17日のNYダウ工業株30種平均は6日続伸し、前週末比76ドル32セント（0.2%）高の3万4585ドル35セントで終えた。昨年11月下旬以来、約7カ月半ぶり高値を付けた。
この日は主要経済指標や注目企業の決算の発表に乏しく、手掛かり難となった。ダウは取引序盤はもみ合いで推移した後、このところ堅調なハイテク株に買いが集まったほか、決算への期待から金融株も物色され、終値で年初来高値を更新した。今週はバンク・オブ・アメリカ、ゴールドマン・サックスなどの金融株やテスラの決算発表を控えており、内容を見極めたいとの警戒感も強かった。
前週明らかにされた米経済指標で物価上昇圧力の鈍化が確認されたため、連邦準備制度理事会（FRB）の利上げ局面が近く終わるとの期待感が引き続き、投資家心理の下支え要因だった。
朝方にニューヨーク連銀が発表した7月の製造業景況指数はプラス1.1と市場予想（0.0前後）を上回った。個別指数では新規受注が小幅に改善した。一方、価格指数の低下が目立ち、ディスインフレ（インフレ沈静化）の基調を示したと受け止められた。
ダウ平均は寄り付き直後には一時、90ドルほど下げた。中国国家統計局が17日に発表した2023年4～6月期の実質国内総生産（GDP）が市場予想を下回った。主要な米株価指数が直近の高値圏で推移し、ダウ平均は前週に774ドル上昇していた。利益確定や持ち高調整の売りが出る場面があった。
下げは続かず、午後には一時150ドルあまり上昇した。前週末にJPモルガン・チェースなど金融大手が発表した決算が全般に底堅い内容だった。今週は動画配信のネットフリックスや電気自動車のテスラなどハイテク大手の業績発表が本格的に始まる。「市場予想を上回る決算や楽観的な業績見通しが目立つ可能性が高い」との声があった。
ダウ平均では半導体のインテルや金融のJPモルガン・チェース、スマートフォンのアップルの上昇が目立った。一方、通信のベライゾン・コミュニケーションズは大幅安だった。
ナスダック総合株価指数は反発し、前週末比131.246ポイント（0.9%）高の1万4244.949で終えた。昨年4月以来の高値。ピックアップトラックの生産を始めたテスラが上げた。
S&P500種株価指数は前週末比17.37ポイント（0.4%）高の4522.79と、昨年4月以来の高値で終えた。
【シカゴ日本株先物概況】
17日のシカゴ日経平均先物は上昇した。9月物は前週末比20円高の3万2340円で終えた。
今週の米主要企業の決算公表が待たれる中、米連邦準備理事会（FRB）による金融引き締めが長引くとの観測が後退したことで17日の米株式相場は、ハイテク株や金融株主導で買われ、6営業日続伸した。これを受け、日経平均先物に買いが波及した。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7406．42（－28．15）
17日のFTSE100種総合株価指数は続落した。前日に比べ28.15ポイント（0.38%）安の7406.42で取引を終えた。中国国家統計局が17日発表した2023年4～6月期の実質国内総生産（GDP）が市場予想を下回り、同国経済の需要の弱さが意識された。非鉄金属など商品相場が下落しており、資源セクターの下落が指数を押し下げた。
FTSE100の構成銘柄では、飲料大手コカコーラHBC（4．19％安）が下落幅トップ。ブックメーカーのフラッター・エンターテイメント（3.44％安）と資源大手グレンコア（2.82％安）が続いた。この反面、蒸気システム大手スパイラックス・サーコは2.10％高、有害生物管理会社レントキル・イニシャルは1.56％高と上昇した。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 16068．65（－36．42）
17日のドイツ株価指数（DAX）は続落した。前週末に比べ36.42ポイント（0.23%）安の1万6068.65で取引を終えた。中国経済の成長鈍化が重荷だった。中国国家統計局が17日発表した2023年4～6月期の実質国内総生産（GDP）が季節調整済みの前期比で0.8%増と、前期から減速した。化学や消費財など景気敏感セクターのほか、ヘルスケアや公益事業などディフェンシブセクターにも売りが出た。
個別では、不動産大手ボノビアが2．14％安と下落。半導体大手インフィニオン・テクノロジーズは1.65％安、製薬大手サルトリアスは1.25％安とそれぞれ売られた。一方、買われたのはドイツ銀行（2．36％高）やミュンヘン再保険（1.15％高）だった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7291．66（－82．88）
フランスCAC40種指数は1.12％安だった。英株式市場は鉱山株が主導する形で下落した。原油価格が落ち込んだことも響いた。
