65ドル安と3日続落、ナスダックは4日連続最高値

13日のNYダウ工業株30種平均は3日続落し、前日比65ドル11セント(0.16%)安の3万8647ドル10セントで終えた。
 
13日発表の米物価指標がインフレの鈍化を示した。米連邦準備理事会(FRB)が早期に利下げに転じるとの期待が高まった半面、米経済の減速も意識され、景気敏感株などに売りが出た。
 
前日までの金融政策決定会合後にFRBが発表した会合参加者による政策金利見通しでは、年内の利下げ想定回数が1回と、3月時点の3回から下方修正された。予想以上に金融引き締めが長引くとの観測から、ダウの下げ幅は一時300ドルを超えた。
ただ、米労働省が朝方公表した経済指標がインフレ鈍化を示唆する内容だったことから、金融引き締め長期化に対する過度な警戒感が和らぎ、ダウの下げ幅は次第に縮小した。
13日発表の5月の米卸売物価指数(PPI)は前月比で0.2%下落し、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(0.1%上昇)に反してマイナスとなった。同日発表の週間の新規失業保険申請件数は市場予想を上回り、雇用の伸びが鈍化していることを示唆した。

市場では、一連の経済指標を受け「米景気が軟化している」との見方が広がった。企業収益に悪影響が及ぶとの懸念が意識され、景気敏感株や消費関連株に売りが出やすかった。ダウ平均の構成銘柄ではボーイングやウォルト・ディズニー、キャタピラーが下げた。

ダウ平均は午前に下げ幅が300ドルを超える場面があったものの、主力株への売りが一巡した後は下げ幅を縮めた。インフレ圧力が弱まっているとの見方から、FRBが9月に利下げに動くとの観測が広がった。利下げが景気を支えると期待され、主力株への売りの勢いは限られた。米長期金利が低下し、株式の相対的な割高感が薄れたのも米株相場を支えた。

セールスフォースやアマゾン・ドット・コム、インテルが下落した。半面、JPモルガン・チェースやユナイテッドヘルス・グループ、プロクター・アンド・ギャンブルは上昇した。

アップルは0.5%高で終えた。時価総額は終値でマイクロソフトを上回り、米国市場で首位となった。

ナスダック総合株価指数は4日続伸した。前日比59.124ポイント(0.33%)高の1万7667.560で終え、連日で最高値を更新した。エヌビディアやブロードコムといった半導体株が上昇した。テスラも買われた。13日に開く株主総会で、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)の巨額報酬案が承認されるとの観測が支えとなった。
 

S&P500種株価指数は4日続伸し、前日比12.71ポイント(0.23%)高の5433.74で終えた。4日連続で最高値を更新した。
 

 


【シカゴ日本株先物概況】
 

13日のシカゴ日経平均先物は下落した。6月物は前日比585円安の3万8585円で終えた。この日は日経平均株価と米ダウ工業株30種平均がともに下落し、シカゴ市場の先物も売りに押された。
 
シカゴ日経225先物 9月限 (円建て)
38580 ( -140 )


シカゴ日経225先物 9月限 (ドル建て)
38635 ( -85 )


( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】
 

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 8163.67(-51.81)

13日のFTSE100種総合株価指数は反落し、前日比51.81ポイント(0.63%)安の8163.67で終えた。前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を受け、米国での利下げ開始時期が遅れる可能性が意識されたのは、投資家心理の重荷だった。

英バークレイズなど銀行株が下げ、指数を下押しした。建機・産業機器レンタルのアシュテッド・グループなど資本財関連の銘柄に売りが優勢だったほか、エネルギー株も下げた。

FTSEの構成銘柄では、資産運用大手インターメディエイト・キャピタル・グループが5.36%安、建機レンタルのアシュテッド・グループが4.58%安、住宅大手パーシモンが3.81%安と下げを主導。一方、市場予想を上回る好決算を発表した医療・安全装置メーカーのハルマが13.36%高と急騰したほか、通信大手BTは4.33%高、水道大手セバーントレントも4.18%高と買われた。

 

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 18265.68(-365.18)

13日のドイツ株価指数(DAX)は反落し、前日比365.18ポイント(1.96%)安の1万8265.68で終えた。終値として5月上旬以来、約1カ月ぶりの安値となる。自動車株に売りが膨らんだ。米利下げに対する過度な期待が後退したのも、重荷となった。DAXを構成する40銘柄すべてが下落した。

個別では、自動車大手フォルクスワーゲン(VW)グループの持ち株会社ポルシェSEが5.83%安、総合電機大手シーメンスが4.08%安、通販大手ザランドが3.68%安。自動車部品大手コンチネンタルとVWもそれぞれ3.58%安、3.47%安と売られるなど、全面安の展開となった。

 

 

■フランス・パリ株価指数
CAC40 7708.02(-156.68)

フランスの主要な株価指数であるCAC40も反落し、前日比1.99%安で終えた。終値は7708.02と2月中旬以来、約4カ月ぶりの低水準だった。

米連邦準備制度理事会(FRB)が前日公表した最新の政策金利見通しで、年内の利下げ回数の想定が1回に減ったことも株価を下押しした。
 

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