61円高と堅調、米株下げ止まり、買い優勢

8日午前の日経平均株価は反発した。前週末比61円71銭高の2万8926円03銭で前場を終えた。
前場は、前週末の米国株市場でNYダウなど主要株指数が反発したことを受け買い戻しが優勢となった。注目された2月の米雇用統計は雇用者数の伸びが市場コンセンサスを上回り、景気回復期待が一段と強まる一方、米長期金利の上昇を警戒する動きもくすぶっている。ECB理事会やFOMCなどを控え、この結果を見極めたいとの思惑から積極的な買いも入りにくい状況で、前場終盤になって上げ幅を縮小している。
 
NYダウ工業株30種平均など米株価指数の先物相場の堅調さも手伝って、週明けの日経平均は大きく上昇して始まった。米VIXなど国内外の株式相場の変動性指数が下げたことも安心感を高めた。
 
ただ、売買代金の推移に比べて、日経平均の伸びは鈍かった。寄り後すぐに400円近く上昇した後は上げ幅を縮小。前場中盤以降は手掛かり材料難だったこともあってこう着状態となり、前引けにかけて売り物が出てさらに伸び悩んだ。
前週末は後場に年金など国内機関投資家とみられる買いが入って株価を下支えした。「後場もこうした買いが入れば売買代金は3兆円を超えそうだが、個人中心だとすれば、失速するだろう」という。
 
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)は続伸した。
 
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆4660億円、売買高は8億767万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1341と、全体の約6割を占めた。値下がりは736、変わらずは117銘柄だった。
 


 
業種別でみると、景気回復への期待感から鉄鋼など景気に敏感な業種に買いが入った。原油高を背景に鉱業が急伸。金利高で銀行も上げた。
 
個別では、原油高を好感し国際石開帝石が大幅高。JFEや神戸鋼、日本製鉄が上げた。武田が上伸し、ソフトバンクGが小幅に切り返し三菱UFJ、三井住友、野村も高く、ENEOS、日軽金HDやDOWAも上昇した。
 
一方、日本電産、リコーが大幅に下げた。ソニー、ファストリやエムスリー、ダイキンが下落。アドテストも売られた。
 
東証2部株価指数は前週末比23.94ポイント高の7321.87ポイントと3日ぶり反発した。出来高1億0206万株。値上がり銘柄数は279、値下がり銘柄数は120となった。
 
個別ではコーアツ工業、倉庫精練が一時ストップ高と値を飛ばした。あじかん、カワサキ、ヒラキ、丸尾カルシウム、ベルテクスコーポレーションなど9銘柄は昨年来高値を更新。ミズホメディー、日本アビオニクス、浜井産業、ヴィスコ・テクノロジーズ、大日本コンサルタントが買われた。
 
一方、ビート・ホールディングス・リミテッド、デュアルタップ、Abalance、インスペック、パシフィックネットが売られた。

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