21日の日経平均株価は続伸した。午前の終値は前週末終値比62円66銭高の2万2555円34銭だった。
前週末は米国の主要株価指数が下落したが東京株式市場への影響は限定的で、先物などに買いが入った。
今週から主要企業の4~9月期決算発表が本格化するのを前に、業績の底入れが確認できると期待した買いが引き続き優勢だった。
国内では23日の日電産を皮切りに、注目企業の決算発表が始まる。世界景気の低迷を背景に、通期業績の下方修正が相次ぐとの予想は多いものの、むしろ「最悪期は脱した」との受け止めから株高につながるとの期待が強く、投資家心理が強気に傾いている。海外ヘッジファンドなど短期筋による株価指数先物への継続的な買いも日経平均を押し上げた。
アジア株市場は高安まちまちで外国為替市場でもやや円高水準でもみ合っているものの、内需系の中小型株の物色意欲が根強く、全体相場を支えた。
日経平均が年初来高値を更新し、市場心理が一段と改善したことで「出遅れ感のある銘柄を探す動きが盛んになっている」という。
前週末に付けた年初来高値(2万2492円)を上回って推移するなか、2万2500円を超える水準では利益確定売りも出た。英議会下院は欧州連合(EU)と合意した新たな離脱案について、19日に予定していた採決を見送った。離脱を巡る不透明感は根強く、21日は大和ハウスやリクルートなど外部環境の影響を相対的に受けにくい内需株の物色も目立った。前週末の米株式相場の下落も一定の重荷となった。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)も上昇した。前引け時点の東証1部の売買代金は概算で7051億円、売買高は4億2551万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1467と、全体の7割近くを占めた。値下がり銘柄数は561、変わらずは126だった。
業種別株価指数(33業種)では、証券・商品先物取引業、建設業、パルプ・紙の上昇が目立った。下落は海運業、繊維製品、医薬品など。
個別では、トヨタ自動車がしっかり、大林組や鹿島、リクルートホールディングス、神戸物産が高い。キヤノンや富士フイルム、JFE、住友鉱も上昇した。ユー・エム・シー・エレクトロニクス、キャリアインデックスがストップ高、東京産業も値を飛ばした。
半面、ソフトバンクグループ(SBG)が冴えず、ファーストリテイリングも軟調。太陽誘電も売りに押された。ミサワが急落、スノーピークも大幅安。アプラスフィナンシャルも利食われた。
東証2部株価指数は前週末比34.40ポイント高の6798.45ポイントと反発した。
出来高6272万株。値上がり銘柄数は237、値下がり銘柄数は148となった。
個別では、アドテック プラズマ テクノロジー、扶桑電通がストップ高。アイケイは一時ストップ高と値を飛ばした。アールエイジ、広栄化学工業、℃&Gシステムズ、ユーピーアール、アルデプロなど7銘柄は年初来高値を更新。ウインテスト、アートスパークホールディングス、新内外綿、大丸エナウィン、FUJIKOHが買われた。
一方、日創プロニティ、東洋刃物、赤阪鐵工所、アルプス物流、アジア開発キャピタルなど6銘柄が年初来安値を更新。バナーズ、天昇電気工業、サイオス、ワシントンホテル、石井食品が売られた。
