616円高と続伸、日銀会合通過で買い戻し

 
1日午前の日経平均株価は続伸し、前日比616円77銭(2.00%)高の3万1475円62銭で前場を終えた。
 
きょう前場はリスクオフの巻き戻しで日経平均の上げ足が一気に強まった。日銀の金融政策決定会合を通過した前日後場からプライム市場は買い戻しの動きが優勢となっているが、欧米株高を受けてきょうはその流れが加速した。日経平均株価は先物主導で一時700円あまりの上昇で3万1500円台まで上値を伸ばす場面があった。
外国為替市場で急速に円安が進行したこともハイテクや自動車など輸出セクターを中心に追い風となっている。一方、国内の長期金利が約10年半ぶりとなる0.970%まで上昇、これを背景に銀行株などにも買いが入り全体相場を後押しした。
 
外国為替市場で1ドル=151円台まで円安・ドル高が進み、輸出関連株に採算改善を見込んだ買いが入った。米中が11月中旬の首脳会談開催で合意したと伝わったことも買い安心感につながった。日経平均の上げ幅は一時700円を超えた。
 
日銀が前日の金融政策決定会合で長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の再修正を決めた。ただ、微修正にとどまったうえ、財務省の為替介入が10月はなかったことが明らかになった。
 
市場の一部では今回の日銀会合で大幅な政策修正を見込む声もあった。それだけに「イベントを無難に通過し、売り持ち高を膨らませていた海外ヘッジファンドなどの短期筋が買い戻しを入れやすかった」という。
 
日銀が前日に公表した物価見通しで、生鮮食品を除いた消費者物価指数(CPI)上昇率は、25年度は1.7%だった。2%の物価安定目標の達成を見込んでおらず当面は日銀の金融緩和姿勢が続くとの見方が広がったことも投資家心理を強気に傾けた
 
警戒されていた日銀金融政策決定会合を通過したことで、買い安心感が強くなった。そのほか、決算発表も佳境となっており、本日は好業績及び好業績見通しを発表した企業中心に注目が集まっている。アジア市況では香港ハンセン指数や上海総合指数がともにプラス圏で推移している点もやや追い風となっている可能性があるだろう。

 
 


 
テクニカル面では、25日移動平均線が上値抵抗線として意識されているか。ただ、FOMC通過後のアク抜けの可能性も考えられるため、積極的には売り込みづらく、売り買いが交錯する展開も想定されそうだ。決算発表を終えた好業績及び好業績見通しを示した銘柄中心に個人投資家の物色意欲が続きそうだ。
 
東証株価指数(TOPIX)は48.41ポイント高の2302.13と続伸して午前の取引を終えた。JPXプライム150指数も続伸した。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆5320億円、売買高は9億7578万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1282と、全体の約8割を占めた。値下がりは344銘柄、変わらずは31銘柄だった。
 
業種別株価指数(33業種)は輸送用機器、証券・商品先物取引業、精密機器、電気機器などが上昇。下落は、水産・農林業。
 
 
個別ではレーザーテックが大商いで急伸、ファストリや東エレク、信越化が高い。トヨタ自動車やSUBARU、デンソーも活況高。三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクも高い。キーエンスが買われ、村田製作所、ファナック、TDK、ソニーGが買われた。
ワコムはストップ高カイ気配、スタンレー電気が急騰、三菱電機の上げも目立つ。日本電子も値を飛ばした。
 
半面、アドバンテスト,ソシオネクストが軟調、ディスコも冴えない。住友ファーマや日精工、日ハムが売られた。日本航空も売り優勢の展開。IDOMはストップ安ウリ気配となったほか、ISID、スミダコーポレーションなども急落した。

 

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