17日午前の日経平均株価は反落し、前日比64円55銭(0.24%)安の2万7395円85銭だった。前日に相場が大幅に上昇した反動が出やすかったほか、ウクライナ情勢を巡る地政学リスクも重荷となった。
16日のNYダウは反落し、54ドル安となった。ロシアがウクライナ国境付近から軍の一部撤収や対話姿勢を強調する一方、各国が「軍の増強を継続している」と指摘し、ウクライナ情勢を巡る懸念から下げ幅を340ドルあまりに広げる場面があった。ただ、1月25~26日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が懸念されたほどタカ派的ではないと受け止められ、引けにかけて買い戻しが入った。
日経平均は28円安からスタートした。寄り付き後、ウクライナ情勢を見極めたいとの思惑などからマイナス圏でもみ合う展開が続いた。下げ幅は一時150円を超えた。トヨタをはじめとした自動車株に加えて、銀行株や保険株などの一角が軟調に推移した。
ウクライナ情勢を巡っては米国と欧州はロシアに対する警戒感を緩めておらず、北大西洋条約機構(NATO)は16日に欧州東部の防衛力と抑止力の強化で合意した。16日の東京市場ではいったん過度な警戒感が後退して相場をけん引したものの、「ウクライナ問題の解決に向けた明確な進展がみられない限りは、相場の重荷になり続ける」との声は多い。
一方で下値は堅かった。前日公表の1月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨では一段と金融引き締めに積極的なタカ派寄りの内容は確認できず、投資家の警戒感が和らいだことが支えになった。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)は反落した。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆3180億円、売買高は5億1852万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1260、値上がりは777、変わらずは143だった。
業種別株価指数(33業種)は倉庫・運輸関連業、サービス業、輸送用機器などが下落。上昇は鉱業、空運業、海運業など。
個別では、キーエンスやベイカレントが4%超、リクルートHDが5%の下落。米10年物国債利回りが2%台を維持しており、値がさグロース(成長)株の一角で軟調ぶりが目立つ。その他では川崎船やソフトバンクGが小安く、トヨタ自はさえない。また、乾汽船や近鉄エクス、配当・株主優待権利落ちのあさひなどが東証1部下落率上位に顔を出している。
ジェイテクト、カシオやリクルートも売られた。
一方、売買代金トップの郵船は2%超上昇し、商船三井も堅調。1月の海上コンテナ輸送が好調だったと伝わっている。レーザーテックや東エレク、任天堂は小じっかり。日立は前日開催したスモールミーティングの内容が好感されて4%超の上昇。また、日本金属などが東証1部上昇率上位に顔を出している。神戸鋼、大平金、三菱商が買われた。
東証2部指数は前日比3.39ポイント安の7216.19ポイントと反落した。
出来高は5408万株。値上がり銘柄数は164、値下がり銘柄数は167となった。
個別ではSTIフードホールディングス、サイオス、テクノマセマティカル、児玉化学工業、AIメカテックなど7銘柄が昨年来安値を更新。ヒラノテクシード、青山財産ネットワークス、パシフィックネット、ユニバンス、MCJが売られた。
一方、加地テック、フレンドリーがストップ高。中国工業、リスクモンスター、宮入バルブ製作所、テラプローブ、ツインバード工業が買われた。
