651円高と史上最高値を一時上回る 半導体関連がけん引

22日午前の日経平均株価は反発し、午前終値は前日比651円68銭(1.70%)高の3万8913円84銭だった。10時過ぎには3万8924円88銭まで上昇し、1989年12月29日に付けた史上最高値(3万8915円87銭)を上回った。
 
朝方からリスク選好の地合いとなり、日経平均は3万8900円台に乗せ、1989年の大納会につけた3万8915円の史上最高値を上回る場面もあった。上回って前場の取引を終えた。前日の米国株市場では主要株価指数が高安まちまちだったが、取引終了後に発表された画像処理半導体大手のエヌビディアの決算が市場コンセンサスよりも大幅に強い内容で、同社株が時間外取引で急騰、これを受けて東京株式市場でも半導体セクターを中心に買いが広がった。ただ、値上がりは売買代金上位の銘柄に多く、プライム市場全体では上昇した銘柄数は6割強にとどまっている。
 
外国為替市場で円相場が1ドル=150円台と円安・ドル高基調で推移していることも輸出関連株の買いにつながった。
 
米エヌビディアが米東部時間21日夕に発表した2023年11月〜24年1月期の売上高は前年同期比3.7倍の221億300万ドルと過去最高を更新し、市場予想を大幅に上回った。24年2〜4月期予想も市場予想以上となった。生成AI(人工知能)向け半導体の需要急増が続いていることが明らかになり、22日の東京市場でも半導体関連株に買いが集まった。東エレクやアドテスト、スクリンなどが大幅高となった。
 
東京証券取引所が打ち出した低PBR(株価純資産倍率)企業の改革に端を発する企業統治(ガバナンス)改善や稼ぐ力の向上、インフレ型経済への移行の期待などから海外投資家の間で日本株を見直す動きが広がっている。2023年の日経平均は年間で28%上昇。24年に入ってからも騰勢を強め、22日前場までに16%上昇したが、相場の先高観は根強い。
22日、史上最高値を一時上回ったことを受け「企業業績の改善に沿ったものであり割高感があるとは言えない」とのコメントを発表。「海外の年金や政府系ファンドなど、長期で買い持ちをする投資家の日本株買いに本気度を感じる」という。
 
 
後場の最大の注目は、終値ベースでの史上最高値更新になるかだ。取引時間ベースの史上最高値3万8957円44銭を上回ることも重要だが、「一時上回った」ではなく、終値ベースでしっかり更新することが重要である。ランチタイムの先物市場では、225先物に断続的な買いが入っており既に3万9000円に乗せている。連休や達成感などが意識されて利益確定売りが入りやすい水準ではあるが、先高感の強さを背景に、日経平均は後場一段高で3万9000円台乗せを試す展開となりそうだ。

 
 


 
 
東証株価指数(TOPIX)は反発した。前引けは28.94ポイント(1.10%)高の2656.24だった。JPXプライム150指数も反発し、12.98ポイント(1.12%)高の1174.67で前場を終えた。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆7672億円、売買高は8億2940万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1037。値下がりは553、横ばいは67だった。
 
業種別株価指数(33業種)では輸送用機器、電気機器、機械の上昇が目立った。下落は医薬品、サービス業、ゴム製品。
 
個別では、レーザーテック、東京エレクトロン、アドバンテスト、SCREENホールディングスなど半導体製造装置関連が売買代金上位を独占し、いずれも大きく株価水準を切り上げている。ファストリやソフトバンクグループ(SBG)が高い。三菱商、日立、安川電、トヨタ、ホンダ、デンソーが上昇した。八洲電機が急騰、TOWA、野村マイクロ・サイエンスも値を飛ばしている。
 
半面、中外製薬が大幅安、アステラスも安い。リクルートホールディングスも冴えない。このほかファナックやニコン、KDDIが下落した。グリーが急落、イトーキの下げも目立つ。

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