市場では、一連の経済指標を受け「米景気が軟化している」との見方が広がった。企業収益に悪影響が及ぶとの懸念が意識され、景気敏感株や消費関連株に売りが出やすかった。ダウ平均の構成銘柄ではボーイングやウォルト・ディズニー、キャタピラーが下げた。
ダウ平均は午前に下げ幅が300ドルを超える場面があったものの、主力株への売りが一巡した後は下げ幅を縮めた。インフレ圧力が弱まっているとの見方から、FRBが9月に利下げに動くとの観測が広がった。利下げが景気を支えると期待され、主力株への売りの勢いは限られた。米長期金利が低下し、株式の相対的な割高感が薄れたのも米株相場を支えた。
セールスフォースやアマゾン・ドット・コム、インテルが下落した。半面、JPモルガン・チェースやユナイテッドヘルス・グループ、プロクター・アンド・ギャンブルは上昇した。
アップルは0.5%高で終えた。時価総額は終値でマイクロソフトを上回り、米国市場で首位となった。
ナスダック総合株価指数は4日続伸した。前日比59.124ポイント(0.33%)高の1万7667.560で終え、連日で最高値を更新した。エヌビディアやブロードコムといった半導体株が上昇した。テスラも買われた。13日に開く株主総会で、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)の巨額報酬案が承認されるとの観測が支えとなった。
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経225先物 9月限 (ドル建て)
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
13日のFTSE100種総合株価指数は反落し、前日比51.81ポイント(0.63%)安の8163.67で終えた。前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を受け、米国での利下げ開始時期が遅れる可能性が意識されたのは、投資家心理の重荷だった。
英バークレイズなど銀行株が下げ、指数を下押しした。建機・産業機器レンタルのアシュテッド・グループなど資本財関連の銘柄に売りが優勢だったほか、エネルギー株も下げた。
FTSEの構成銘柄では、資産運用大手インターメディエイト・キャピタル・グループが5.36%安、建機レンタルのアシュテッド・グループが4.58%安、住宅大手パーシモンが3.81%安と下げを主導。一方、市場予想を上回る好決算を発表した医療・安全装置メーカーのハルマが13.36%高と急騰したほか、通信大手BTは4.33%高、水道大手セバーントレントも4.18%高と買われた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 18265.68(-365.18)
13日のドイツ株価指数(DAX)は反落し、前日比365.18ポイント(1.96%)安の1万8265.68で終えた。終値として5月上旬以来、約1カ月ぶりの安値となる。自動車株に売りが膨らんだ。米利下げに対する過度な期待が後退したのも、重荷となった。DAXを構成する40銘柄すべてが下落した。
個別では、自動車大手フォルクスワーゲン(VW)グループの持ち株会社ポルシェSEが5.83%安、総合電機大手シーメンスが4.08%安、通販大手ザランドが3.68%安。自動車部品大手コンチネンタルとVWもそれぞれ3.58%安、3.47%安と売られるなど、全面安の展開となった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7708.02(-156.68)
フランスの主要な株価指数であるCAC40も反落し、前日比1.99%安で終えた。終値は7708.02と2月中旬以来、約4カ月ぶりの低水準だった。
米連邦準備制度理事会(FRB)が前日公表した最新の政策金利見通しで、年内の利下げ回数の想定が1回に減ったことも株価を下押しした。
