27日午前の日経平均株価は続落し、前日比66円52銭(0.23%)安の2万8349円95銭で前場を終えた。
朝方から広範囲に売りがかさむ展開となり、日経平均は前日に続き下値を探る動きとなった。ただ、大きく売り込むような動きも見られず、前場後半は徐々に下げ幅を縮小する展開となっている。前日の米国株市場でNYダウが200ドルあまりの下げで続落となったが、大手IT株が買われナスダック総合株価指数が高く引けたことで、不安心理はやや後退している。東京株式市場では半導体関連の主力株への売りが目立っており全体の地合いを悪くしているが、一方でメガバンクなどが下げ止まったことで、リスク回避ムードがやや緩和されている面もあるようだ。
米国市場の取引終了後に発表されたメタ・プラットフォームズの決算では、第1四半期の売上高と一株当たり利益、また第2四半期の売上高見通しが全て市場予想を上回り、時間外取引で株価は急伸した。マイクロソフト、アルファベットに続き、これでGAFAM決算は今のところ3戦3勝だ。景気後退懸念の強まりに伴い、金利先高観が後退していることもあり、今回の決算シーズンを挟んでIT関連銘柄への選好度合いがさらに強まる可能性がありそうだ。
ただ、27日に決算を予定しているアマゾン・ドット・コムは、クラウド部門の人員削減を開始したと伝わっている。同社はクラウド部門で大半の利益を稼いでいるが、景況感悪化に伴う顧客の費用削減の動きが強まっているようだ。今晩のアマゾンの決算にはやや注意したい。
東証株価指数(TOPIX)は小幅に反発した。前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆1691億円、売買高は4億6072万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は716と、全体の約4割にとどまった。値上がりは1003、変わらずは115銘柄だった。
個別ではレーザーテックが下げ止まらず、前日に決算発表した半導体検査装置のアドバンテストは大幅安で値下がり率トップとなった。東京エレクトロンや信越化も冴えない展開。野村ホールディングスが大きく値を下げ、ANAホールディングスも軟調。JR東日本も売りが優勢。
半面、ソニーグループが頑強な値動きをみせ、キヤノンも買われた。シマノも反発。いなげや、山洋電気が値を飛ばし、東海理化電機製作所、フィード・ワンも大幅高。前日決算発表した日東電やファナックが買われた。
