59円安と反落、11時以降に利益確定売り

 
27日午前の日経平均株価は反落し、午前終値は前日比59円79銭(0.15%)安の3万9173円92銭だった。
きょうは朝方買い優勢で、日経平均株価は一時200円近い上昇で3万9000円台半ばまで水準を切り上げる場面もあったが、その後は利益確定の売り圧力が表面化し値を消す展開となった。
前日の欧米株市場が冴えない地合いだったことで、市場のセンチメントが冷やされた。日経平均はここ急速に水準を切り上げ史上最高値圏に突入していたが、足もとで急ピッチの上昇に対する警戒感も出ている。半導体関連株には朝高後に安くなる銘柄も多くみられ全体相場に影響した。ただ、銀行や鉄鋼などバリュー株にはリターンリバーサル狙いの買いも観測されており下げ幅は限定的だった。
 
前日の米株式市場ではエヌビディアが上昇して終えたほか、半導体設計のアーム・ホールディングスが大幅に上昇した。東京株式市場でも東エレクなど半導体関連株の一角やソフトバンクグループ(SBG)が買われて相場を押し上げた。
 
11時過ぎになると株価指数先物への売りが膨らみ、日経平均も下げに転じた。市場関係者は「目立った材料はなさそうだが、高値警戒が強かった主力株を中心に利益確定売りが膨らんだようだ」とみていた。個別ではアドテストに売りが膨らみ、一時は3%下落した。

前場の終値のNT倍率は14.60倍まで縮小しており、日経平均の過熱感はやや和らいでいる。本日は、鉄鋼株のほか、三井住友、みずほなど銀行株の上昇が目立つなど内需関連に物色が向かっている様子。値がさ半導体関連のみ大幅高していた歪な構図は徐々に是正されている。物色の対象が内需株にも広がったことで安心感もある。後場、内需株の下支えによって日経平均が3万9000円台を維持できるか注目したい。

 

東証株価指数(TOPIX)は続伸した。前引けは9.12ポイント高の2682.74だった。JPXプライム150指数は続伸し、0.61ポイント高の1183.30で前場を終えた。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆6944億円、売買高は9億8493万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は534。値上がりは1073、横ばいは50だった。
 

業種別株価指数(33業種)では海運業、陸運業、空運業などが下落した。上昇は鉄鋼、銀行業、証券・商品先物取引業など。
 
個別ではレーザーテックが堅調、ソフトバンクグループも買いが優勢。三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクが上値を追った。日本製鉄、神戸製鋼所など鉄鋼株も物色された。ACCESSが続急伸、帝国繊維、日立造船が大幅上昇。日野自も買われた。
 
半面、ファストリが朝高後に下落に転じた。三井E&Sが大きく利食われたほか、川崎汽船も軟調。資生堂、TDK、京成も売られた。
ディスコなど半導体製造装置関連も朝高後に値を消した。明和産業が大幅安、マツキヨココカラ&カンパニーも売りに押された。

 

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