20日午前の日経平均株価は続落し、午前終値は前日比584円90銭安の3万8579円71銭だった。
朝方からリスク回避の売りに晒される格好となり、日経平均はフシ目の3万9000円台を大きく割り込み、3万8000円台半ばまで一気に水準を切り下げる展開となった。日銀の追加利上げ観測などを背景に、国内10年債利回りが上昇傾向を強めていることに加え、足もと外国為替市場で1ドル=150円台半ばまで急速に円高方向に振れていることが警戒視された。
輸出関連株を中心に売りが優勢だった。日経平均の下げ幅は一時600円を超えた。
20日午前の東京外国為替市場で円相場は1ドル=150円台半ばまで上昇し、昨年12月上旬以来およそ2カ月ぶりの高値をつけた。円相場の上昇に歩調を合わせる格好で、海外投機筋などによる株価指数先物への売りが勢いを増し、日経平均は前引けにかけて一段安となった。トヨタなど輸出関連株が軒並み安となったほか、ファストリなど値がさ株の下げも目立った。
このところ人気化していた防衛関連や半導体関連も総じて軟調だった。
市場では「セクター別でみると不動産や建設など内需株の下げも目立ち、外需関連だけではなく全面的に売られている印象」との声が聞かれた。
為替は日米金利差の縮小傾向が今後強まるとの見方から円高ドル安が進行しているもよう。昨日の高田創日本銀行審議委員の発言を見る限り、日銀は追加利上げに対する方針を変えていないことから、明日の日本の1月消費者物価指数の結果次第では、日銀による追加利上げに対する思惑も強まりそうだ。後場の東京株式市場は、消費者物価指数への警戒感が意識されて、日経平均は一段安となる可能性もあり、引き続き為替の動向を睨んだ展開になるだろう。
東証株価指数(TOPIX)は続落した。前引けは39.50ポイント(1.43%)安の2727.75だった。JPXプライム150指数は続落し、17.38ポイント(1.44%)安の1193.74で前場を終えた。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆2277億円、売買高は9億1946万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1378。値上がりは223、横ばいは38だった。
業種別は、輸送用機器、保険、銀行、その他製品、建設などが下落した一方、鉱業、電気・ガス、石油・石炭、空運の4セクターのみ上昇した。
個別では、トランプ関税のほか円高ドル安進行が売り材料視されてトヨタ自動車、日野自動車、SUBARU、日産自動車など自動車株の一角が売り優勢となったほか、ディスコ、スクリーンHD、東京エレクトロンなど半導体株も弱い。また、フジクラ、清水建設、大林組、鹿島建設など建設株もさえない。IHI、川崎重工業なども安い。
このほか、栗田工業が急落、横浜ゴム、野村総合研究所、日本電気、レゾナック、ニトリHD 、M&A総研ホールディングスなどが下落した。
半面、証券会社のポジティブなレポートを材料にJR西日本が買われたほか、JR東海、JR東海もつれ高となった。また、円高推移を材料にニチレイも上昇。このほか、TOTO、資生堂、花王、オムロン、明治ホールディングス、ライフドリンク カンパニーなどが買われた。
ルネサスエレクトロニクスも上値を追った。ミガロホールディングスが値を飛ばしTOTOも値を上げた。
