水準では、割安感のある銘柄を中心に押し目買いも入った。前日の米株式市場でハイテク株が堅調だった流れを受けて、東エレクやアドテストといった値がさの半導体関連株が上昇し、相場を下支えした。
 
期末に向けた配当狙いの買いも支援材料で、個人投資家に加えて地方金融機関の物色が活発との見方があった。
 
UBSによるクレディ・スイスの買収救済劇の際に無価値となって波紋を呼んだAT1債については、利回りが急上昇しており、償還ハードルが高まっているとの指摘もある。欧州市場では6月、9月にまとまった償還が予定されており、今後も折に触れて金融不安が再燃する可能性はありそうだ。
 
また、10日時点での裁定取引に係る現物ポジションの買い残は1兆4587億円と昨年8月半ば以来の水準で、直近3年の中では最も高い水準にまで及んでいた。昨日発表された17日時点の状況をみても、裁定買い残は1兆2286億円と引き続き高水準にある。積み上がった裁定買い残の解消圧力も引き続き上値抑制要因として働きそうだ。
 
 


東証株価指数(TOPIX)は続落した。午前終値は前日比3.51ポイント(0.18%)安の1953.81だった。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆2879億円、売買高は5億548万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1024、値上がりは714、変わらずは98だった。
 
 
業種別株価指数(33業種)では鉱業、その他金融業、保険業などが下落。海運業、石油・石炭製品、パルプ・紙などは上昇した。
 
 
個別では、根強い金融不安を背景に米国市場と同様、三菱UFJ、りそなHDや千葉銀の銀行、東京海上、T&DHDの保険、三井不動産、住友不動産の不動産が総じて下落。景気後退懸念もくすぶり、日本製鉄、INPEX、DOWA、三井物産など景気敏感株も軟調。テルモ、NTN、コニカミノルタ、ラクス、マネーフォワード、Appier、ルネサス、ファナック、ロームなども冴えない。
 
 一方、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)の大幅反発を追い風に東エレク、スクリン、SUMCOのほか、イビデン、新光電工、三井ハイテックなど関連株が大きく上昇。日本産業パートナーズなどの連合による買収提案を受け入れると発表した東芝はTOB価格にサヤ寄せする形で大幅高。川崎汽、関西電、小田急が高い。ほか、中期経営計画を発表したコスモエネHD、東洋建設、業績上方修正と増配を発表したフジHD、自社サービスChatGPTを連携させたリブセンスなどが急伸。業績上方修正と増配を発表した西武HDも高い。

 

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