8日午前の日経平均株価は反発し、午前終値は前日比57円57銭(0.18%)高の3万2329円39銭だった。
前日の米国株市場で長期金利の低下を背景にNYダウ工業株30種平均は小幅に続伸し、前日比0.16%高の3万4152ドルで終えた。ハイテク株に買いが入り、ナスダック総合株価指数が0.89%高、主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は0.77%高で終えた。
日経平均は一時250円近く上昇し3万2500円台まで上値を伸ばす場面があった。ただ、その後は金融株や景気敏感株の一角に売られる銘柄が多くなり、後半は上げ幅を縮小する展開となっている。値下がり銘柄数は1100を上回り、全体の7割近くを占めている。
アドテストのほか、リクルートやエムスリーなどのグロース(成長)株に買いが入り、日経平均の上げ幅は一時200円を超えた。
ただ、日本株の上値追いは続かなかった。前日のニューヨーク原油先物相場の下落を受けて、石油関連株に売りが出た。中国景気の減速懸念から8日の中国・上海や香港株式相場が下げて始まったことも相場の重荷となり、機械や鉄鋼など景気敏感株は弱含んだ。
後場の日経平均はプラス圏を維持できるか。東証プライム市場では幅広い銘柄が軟調に推移しており、東証株価指数(TOPIX)は前場途中でマイナス圏に転落している。東証グロース市場250指数も700ptを手前に上値の重い展開となっており、直近の大幅高に対する戻り売りが優勢となっている。
ただ、一部の主力株や値動きの軽い新興株は決算発表などの個別材料を受けて上昇している銘柄も散見されており、一部の個人投資家の物色意欲は続いていることがうかがえる。
日経平均株価のテクニカル面では、5日移動平均線が75日線を下から上に抜けてゴールデンクロスを形成し、75日線もサポートラインとして意識されているか。米株先物やアジア市況の動向に注意しつつ、後場の値動きを見守りたい。
JPXプライム150指数は反発し、0.19ポイント(0.02%)高の1022.12で前場を終えた。一方、東証株価指数(TOPIX)は続落し、前引けは13.80ポイント(0.59%)安の2319.11だった。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆2321億円、売買高は9億8229万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は486にとどまり、値下がりが1141、横ばいは31だった。
業種別株価指数(33業種)は医薬品、倉庫・運輸関連業などが上昇した。下落は鉱業、石油・石炭製品、銀行業、保険業など。
個別では、レーザーテックが高く、前日に好決算を発表した任天堂も商いを伴い上昇した。マツダが値を飛ばし、スズキなども高い。LINEヤフーは大幅高に買われた。ティラドが連日の急伸、横河電機も物色人気。
半面、三菱重工業が売られ、川崎汽船も下値を探る展開。三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクの下げも目立つ。三菱商事、明治HD、三井物が下落、ソフトバンクグループ(SBG)も冴えない。パイロットコーポレーション、東洋炭素、東海カーボンは急落した。
