ただ、市場では「今までの(インフレ低下)基調から逸脱していない」(日系証券)との見方が広がった。米連邦準備制度理事会(FRB)が来週の金融政策会合で追加利下げを行うとの観測が維持され、ダウはプラス圏に浮上する場面もあった。
そのほかのダウ平均の構成銘柄では、ユナイテッドヘルス・グループやキャタピラーが下げた。ホーム・デポも売られた。一方、アナリストが投資判断を引き上げたコカ・コーラが上昇。メルクにも買いが入った。
ナスダック総合株価指数は反落した。前日比132.052ポイント(0.65%)安の1万9902.842(速報値)で終えた。テスラや半導体のマイクロン・テクノロジーが下げた。このところ大幅に上昇していたアルファベットにも売りが出た。
【シカゴ日本株先物概況】
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
12日の英FTSE100種総合株価指数は小幅に続伸し、前日比10.14ポイント(0.12%)高の8311.76で終えた。一部金融機関が投資判断と目標株価を引き上げたと伝わった蒸留酒大手ディアジオが買われた。前日の米ハイテク株高を背景に12日のアジア市場で香港や中国・上海といった主要な株式相場が上昇したのも、投資家心理を支えた。
英バークレイズなど銀行に買いが優勢だった。エネルギー株や、英ユニリーバといった日用品関連が上昇した。半面、英豪リオティントをはじめ資源株が下落し、指数の上値を抑えた。
FTSEの構成銘柄では、酒造大手ディアジオが2.77%高、水道大手セバーントレントが1.80%高、投資信託スコティッシュ・モーゲージ・インベストメント・トラストが1.73%高と上伸。一方、有害生物管理会社レントキル・イニシャルは3.97%安、産銅大手アントファガスタは3.43%安、食品・小売り大手アソシエーテッド・ブリティッシュ・フーズは3.01%安と売られた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
12日のドイツ株価指数(DAX)は小幅に続伸し、終値は前日比27.11ポイント(0.13%)高の2万0426.27と最高値を更新した。欧米の利下げ観測は投資家心理を支えた。11月下旬以降にDAXは急速に水準を切り上げてきたため利益確定を目的とした売りが出やすく、上値は重かった。
個別では、航空機大手エアバスが2.34%高、自動車大手BMWが1.91%高、防衛大手ラインメタルが1.29%高と買われた半面、エネルギー大手シーメンス・エナジーは3.92%安、ミュンヘン再保険は2.02%安、郵便・物流大手ドイツポストは1.61%安で取引を終えた。
■フランス・パリ株価指数
フランスで主要な株価指数であるCAC40は前日比0.03%安と横ばい圏で終えた。コンサルティング会社の仏キャップジェミニ、欧州鉄鋼大手アルセロール・ミタルが下げたほか、BNPパリバなど金融の一角に売りが出た。酒類大手ペルノ・リカールや、高級ブランドのエルメス・インターナショナルといった消費関連には買いが優勢だった。
