11日午前の日経平均株価は続落し、前引けは前週末比62円80銭(0.19%)安の3万2544円04銭だった。
前週末の欧州株市場で主要国の株価が総じて堅調だったことや米国株市場でもNYダウがプラスで引けたことを受け、朝方は買い優勢でスタートした。しかし、その後はすぐに地合いは軟化し日経平均株価はマイナス圏に沈んだ。米国だけでなく国内でも長期金利が上昇傾向にあり、これを嫌気する形でハイテク系グロース株に売りがかさんだ。ただ一方で、銀行セクターが買われたことでTOPIXはプラス圏で引けている。
国内長期金利の上昇を受け、グロース(成長)株を中心に売りが出た。円相場が対ドルでやや強含んだことも相場全体の重荷になった。
日銀がマイナス金利政策の解除に向けて動き始めるとの思惑から、11日の国内債券市場で長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは0.700%と、2014年1月以来の高水準を付けた。株式市場では金利上昇が逆風になりやすい高PER(株価収益率)の銘柄を中心に売られた。値がさの半導体関連銘柄の下げが目立ち、前引け時点では東エレクやアドテストの2銘柄で日経平均を74円押し下げた。金利上昇を受けて不動産株も売られた一方、銀行株は堅調だった。
前週末の米株式市場で主要株価指数が上昇した流れを受け、朝方は反発で始まった。ただ、ほどなく下げに転じ、日経平均の下げ幅は200円に迫る場面があった。
今週は重要インフレ指標の発表が控えている。13日には米8月消費者物価指数(CPI)、14日には米8月小売売上高及び米8月生産者物価指数(PPI)、15日にはミシガン大学消費者信頼感指数が発表される。米雇用関連指標は、労働市場の逼迫緩和を示唆する結果となったが、CPIとPPIは全体では伸びの加速が予想されている。詳細は休日の「国内株式市場見通し」をご確認いただきたいが、兎にも角にも今週は米連邦準備制度理事会(FRB)が重要視するインフレ指標の結果を見極めたい動きが優勢となろう。
東証株価指数(TOPIX)は反発した。JPXプライム150指数は続落し、前引け時点で前週末比3.49ポイント(0.34%)安の1037.46だった。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆5967億円、売買高は6億6726万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は936と、全体の約半分だった。値上がりは835銘柄、横ばいは64銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)は不動産業、サービス業、機械、海運業などが下落。上昇は銀行業、保険業など。
個別では、レーザーテック、東京エレクトロン、アドバンテストなど半導体製造装置関連の主力銘柄が軟調。ルネサスやリクルート、三菱重、川崎汽船、大平金が売られた。三井不動産など不動産株も売りが優勢。gumiが急落、HEROZ、エイチームも大幅安。クミアイ化学工業の下げも目立つ。
半面、三菱UFJ、三井住友FGなどメガバンクが買われ、みずほFGは年初来高値を更新した。第一生命ホールディングスなど大手生保株も高い。ソフトバンクグループ(SBG)やシャープも買われた。日立製作所も堅調。フリービット、アイルがストップ高、JMDCも一時値幅制限いっぱいに買われた。
