22日午前の日経平均株価は続伸し、前引けは前日比67円33銭(0.24%)高の2万7870円33銭だった。東証株価指数(TOPIX)は4.15ポイント高の1950.59と3日続伸した。
前日の米株式市場は、NYダウが162ドル高と3日続伸。米長期金利が低下したことに加え、堅調な業績を発表する企業が増えたことが好感された。ただ、東京株式市場では日経平均株価が寄り付きはマイナス圏でスタートした。前日まで6日連続高となっていただけに主力銘柄の一部に利益確定や戻り待ちの売りが出た。一時下落幅は100円を超えた。
直近6営業日で1400円ほど上昇しており、前日に欧州中央銀行(ECB)が利上げしたため、各国・地域の中央銀行による金融引き締めの加速に対する警戒感もあった。
21日に2023年3月期(今期)の連結業績見通しを上方修正した郵船、商船三井、川崎汽が大幅高となった。米市場で主要な半導体関連株で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が上昇し、東京株式市場でも半導体関連株の一角が買われた。
「本格化した日米の22年4~6月期決算はまずまずの内容で、先行きに対し強気に見る投資家が増えていることが足元の株価の強さになっている」と見ていた。
日経平均は先週から負けなしの7日続伸で、本日は節目の2万8000円も視野に入るような動きも見られた。今週は総じて強い動きが続いているが、今日も寄り付き直後から切り返すとほぼ一本調子で上げ幅を広げてきている。日足チャートでは、20日の窓アケを伴った急伸から3本連続で陽線を引き、上値と下値を同時に切り上げる「赤三兵」を示現。200日移動平均線上での推移も3日目となり、基調の転換を窺わせるかのようなチャートに見える。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆3025億円、売買高は4億6068万株だった。東証プライム市場の値上がり銘柄数は890。値下がりは831、変わらずは116だった。
業種別株価指数(全33業種)では海運業、その他製品、サービス業などが上昇した。下落は電気・ガス業、保険業、石油・石炭製品など。
個別では、京セラ、キーエンスが大きく上昇し、東エレク、アドテストも買われた。リクルートHD、ベイカレント、富士通、ルネサス、SMCなどが高い。カプコン、バンナムHD、スクエニHDなどゲーム関連も総じて強い。原油先物価格が下落するなかニトリHDが大幅高。業績予想を揃って大幅に上方修正した郵船、商船三井、川崎汽船は急伸。事前の観測報道を上回る決算となったオービック、堅調な決算と合わせて中間配当の増配を発表したディスコも買われている。
一方、日本電産が前日に続き大きく下落。電気代が燃料費転嫁の制度上限に達するとの報道を警戒し、東京電力HDが大幅安となっており、レノバなど他の電気・ガスセクターの銘柄も連れ安している。資源価格や米長期金利の下落を受けて、石油資源開発、大阪チタ、住友鉱などの資源関連や、東京海上、第一生命HDの保険株が軟調。国内の新型コロナ感染再拡大により、JR東、JALなどの旅行関連も安い。信越化、第一三共も売られた。
