8日午前の日経平均株価は4日続伸し、前日比61円76銭(0.22%)高の2万8370円92銭で前場を終えた。上げ幅は一時120円を超えた。
朝方は小安く始まったものの、その後は先物主導でインデックス買いが入りプラス圏に浮上した。前日の米国株市場ではパウエルFRB議長の議会証言を受けてNYダウが急落したものの、東京株式市場にはリスクオフの流れが波及せず、旺盛な個別株物色が目立つ。値上がり銘柄数は1000を超え全体の6割近くを占めた。ただ、週末にメジャーSQ算出を控え上値では戻り待ちの売りも顕在化し、前場取引終盤は日経平均も上げ幅を縮小している。
8日午前の外国為替市場で円安・ドル高が進んでいることが相場の支えとなった。
円相場は一時1ドル=137円半ばと前日から1円以上、円安が進み、輸出企業の採算改善につながるとの見方から関連株に買いが入った
日経平均は足元で2万8000円台に乗せ、前日には2022年11月下旬以来の高値を付けた。これまでの2万7500円を中心とするレンジ相場を上に抜け、上昇基調が続くとの見方が強く、「SQ算出日で、日銀の金融政策決定会合の結果が分かる10日を前に売り方が国内株を買い戻している」との声も聞かれた。
朝方は前日比70円超安まで下落する場面もあった。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が7日の米議会証言で利上げペースの加速や長期化を示唆する発言をしたことを受け、同日の米株相場が大幅安となった流れが波及し、売りが先行した。
2日に200日移動平均線をサポートに反発に転じたS&P500種株価指数は25日線に頭を抑えられる形で大きく失速。再び75日線、200日線割れが警戒される状況となっている。S&P500指数が200日線を割り込んだ場合には、商品投資顧問(CTA)などトレンドフォロー型ファンドの売りが加速するとも指摘されており、今後の米株式市場の動向をよりいっそう注視したい。米金融政策の不透明感が強い中、個別では引き続きバリュー(割安)・高配当利回り銘柄やインバウンド関連に妙味がありそうだ。
東証株価指数(TOPIX)は4日続伸した。前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆3843億円、売買高は5億5835万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1040。値下がりは688、変わらずは107銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)は小売業、不動産業、建設業などが上昇した。下落は鉱業、非鉄金属、鉄鋼など。
個別では、ファーストリテイリングが堅調、オリエンタルランドもしっかり。JR東日本も買いが優勢だった。レーザーテックや東京エレクトロンなども頑強な値動き。TDK、太陽誘電、三越伊勢丹、Jフロントも買われた。冨士ダイスが続急騰、インソースも値を飛ばした。
半面、ソフトバンクグループが冴えず、日産自は3%超安で前場の取引を終えた。信越化学工業も軟調。リクルートホールディングス、住友鉱、INPEXも売りに押された。ファーマフーズが急落、安永も利食われた。
